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電書12/25コミックシーモア配信開始《連載版》ドアマット幼女は屋根裏部屋から虐待を叫ぶ  作者: はなまる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/27

12/25電書配信開始! 御礼クリスマスSS 前編

『屋根裏のエルシャ第1巻 ドアマット幼女は屋根裏部屋から虐待を叫ぶ』が12/25日に、コミックシーモアさんで先行配信開始です!

クリスマス当日ですよ! 作者へのクリスマスプレゼントですよね!・:*+.\(( °ω° ))/.:+


というわけで、浮かれた作者が『クリスマスSS』書きました笑 しかも前後編です! いつものエルシャよりも、ファンタジー盛り盛りでお届けですよ!

皆さんにも、素敵なクリスマスが訪れますように!


電子書籍の予約ページへのリンクは、活動報告に貼っておきますね。作者の名前はなまるをポチッとする→活動報告をポチッとして下さいませ!

 皆さま、お寒うございます。


 エルシャ・グリーンウッド六歳です。


 寒さが本格的になり、王都でも初雪が降りました。夜に降りはじめた雪をダグラスさんとキッチンで、ホットミルクを飲みながら眺めました。

 いえ、ダグラスさんはあまり見ていませんでしたね。大粒の雪がガス灯の灯りでオレンジ色に浮かび上がるのが、幻想的でとてもきれいだったのに。『朴念仁』という言葉が頭に浮かびました。あっ、これは走馬灯の知識です。


 翌朝は溶けた雪で道が凍って、滑って転ぶ人が続出しました。実はわたしも二回ほど、すってんころりんしてしまいました。お尻がちょっと痛いです。

 ハドソン先生にもらった湿布を、こっそり自分で貼りました。


 そんな冬の、ある夜の出来事です。


 その日の夜勤はピートくんでした。ピートくんはまだ夜勤に慣れていないので、わたしがしっかりしないといけません。居眠りしていたら起こしたり、書いた報告書の誤字をチェックしたりします。だからその日は昼間、たっぷりお昼寝したのです。


 ピートくんが定時の巡回に出かけ、わたしはコーヒーを淹れる準備をしていました。ピートくんは普段、背が伸びなくなるからコーヒーは飲まない主義らしいのですが、夜勤の時だけは仕方ないと飲んでいます。


 薪ストーブの上のやかんが、シュンシュンと音を立てはじめました。


 そのときです。


 窓の外から、ドサッと何かが落ちた、大きな音が聞こえてきました。


「うう、痛っ、いたた……やってしもうた……」


 誰かが屋根から落ちたようです。


 泥棒さん……? でも、警ら隊の詰所に入る泥棒がいるでしょうか。怪我をしたみたいですし……わたしは窓から顔を出して声をかけてみました。


「大丈夫ですか? どうしました?」


「腰を……、やってしもうた……」


 弱々しい返事がありました。オイルランタンを掲げて見ると、赤い服を着たおじい様が腰を押さえてうずくまっていました。白いおひげがふるふると震えています。


「白いおひげに、赤い服……。もしかしてサンタさんですか?」


「ああ、そうだ。……いかん、こんな姿を子供に見せては、夢を壊してしまう……!」


「大丈夫ですよ。わたしはもう六歳ですから。サンタさんだってギックリ腰になるくらいわかります」


「そ、そうか。助かる……。その辺に、トナカイはおるか?」


「トナカイさん……」


 オイルランタンでぐるりと周囲を照らします。あっ、いました。でも、足を痛そうにプラプラと振っています。


「トナカイさん、いましたけど、足を怪我しているみたいです」


「なんと! 困った……。これではプレゼントを配れない」


 これは緊急事態です。今日はクリスマスイブなのです。


 でも去年のクリスマス……。わたしの部屋にサンタさんは来なかったのです。エミリーのところには来ていたのに。だから今年も、期待せずにピートくんの夜勤に付き合っていたのですが……。靴下も吊るしていません。


 だって、朝起きて……空っぽの靴下を見るのは嫌だったんですもの。


「サンタさん、去年は……いえ、なんでもありません」


 根に持つようなことを言ってはいけませんね。去年も何か事情があったのでしょう。


「子どもたちが待っておるのに……」


 サンタさんが、チラッとわたしの方を見ました。


「こんな大切な夜に、腰が痛くて動けんとは……」


 また、チラッと見ています。


「……わかりました。わたしが代わりに配ります」


「いいのか!? すまんのう」


 待ってましたとばかりに言いました。仕方のないおじい様ですね。


「立ち上がれますか?」


「痛っ、ううう。何か杖になるものを……」


 掃除用のほうきを持ってきました。わたしも肩を貸して、ようやくヨロヨロと歩きはじめました。


 仮眠室へと案内して、横になってもらいます。腰に、ハドソン先生の湿布を貼ります。


「おお、スーッとして気持ちいいのう」


「ハドソン先生の湿布は良く効きますよ」


 わたしのお尻も、一日でずいぶん良くなりましたから。


 サンタさんが落ち着いたので、今度はキッチンでトナカイさんの治療です。足は折れていない様子ですが、関節が腫れています。こちらも、ハドソン先生の湿布を貼ります。湿布、今日は大活躍ですね。


 トナカイさんの治療をしていると、ピートくんがキッチンへ入ってきました。いつの間に帰って来たんでしょう。気がつきませんでした。


「エルシャ……。仮眠室のベッドで、赤い服の爺さんが寝てるんだけど……だれ?」


「サンタさんです」


「ええっ? じゃあ、そ、そのトナカイは?」


「サンタさんのソリを引く、トナカイさんです」


 ピートくんが呆然と立ち尽くしています。


「サンタクロースって、本当にいるの? 僕の常識が間違ってる……?」


「それよりピートくん。大変なんです。サンタさん、屋根から落ちて、ギックリ腰だそうです。トナカイさんは足を痛めています」


「大惨事だよ!」


「なので、わたしが代理でプレゼントの配達に行きます」


「えっ、もう決定なの!?」


「緊急事態ですから」


 ピートくんは、“エルシャはなんでそんなに冷静なの”とか、“本物? そんなのあり得るの?”とかぶつぶつ言っていましたが、急に真面目な顔で言いました。


「エルシャ、聞いて! こんな夜に、小さい子が出かけるのはダメ!」


「えっ、でもクリスマスイブですよ?」


「クリスマスイブでも、ダメ!」


「プレゼント、配らないと……」


「僕が行く!」


 ピートくんの目がキラキラしています。きっと“だって楽しそうだもん”って思ってます。わかります……わたしもちょっと、そう思います。


「ピートくん、夜勤はどうするんですか?」


「あー、そっかぁー。仕事だもんなぁー。サンタの爺さん、夜勤代わってくれないかな?」


「ギックリ腰ですから……」


 ピートくん、すっかりサンタさんの存在を受け入れています。さすがはピートくんです。


「ダグラス隊長は?」


「昨日夜勤で、今朝帰ったばかりですよ。かわいそうです」


「でもエルシャひとりで行かせるのは、やっぱり心配だよ」


 ピートくんがぐぬぬと唸っています。確かに幼女が夜中にウロウロするのは、危険かも知れません。世の中には悪い人もいますから。


「おーい、嬢ちゃんの身の安全なら、保証するぞい」


 サンタさんの声です。ピートくんと仮眠室へ向かいました。


「このサンタ服は、着ると悪いやつには見えなくなる。つまり、わしを見つけられるのは、清い心を持っている人間のみなんじゃよ」


「えっ、じゃあ、わたしとピートくんは?」


「うむ! 二人とも清いぞ!」


「そう、かな……えへへ」


 何となく照れくさくなって、ピートくんと顔を見合わせて笑ってしまいました。


「しかも、じゃ! このサンタ服は誰にでもフィットするフリーサイズじゃ! お嬢ちゃん、着てみてごらん」


 サンタさんが、赤い上着を脱いで渡してくれました。汗くさくないでしょうね?

 半信半疑で袖を通すと、シャルルルルと縮みました。膝丈のワンピースみたいです。


「すげぇ!」


 ピートくんが叫びました。わたしの目もまんまるです。サンタさんって、すごいんですね……!


「さっき、サンタの里に連絡して、代理のトナカイを頼んだんじゃが、あいにく子供のトナカイしか来られんのじゃと。どっちみち、そっちの兄さんは重量オーバーじゃよ」


 つまり、わたしが行くしかない状況……ですね!


「わかりました。任せてください!」


 最初は成り行きで引き受けましたが、だんだん楽しみになって来ました。不思議なサンタ服を着て、子供トナカイさんの引くソリに乗って、プレゼントを配るのです。


「いいなぁ、エルシャ! 最高のクリスマスじゃん! えー、僕、夜勤なんかしてる場合じゃなくない?」


「いいえ、ピートくんは夜勤をしっかり勤めて下さい! わたしは……ふふふ! 幼女サンタになります!」



後編に続く。ちゃんちゃん!




読んで頂き、ありがとうございます。

本編では、エルシャは秋の終わり頃に辺境へと旅立っていますから、少し違う世界線のお話になります。

そして『屋根裏のエルシャ』、実はコミカライズも決定してます! 続報をお待ち下さい。


クリスマスSSなので、後編は12/24のイブに投稿予定でーす!


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― 新着の感想 ―
素敵なお話ですね、どうなるんでしょう? 後半読みに行きます。
 ピートくん、つけひげで変装した不審者の可能性は考えないのかなと言う疑問では、番外編では余計なんですかね。  しかし、深夜の子供外出までは待ったをかける理性などもちらほら見えます。  そして、代理ト…
クリス・・・マス? 普通にフライングしてないw?
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