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ついに出してきた!

 あー、あっちぃなぁ。何なんだよこの暑さはよぉ。

はぁぁ、どっか冷てぇとこはねぇかなぁ〜。


 あっ……あるこたぁあったな。けどよぉ、あそこはすずの──おっ! こんな真っ昼間にカーテンが閉まってるってことは、いないな? ほんじゃあ行きますか。



 ホワァ〜。すべすべで冷たくて気持ちいいな〜、この踏み石はよぉ。

すずはいねぇしな。俺はもう、ヘヘッ、の〜びのびに伸びちゃうぜ? 


 それ〜、うにゃ〜〜ん! ゴロ──ん? なんか音が……。

んー、気のせいかーって、こんなとこにこんな棒とかあったっけ?

……怪しいな。けどよぉ……。



 ハァァ〜。なん〜じゃこりゃ! 太すぎず細すぎず、ハァ〜、クゥゥ〜。

角材じゃないってとこがいいじゃねぇか。

丸棒だからよぉ、自分の前足でかくときよりもこう──痒いところに手が届くっつーの? 


 背中とかもよぉ、こう、こうして、う〜ん。最高じゃねーか!

んで、もう一回、のび〜んのゴロ〜ンの──ウッヒャッヒャッ! コラッ!

脇腹はやーめろって。こしょ、こしょ、こしょばいーって!…………えっ?


 ちょい待て。今更だけどよ、この棒どっから……はぁ、すずの部屋ん中からじゃねーか! チキショー。隠れてないで出てこーい! 正々堂々と──

あれ? ハハッ、恥ずかしいなおい。誰もいねーじゃねーかよ。


 しっかし……ハァ〜、ここで昼寝できたら気持ちいいだろうなぁ。

けどよ? いつあいつが帰ってくるかわかんねぇし、もうちょっとだけ顔と背中をかいたら移動するか。


 顔をゴシゴシ〜からのぉ、のびのびゴロ〜ン。

背中をゴリゴリ〜からのぉ、ひねりを加えたぁ〜、のび〜んゴロ〜ン。

ついでに手足をグィ〜ンとのばしたらぁ、肉球もう〜んと広げましょう!

ハイィ〜、パァ〜っとッヒャッヒャッヒャッ! 


 だから! 脇腹はやめろって──あっ……。


「あっ……。エヘッ、見つかっちゃった〜、ざんねーん」


 チッキショー、やっぱりこいつだったのか!


「ねぇ? ねえねえ、気持ちよかった? のびのびしてたもん、気持ちよかったんだよね?」


 バッ! 気持ちよくなんかねーよ!!


「そうか、そうか、しょうがないなぁ。じゃあもう少しだけコショコショ──あっ、どこ行くの!」


 なにがコショコショだ! じーさんに言いつけてやるからなー!


「おーい、ボスにゃーん!……あーあ、行っちゃった。つまんないの。可愛かったのにぃ」



 ▷▷▷



 つーかあいつよぉ、忍び過ぎだよな? 俺らより音立てずに歩けるんじゃねぇか?

んで、暇人だからよ、いつまでも粘ってんだろうな。

獲物にいたずらを仕掛けるまではよ。はぁ〜、ご苦労なこった。


 もういっそのことサバンナに移住してだな、その忍び足を──いや、そしたら俺が遊んでもらえなく……く、く、く、くま! ま、ま、ま、またたび! び、び、び──


 あっ、いたいた。おーい、じーさん聞いてくれよ。あいつ──すずがよぉ、ついに棒っ切れを出してきたんだぜ!


 ほぉ、すずがそんな物を? ちょっと信じられんが、それでどうした?


 どうしたもこうしたも、俺がのびのび寝転んでたらよぉ、部屋ん中から棒っ切れをこっそりと出してきてな?


 トゲトゲ付きの角材か?


 ちょっ!? すずがそんなあぶねーもん出してくるわけがねぇだろう!

細っこい丸棒だぜ、出してきたのはよぉ。


 細っこい丸棒か……それなら叩かれてもあんまり痛くはなさそうじゃが、細い分どつかれたらそれなりに痛かったじゃろうな?


 なっ!? なに言ってんだよ! すずがそんなことするわけねぇじゃねぇか!!

じーさんの孫なんだろ? 孫のことをそんなふうに言うなんて、信じられねーな。

まさか……もうボケちまったのか?


 何をいうか。わざわざいいつけに来たってことは、その細っこい丸棒ですずからひどい目にあわされたからなんじゃろう?


 はあぁ? だから、何でそんなあぶねー発想になるんだよ! 

すずはなぁ、俺がのびのびゴロゴロしてたら体をかくのに丁度いい棒を出してきてくれただけなんだよ。


 まぁ、脇腹をコショコショやられたから、それはちょっとくすぐったかったけどな? たったそれだけのことなのによぉ、叩くとかどつくとか……。

ハァ、濡れ衣を着せられて可哀想なこった。


 なんじゃ、結局、気持ちが良かったって話をしにきただけなのか?


 そーだよ! 初めっからそう言ってんだろ? 

あー、もういいや。邪魔したな!


 おう。気ぃつけて帰れよ。



 ▷▷▷



 おやっさん。


 んー? なんじゃ、ニケランジェロ。


 ……それは勘弁してくださいって。ていうか、あいつ何しに来たんですかね?


 聞いとらんかったんか? すずとは相性バッチリで、仲良く楽しくやってます。

という報告じゃよ。お前たちとは違ってな。


 あー、んーと、タリーたちはどこ行ったかなぁ? ちょっくら捜してきますわ。



 ▷▷▷



 ハァ〜、やれやれ、来るんじゃなかったな。さっさと帰って──


「おいらが先に見つけたッスー!」 パキッポキッ ズボッ ザアァ!


 おわっ! な、何だ!? 


「あ〜あ、ダメだよコッポ〜。それはボスにゃんさんに仕掛けた罠だからって言ったでしょう?」


 出た……へんてこトリオ。ニケはいねーからコンピか。ってのは置いといて。


「おい。本人を前に、何を堂々と喋ってんだよ」

「だ〜って。ボスにゃんさん、この前うちらに堂々とウソついたでしょう? だから色々ちゃんとお返ししておかないと、失礼になるかなぁと思いまして」


 いらんわ! 落とし穴のお返しとか、怪我したらどうすんだよ! あっ、そっか。


「おーい。大丈夫かぁ」

「おいらも、芋のしっぽも大丈夫ッス!」


 はぁ? 芋のしっぽ?……あいつそんなモンに飛びついたのか?


「おいら、芋のしっぽには目が……目が……目に入れても痛くないッス!」


 いや、普通にイテーだろ。ありゃ結構かてぇぞ?

つーか、それを言うなら《目がない》だからな? まあ、それはいいけどよ。


「出られねぇんじゃねーのか? 手ぇ貸そうか?」

「だめッス! これはおいらの芋っぽッス! 手ぇ出したらだめッス!」


 ……出すんじゃなくて、貸すんだけどな? そもそも、芋のしっぽなんかに興味ねーし。

ハァ、もういっか。そのうちニケも来んだろ。


「そっか、じゃあな」

「フフフ、ボスにゃんさんて見かけによらず優しいですよね?」

「だからよ? オメーは一番まともそうに見えるのに余計な一言が多いよな? つーか、どこまでついてくんだよ」

「まあまあ、いいじゃないですか。たまにはこうしてゆっくり話すのも」


 ハァ……『たまには』ってなんだよ。会ったのはまだ二回だけだろ?

あーあ、ここにすずがいればこいつを──あっ、


「いた。すずだ」

「ちょっとちょっと〜、同じ手に二度も」「あれ〜? ボスにゃん、お──」


 ……相変わらず早えぇな。


「──友達……行っちゃったね? あー、もしかして、いじめてたんじゃないでしょうね? ダメだよ! お友達をいじめたりしちゃあ。せっかくアイスをあげようと思ったのに。なしだね、なしなし」


 ちょっ、何いってんだ? ありゃ百パーセントお前のせいだぞ!

まぁ、お陰で助かった──えっ? アイス!? いやいや『なし』ってなんだよ。

完全にお前の勘違いで、俺は濡れ衣を──あっ! こら、待て!

アイスよこせぇぇ!!


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