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ゆめの泡  作者: 砂乃シロ
5/8

<4> 夢の証

やっと、少し物語が動き始めました。

亀よりも遅い更新速度で、大変お待たせしました!!

読んでいてくれる方はいらっしゃるのでしょうか?

次回の更新も未定ですが、なるべく早く更新したいと思っています。

これからもよろしくお願いします(。・_・。)

 生まれ育ったこの世界に帰って来てから、5日。

 やっと軟禁状態が解けた。侍女たちの同情の眼はまだ感じるが、あちらの世界にいた頃だって散々受けていた扱いだから慣れている。



「そういえば、わたしはどうやって帰ってきたか知ってる者はいるかしら?」

 そばでお茶を入れている侍女のミアに、ふと気になって尋ねた。

 屋敷で倒れていたのかしら。それとも道に倒れていて保護されたとか?気づいたら自分のベットだったから状況がさっぱり分からないわ。お父様も会いにいらっしゃらないし、どうなっているのかしら。


「どのように屋敷に侵入したかは分かっておりませんが……」

 なぜか言葉に詰まっている様子でミアは口を噤んだ。

 その様子に首を傾げながら、先を促す。

「どうしたの?言ってちょうだい」

「あの……姫は犯人の一人と共に部屋に倒れていらっしゃったのです」

「え……?」

 わたしの困惑を恐怖と取ったのか、ミアはすぐに言い繕う。

「もちろん犯人は屋敷の騎士団がすでに拘束しております。ご安心ください」

 犯人?拘束?意味が分からない。

 わたしは別に誘拐されていたわけではない。なのに、犯人?一体、何者なの?

「ねえ、その犯人はどんな者だったの?」

「変な服装の女だと聞きましたよ。なんでも、娼婦よりも短いスカートだったとか。姫の名前を大声で叫んで、暴れたらしいですわ」 

 ちらちらとわたしに向ける同情の視線は、なに?誘拐されて、わたしが娼婦にでもされたと思っているのだろうか。

 そんなことより、犯人は変な服装の女性?短いスカート?……麻里?まさか、と心が騒ぐ。


「すぐにその者の許へ連れて行きなさいっ!」

 わたしの剣幕に押されて、ミアは慌てて騎士を呼びに飛び出していった。


 案内された牢の中、居たのは予想通り麻里だった。

「ミチルぅ~っ!!!」

 半泣きでわたしに駆け寄る姿は、髪もぼさぼさ、服もヨレヨレでひどい。

 でも、それほどヒドイ扱いは受けていなかったようだ。懲罰房に軟禁程度の扱いだったらしい。乱暴をされた跡や怪我がないことを確認して、安心した。


 連れて来てくれた騎士に、麻里が誘拐犯でないことを簡単に説明する。違う世界なんて言えないから、彷徨っていたところを助けてくれた恩人だと伝えた。

 はじめは「責任がありますので」とか、「安全が確認されていません」なんて言って渋っていた騎士だけど、少し脅したら頷いてくれた。わたしってこの屋敷の姫だものね。意外と権力あるのかしら。今まで使ったことなかったけれど。 

 

 麻里をわたしの部屋に連れて来てお湯と着替えを用意させた後、「二人っきりにしてちょうだい」と侍女を追い出した。とりあえず二人だけで話がしたかったのだ。侍女は思いっきり不審そうな顔をしていたけれど。

 

「……こ、こわかったぁ~!」

 侍女がいなくなると、麻里はぎゅっとわたしに抱きついてくる。わたしも彼女を安心させるように、そっと背中を撫でた。

「ごめんね、麻里。わたしがもっと早く気付いていれば良かったんだけど、まさか麻里までこっちに来てるとは思わなくて」

「私も目が覚めてびっくりしたよ。だって、知らない場所だしさぁ。さっきまでミチルの部屋だったのに」

 

 麻里が言うには、びっくりしてベットから落ちたらしい。その音を聞きつけた侍女が麻里とわたしを見て悲鳴をあげ、駆け付けた騎士に拘束されたという。


「でね!私が痛いって叫んだら、超イケメンの騎士さんが来て助けてくれたの~!」

「え……イケメン?」

 いつの間にか麻里の話はイケメンの騎士に移り、熱弁し始める。

 そんな騎士、いたっけ?あまり騎士とは面識が多くないから思い出せない。それにしても、こんな時でもイケメンって。麻里の面食いさには完敗だわ。

「ほんっとうに素敵だったの!食事も持って来てくれたし、優しく励ましてくれたんだから!まさに王子様って感じよっ!」

「もしかして、恋に落ちたとか?」

 ちょっとからかうつもりで言ったのだけど。

「いや、全然!!あんなイケメンは眼の保養で十分よ!」

 麻里はこっちの世界でも、麻里のまますぎて笑ってしまった。

 

 あの世界にいたことが夢ではなかったということに、心の底から安心している自分がいる。

 麻里を元の世界に帰してあげなくてはいけない。そして、麻里と彼女の家族がわたしにしてくれたように、今度はわたしが彼女をこの世界で支える番なのだと強く思った。


 

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