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6.なんで脱がそうとするの!?

倒したウルザさんを背負ったら、褒められてたよ。でも、ウルザさんが目を覚ましたら・・・

 その後も、恥ずかしいくらい褒めてくるパンティたちに苦笑いを返しながらも、僕は車が通れそうなほどの広さの山道を、ずんずんと進んだ。


 幸いウルザさんは想像以上に軽く、十分くらいの距離なら、余裕で行ける感じだ。


「それはそうと良平様。暑くないんですか、その格好」


 パンティがちょっとばかし困惑した表情で、そんなことを言ってきた。


 僕の服装はジャージパンツにトレーナーにパーカー、そして訳あって今はノーパン。

 格好としてはそこまで暑くはないんだけど、パンティの指摘もまぁもっともだった。


 彼女たちがなんで妙に露出が高い格好をしているか、その理由を漸く理解する。

 たんなる露出趣味の人たちではなかったらしい。


 常夏というか、夏の沖縄というか、南国というか、とどのつまり、この世界、めちゃくちゃ温暖なのだ。

 トレーナー一枚でも、汗をかくレベル。


 しかもウルザさんを背負っているので、背中から微妙に温められ、汗が滝のように流れ出ていた。

 心配されるのも当然だろう。


「良平様。それで、その……ぬ、脱ぎませんか。うふふふふ」


 何故かパンティがやや上気した表情で、というか覗きが趣味の変態のような眼で、じゅるりと舌舐めずりしながら提案してきた。何この子、ちょっと怖い。……顔は可愛いんだけどな。


「そうだね、脱ごうか」


 僕は貞操の危機みたいなモノを感じとったりはしたのだけれど、暑かったのは事実だったし、上を脱ぐくらいなら、まあ見られても恥ずかしくはないと思って、戸惑いながらも承諾する。


 いまだ気絶したままのウルザさんを地面に降ろすと、パーカーを脱いで汗を拭いた。


「え?」


 するとパンティが、驚いたような声を発する。

 え? なに? 僕なにか変なことした?


「どうしたの?」


「いえ、良平様は上から脱がれるんですね?」


 え? なにその質問。


 今の僕の格好だと、上から脱ぐのが普通だよね?

 っていうか下はノーパンだから、脱いだらフルチェンコ、じゃなかったフルチンコしちゃうよ。


 そうでなくたって、普通は上から脱ぐもんじゃないのかな?

 もしかしてパンティは、この場合でも下から脱ぐんだ。


 いや、パンティ(下着)は普通下から脱ぐだろうけど、って上からパンティを脱いだら、その時点でさっきまで被っていたということであり、つまりは変態ってことだよ。


 僕が言ってるのは、お姫様のほうのパンティだからね!


「うん。僕の世界では上から脱ぐんだ。お姫様の世界では違うんだ?」


 僕は若干戸惑いながら答えた。


「いえ、その格好では上から脱ぐのが普通です」


 だったらなんで突っ込んだの!?

 意味不明だよ!


 とりあえず僕は、パーカーとトレーナーを脱ぐ。

 するとお供の女騎士さんが、手を指し伸ばして預かってくれようとしてきたので、最初は断ろうとしたのだけれど、ウルザさんを背負うなら荷物になると思い、預かってもらうことにした。


「あの、良平様。下は脱がないんですか?」


 パンティが少ししょんぼりした犬みたいな表情で言う。


「脱ぐわけないよ。だって僕はこの下に何も穿いてないんだよ!」


 ワイシャツにノーパンって、それどんな変態だよ。


「え? もしかしてノーパンなんですか!?」


 ラクチェさんが、驚きの声をあげる。


 やばい、これってやばいんじゃないの、と僕が思っていると案の定、

「ノーパンだって」

「変態じゃないの?」

「布の刺激がたまらないぜ、とか?」

 不本意なひそひそ声が漏れ聞こえてきた。


「ご、誤解だよ。ノーパンなわけないじゃないですか」


 僕はそれなんて日本語? 的な感じで、シラを切った。


「じゃあ、脱いでも問題ないですよね?」


「いや、いいよ。そこまで暑くないし」


「何言ってるんですか? 蒸れるとインキンになってしまいますよ」


 すると、

「インキン?」

「インキンですって」

「インキン英雄かよ」

 とまたもや不本意なひそひそ声が聞こえてきた。


 っていうか、最後のは単に悪口ですから!!


「とりあえず、先を急ごうよ。僕、ちょっとお腹が減っちゃったよ」


 僕はごまかすように言って、ウルザさんを再びおんぶした。

お読みくださりありがとうございます。


次は神様が出てきます。とても違和感のある神様が・・・。

こう、ご期待!


楽しんでいただけましたら、ブックマークと、下にスクロールして☆を押していただけるとすごく嬉しいです。どうぞよろしくお願いします!

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