8/24
雷神
雲から覗いていた怪しげな目の持ち主は…
日向の国の話である。
ある時、雨風が激しい日があった。
みな、家に入って雨戸を閉めていると、
にわかに、外が明るくなった。
こんな雨が降っているときに日の光でもあるまいし
と思い、覗いてみると、
雲のまにまに、
黄色い巨大な目が下界を見下ろしていた。
すわ、雷神が狙っていると、
皆恐ろしくなってぶるぶる震えて家にひっこんで、
雷神の動向を窺っていると、
もう、頃合いと思ったのか、
大きな光と共に、深山に轟音と共に、落ちてきた!
しばらくすると、その山の方から
笑い声と共に黒いものが天に上がっていくのが見えたという。