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金真人
梅花山にすむ神仙の話…。
梅花山に金真人という仙人がいた。
真人は「まことを悟った人」の意味で
姓が金以外は誰も名前も住まいも知らなかった。
齢、500を越えていたが、
その顔はいつも若々しかった。
近隣、50ヵ村に渡り、雨乞いをして
生計を立てていた。
呼ぶときには、山の下にある函に
手紙を入れておくと、
何日か後にやってきて、
祈祷をするのだった。
霊験はあらたかだった。
実は真人は梅花山に、一つの村を作って、
一族でくらしていて、
齢が18~26の者が真人として
雨乞いをするのだという。
それを何百年も続けていたのだ。
これを双逸の術といって、
一応、仙人の術の一つなんだそうである。