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海王虫
長江で網をうっていると、ずっしりとした手応えが…。
呉郡に周二という漁師がいた。
いつものように、長江のほとりで網をうっていると、
今までにない手応えがあり、
一人ではとてもあげきれなかった。
仲間の船がきて、ともにあげると、
8尺はあろうぐにゃぐにゃした生き物だった。
足が何本もあり、漁師達の足にからみつくと、
はりついて、小刀で獲物の足を切り落とすしか方法がなかった。
なんという生き物かわからなかったので、
長老に見てもらうと
「これは海に住む海王虫というものだ。
食せば、天下の美味で、
長生に効果があるという。」
ということで、さっそく
烹て食べることにしたが、
たいそうな悪臭が魚村中に広がった。
それでも、長生に薬効があるならと、
ほどよく烹えてから食べてみると
臭かったが、食べれないものではなかった。
周二自身はそれほど長生きではなかったが
その後に出来た3人の息子は全員100を越えるまで生きた。