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3  たばこ屋(70)

 全くうるさいな、何があったんだ。


 事件があってパトカーがサイレン鳴らして走っていった?


 へぇ、なんだか物騒な話しだなぁ、今までここ何十年もこの村に事件なんて起きたことなかったのに。


 最後に起きたのはまだ儂が小学生の頃だったから、60年以上になるのかね。


 60年前というか、それまでは定期的におきていたんだがな。


 小さなこどもが遊んでたり、夜部屋で寝てたりして、とにかく少し目を離した隙に、消えちまうみたいなことが。


 当時は村のしきたりとか風習が今以上に残っていてね。


 村の大人たちが「神かくし」だって騒いでたのは今でも良く覚えているよ。


 その消え方もまだらで、一人消えると、二人三人と続けていなくなる。


 で、村人が騒ぎ出して警戒が強くなるとピタリと止む。


 それで村人たちが普通の暮らしに戻って、数年後忘れた頃にまた一人二人と……


 全部で20人くらいはいなくなったんじゃねぇかな。


 儂のよく遊んでた友達や隣の女の子もそれでいなくなっちまったっけ。


 当時の和尚おしょうが言ってたよ。


 「七つまでは神の子のうち、きっと子供たちは神様がお連れなさったのだろう」ってな。


 たしか七五三の時言ってたんだったかな。


 当時は友達やらお隣さんやらが消えて怖くて仕方なかのが、その言葉で少し納得したのを覚えてるよ。


 納得しただけで怖い物は怖かったし、今じゃ納得もクソもないけどな。


 まぁ、その和尚も神かくしがおこったときは大人たちと血眼になってこどもを探していたし。


 和尚も本当は神隠しなんて信じたくなかったのかも知れないと思うよ。


 あぁ、すまんすまん。


 無駄話に付き合わせてしまって悪かったね。


 それにしてもあのパトカー、結局何があったんだい。


 え、寺の床下からこどもの骨がごろごろと────?

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