~ひとつになる時~
入浴シーン…これって18禁になるのかな…?
では、3話目どうぞ!
くりとおねの姉妹は、一緒にお風呂に入りました。そこでおねは、くりが銀太郎を好きだということを確認します。そしておねもまた、くりにある告白をしました。「くりの一部」であることを…。
くり「えっ…。」
おね「うん。驚くのも無理はないと思う。私も初めて聞かされた時、そう思ったもん。」
おねは、少し困り顔になりながら身体を洗い続けました。
くり「なんでっ、どういうこと?」
おね「あのね、お母さん、私たちを産むまでずっと1人が産まれてくるって言われてたんだって。でも、産んだら2人だった。それは、私がお姉ちゃんからさらに産まれた存在だからだって。」
おねは、身体の泡を流し始めました。
おね「でね、お母さんに、あなたはいつかくりとひとつになる時が来るって。それがね、同じ人を好きになった時。」
洗い終わり、おねもお風呂に浸かり始めました。
くり「そ、それって、おねも…?」
おね「銀太郎さんのことを好きになったの。」
くりの顔近くまで近寄り、おねは言いました。くりは、今なにを言われているのか、混乱してました。
おね「いきなりごめんね。あなたと私は元々1人だったんだよ、とか、あなたと同じ人を好きになった、とか。でも、そうなの。」
「私とお姉ちゃんがひとつになる時が来たの。」
くり「ま、待って!」
「1人になっちゃったら、おねはどこに行っちゃうの?」
おね「お姉ちゃんの中で一緒に生き続けるよ。安心して、お姉ちゃん。」
くり「い、嫌だよ…。おねはおねだよ。それに、私1人になっちゃったら、洗濯も家事もできなくて、生きてけないよ…。」
おね「大丈夫だよ、お姉ちゃん。私が教えるから。」
くり「お、おね…。私、おねの肌や可愛さが好き。心も。全てを好きだよ。消えてほしくない。」
おね「ありがとう。私もお姉ちゃんのこと大好きだよ。だから、一緒に生きさせて。このままだと、私は何も残らず消えてしまうの。」
くり「えっ。」
おね「今朝からその異変が現れたの。もしかしたらその時が来る日なのかもって。だから、川の流れや水温がいつもと違うように感じた。お姉ちゃんの周りのものには、触れるし、大丈夫だった。」
「だけど、銀太郎さんには私のことが見えてなかった。声も聞こえてなかった。」
くりは、帰ってきたときのことを思い出しました。確かに、銀太郎はおねについて何も触れていませんでした。いえ、むしろ見えていなかったので、おねが、いることすら分からなかったのです。
くり「…っ!」
おね「ね、お願い。お姉ちゃん。私とひとつになってくれる?」
くりは、泣いていました。おねも、目に涙を浮かべていました。しかし、くりはおねの強い意志を受けとめて、決心しました。
くり「うん。わかった。ひとつに…なろう。どうすればいいの?」
おね「ありがとう、お姉ちゃん。それはね、水中でお互いを抱きしめ合うの。」
くり「そっか。だから、一緒にお風呂に入るって言い出したのかぁ。」
おね「うん、そうなの。久しぶりの一緒にお風呂だったのに、これが最後になっちゃった。」
2人は笑いあいました。そして、その時を迎えました。
おね「じゃ、お姉ちゃん。」
くり「うん。」
ザバッ
2人は同時に潜り、お互い見つめ合い、ほほえみ合い、そして、抱きしめました。
その瞬間、明るく暖かい光が2人を包み込みました。
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