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薔薇の国の妖姫の秘め事  作者: 結汝
出会い その気持ちは芽生え始め
7/67

お嬢様と執事と友達

お久しぶりです!

今回はGWなのでテスト期間にも関わらず、書いてみました!


1日目は本当に疲れた以外でてこない。

朝お嬢様と薔薇園を散策(?)して朝食をすまされて執務室に向かって・・・まではよかった。

よかったはずなんだけど

アイリスと交代してからが怒涛だった。

基本担当時間外は各々の見習いを行うはずだった。

無論緊急時に備え3人の連絡手段として携帯が手渡されていた。

事前にカルナスさんからは鳴ることはないと言われていたのにも関わらず初日は5回も鳴った。


ピリピリ、ピリピリ


携帯電話にコールが鳴る。


「はい、こちらシャーロット」

「こちらアイリス。執務室より逃走」

「了解」


このやり取りを5回繰り返し、城内を足速に歩いたり全力疾走したりして逃げ足の速いお嬢様を捕まえる。

1回目 北館正門、2回目 薔薇園、3回目 薔薇園、4回目 東館正門前、5回目 武術鍛錬堂

見つけるまでにかかった平均5分


夜-反省会(会議・情報交換室)


「はぁー、疲れたー。」


アイリスが髪を緩くシュシュで結ったラフな部屋着で背伸びをする。


「確かに今日のは疲れましたね。」


苦笑いでストレッチをするカルマ。


「アレが毎日…止めれるのか?」

「止めれる?じゃなくて止めなきゃなんでしょ!」


アイリスがキッと睨む。

「あははは」笑って誤魔化す


「しかし、早く城内と言っても北館以外にも慣れるべきですね。迷子になりますし…」

「「・・・。」」


時間がかかった理由は3人ともまだ城内に慣れていないのと、城内の部屋や構造の理解が足りていないからだ。

2人に目配せをする。

お互いが目配せをして・・・・溜息をつく。


「とりあえず、明日に備えて場所分けしましょう。」


アイリスが机の上にローズタスト城内地図を広げ、3人で取り囲む。


「まず、東館は3人全員で探す。東館は、」

「北館は武術鍛錬堂から近いので僕が行きます。近場から行く方がいいでしょうから。」


カルマが武術鍛錬堂を指差しながらトントンと指で押さえる。


「なら、私は西館行きましょうか?メイド長のお使いでよく使うのがわかったから。」


アイリスが西館なら…


「・・・なら僕は南館だな。てか、一番遠くないか?」


2人の顔を見る。

「さて何のことやら~」「気のせいですよ。」

・・・やられた。

一番遠い所はそれなり走るぶん体力がいる。

そういう事だろう。


「はい。今日の反省会はおしまい!!」


シュルシュルと机上の地図を巻きしまう。


「明日も頑張りましょう!」


アイリスが拳を突き出す。

カルマが意味をくみ取り拳を突き出す。

それに続く。『ファイ!!!』掛け声に合わせ3人の拳が軽くぶつかる。

自然と笑がこぼれ、少しだけ肩が軽くなる。

これが仲間・・・ね・・。

自室に戻り、地図を開く。

南館の地図を頭に叩き込む。




「ーでね、今日は5回も逃げ出したのよ。」


クスクスと笑う声が月明かりに照らされた部屋に響く。


「みんな今までの人と違うのよ?見えるらしいの。きっとみんなとも仲良くなるわ!」

「そうでしょうか?」


窓に座り込んでいる藍色の瞳の青年が首を傾げる。


「また、傷つくかもしれないんですよ。姫さん」

「確かにそうかもだけど・・・」


紗南はプクーと頬を膨らませ、ベッド上の白い枕を抱きしめる。


「もう姫さんが傷つく姿はみんなー俺らは見たァないんすよ。」

「分かってるわ。でも・・・」


はぁーと青年は溜息をつく。


「それでも期待せずにはいられない?ですか」


こくんと頷く。

初めて出来るかもしれない同世代の友達。

期待しない方が無理に決まってる。

ぎゅっと枕を抱きしめる手に力が入る。

青年の瞳が揺らぐ…


「とりあえず、俺らは夜だけ来ますわ。一応昼は見守るだけにしとくんで。」

「!ありがとう。さすが伊鶴ね」


フッと青年ー伊鶴が笑う。

伊鶴は「姫さんのありがとうは最高ッスね」と紗南の頭をくしゃくしゃと撫で回し、窓に足をかける。

「また明日。」紗南が手を振り、伊鶴は手を振り返して空中におどり出る。

漆黒の翼を広げ、月夜にむかって翼を羽ばたかせる。


「伊鶴は心配性よね。そう思わない?雛葉」


ぶわぁぁぁ、ベッド上にある黄色いヒヨコのぬいぐるみ向けてどこからとなく風が吹いていく。

やがてぬいぐるみは眩い光を発しながら人の形になっていく。

若草色の強気な瞳、藤色の艶のあるしとやかなストレートのショートカット、椿の刺繍がほどこされた着物を身にまとった女性ー雛葉がゆっくり口を開く。


「仕方ありません。貴女の身を案じるゆえですから。」


鈴の音のような響くそれでいて優しい声音で雛葉は紗南に近寄り、抱きしめる。


「ふふふ、雛葉はいつもあったかいね」

「人の温もりとはこのような…」

「違うよ。・・・お母さんみたいな温もりだよ・・」


ズキッ。


鈍い痛みが雛葉に走る。

紗南はそれを気にすることなく伊鶴やシャーロット達の話をする。


「お嬢、寂しくなったら周りを頼っていいのですよ?昔のように閉じ込めずともよいのです。」

「そうだね。」


蚊の鳴くような声の返事が聴こえた。

このとき紗南の瞳から涙がこぼれたのを知るのは部屋を照らす月だけだった。




2日目、3日目、4日目ともに六回脱走。

確保時間平均3分

東館4回目 南館6回 西館1回 北館7回

そして5日目ー


「お~じょ~さぁ~まぁ~!!!」

「あはははは、鬼さんこちら手の鳴る方へ♪」


紗凪が薔薇園を駆ける。アイリスが鬼の形相で追いかける。東館に逃げるのを確認し、携帯に指示を出す。


「こちらシャーロット、東館へ」

「了解」


淡白な返事とともにお嬢様の行く手に騎士装備をしたカルマが立ちはだかる。


「鬼ごっこは終わりですよ。紗南お嬢様」


ピコピコと猫耳カチューシャが揺れる。


「さぁ?それはどうかしら」


ざっとカルマの視界から紗凪の姿が消える。

植木鉢の隙間に身を隠し、最短ルートで南館に来るのが見えた。

窓を開き2階から1回に…薔薇園入口向けてダイブする。脚に負担がかからない様に土をクッションにして勢いをころす。

ガサガサと音を立て、薔薇園の裏手から紗凪お嬢様が姿を現す。

一瞬の驚きとゲッという表情。

対するこちらは満面の笑み。


「さぁ?鬼ごっこは終わりですね」


紗凪お嬢様の後方からアイリスとカルマがやってくる。

小さな溜息を漏らしお嬢様は手を上げる。「もう降参よ。執務室に戻るわ」片手で髪を払いながらアイリスをつかまえて北館に歩いて戻られる。

タイムは1分半

カルマに向かってグッジョブサインをだす

それを見て笑って頷き返してくれた。

お嬢様の見習い初めて5日目でようやく3分をきれた。

3人とも城内にはある程度慣れ、自分達の行動のしやすい場所や時間帯が決まりだした。

あとはもう紗凪お嬢様が逃げ出す前に取り押さえる術を身につけるだけだとそう思っていたんだ。


まだ、この時は…


この日の夜に紗凪お嬢様とカルナスさんが大喧嘩を繰り広げるなんて思いもしなかったのに。


お読みくださりありがとうございました!

いやー、キャラクターが増えてきて作者の私自身誰が誰やら状態で…

情けない(><)

まぁでも紗凪可愛いですよね!

猫耳カチューシャ萌えるわ⋆⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝

基本的目線はシャーロットなんですが、今回はじめて紗凪目線プラス3者目線で少しだけ書けてよかった!

次回は喧嘩するよ!

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