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薔薇の国の妖姫の秘め事  作者: 結汝
紗凪 9歳 ~始まりの一歩~
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君が生まれた日

いつもお読みくださってありがとうございます


「これは紗凪様、大変お美しいですな」

「ありがとうございます。ドーマン大臣」

「本日は実にめでたき日ですな、姫様」

「お祝いしてくださって嬉しい限りですわ、ザルマン大臣」


紗凪の周りにはあっという間に大臣をはじめ騎士長や官僚たちが祝いの言葉を述べるために群がっていた。


「…あいつあんな感じで大丈夫なのか?」


ゴッ


「—っ!!」


鈍い痛みが左腹部に走る。


「ちょっとここは仕事場よ?お嬢様といいなさい。誰がいつ何時見ていて聞いているかなんてわかったもんじゃないんだから」


いつの間にか左隣にアイリスが立っていた。


「おま、腹殴ることはないだろ‥」

「あら、私はシャロのためにやったのよ。お礼を言われても文句をもらう筋合いはないわ」


紗凪から目線を外すことなくそういうアイリスの言い分は間違っていないので文句は言えないのだが…でも、誰から見られているか分からないからこそ殴るのはよくないと思うんだと被害者は語らせてもらう。

一番いいのは咳払いだろ。誰にも被害がないのだから

右隣のカルマはフルフルと小刻みに肩を震わせている。人が傷みに悶えている姿視て笑うなよ。


「それからシャロの心配は無用よ。今のところは」

「なんで?」

「私は術者兼メイドとして呼ばれていたんですもの。ちゃんと仕事はやるわよ。今日のカチューシャの布地にはちょっと強力めなお札を張ってるから紗凪の声は聞こえにくいと思うの」


アイリスの力のすごさは伊鶴やつい最近まで出入りが出来なかった妖達が愚痴っていたのを聞いたので知っている。

というか、あの日以降妖達は紗凪の部屋に飽き足らず俺の部屋まで勝手に出入りするようになった。俺の部屋への用としては①愚痴を言いに来る ②遊びに来る(俺に遊んでもらうため) ③紗凪を傷つけるなという釘さし 以上3つが大半を占める。まぁ迷惑でしかないがこちらは我慢している。下手なことして紗凪にチクられたほうが厄介だからな。


「では先ほどのアイリスが『今のところは』と言ったのはどうしてですか?」

「あぁ、それはほら。私力加減とかあんまわかんないから」


カルマと顔を見合わせてあぁと納得してしまう。

アイリスは能力があれどそれの威力を自身が一番理解していないから厄介であるのだ。それは術師としてだけでなく仕事面でも云える。いい例がさっきの俺の腹部への一発だ。

おそらく当人はちょっとした力なのだろうがこっちからしたら思っていたよりは強めなのだ。

本当に質が悪い。

それでも


「今日のパーティーは何とかなるといいな」

「そうね」「そうですね」


紗凪は人の心の声が聞こえてしまう。故に人が多いところは好まない。その対策としてのカチューシャで何とかごまかせはするが気分が悪くなったらと心配してはいたがアイリスが施しをしているならおそらく大丈夫だろう。


笑顔で大臣たちや官僚と言葉を交わす紗凪を見やると目と目があった。紗凪はそれに気づき嬉しそうにはにかむのを見てこちらもそれにつられて笑う。

きっとまだ官僚たちから解放されないだろうけどお前が笑ってくれるなら…と少し心が軽くなるのを感じるのだった。


紗凪とシャロが可愛いですよね~

なんか初々しいなって思いながら書いてます


テスト期間につき次週はお休みさせていただきます!次回は7/30更新予定です

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