君が生まれた日
ちょっと短めです
自室にて薄い水色をベースとしたドレスに着替える。ドレスの裾には金と銀の糸で薔薇の花が刺繍され光加減で薔薇が浮き立つ仕掛けだ。
なんでもこの日の為だけにメイド長と執事長が用意してくれたらしい。
「わざわざ用意してくれなくても・・・」
「そうはいきません!今日は紗凪にとって特別な日でしょう?」
短くなった髪をサイドから編み込みをしているアイリスが鏡越しににっこり笑う。
髪を切った時は大変怒られたが1日経てば長かった時と同様に頭部から髪の半分は金髪、半分から毛先まではピンク色になった。
その時のみんなの安堵具合はなかなか凄まじかったのは記憶に残っている。
「確かに特別、な日かもだけど…勿体なくない?まだ着れる服はあるのに…」
「確かに紗凪の気持ちも分からなくはないけど誰かの好意を無下にするのは違うでしょう」
アイリスは聞き分けの悪い子供に諭すように優しく言い聞かせる。
誕生日・・・本当はもっと喜ぶべきなのかもしれないけれど、私には―
「ハイ!出来たわ。あとはこのヘアピンで前髪を軽くとめて〜完成!!」
アイリスが最後にとめたヘアピンは白い薔薇の施されたもので可愛かった。
髪もいつもより凝ってるし、まぁ見れなくはないだろう程度にはなったはずだから大臣達にお小言は貰わないだろう。
「ありがとう、アイリス」
「どういたしまして」
アイリスは道具を片付けると言って部屋から退出する。それを見送ってからそっと立ち上がり、鏡の前でクルっと回ってみる。
「どうかな?なんだか似合ってない気がするんだけど」
「それは間違えだ。とても似合っているよ紗凪」
鏡越しにベッドの横に現れた雛葉を見つめる。
互いに視線が交わり私は困った様に笑う。
雛葉の言葉を疑うわけではないがどうもこういうのは慣れない。
慣れている人を凄いと感心する。
「お誕生日おめでとう、紗凪」
雛葉の言葉に胸がいっぱいになる。私が許される気がしていつも胸がぎゅっとなるのだ。姫じゃなくて、王族じゃなくて、半妖じゃなくて、ただの紗凪に向けられるその一言はまるで魔法のように私の胸に浸透する。
『紗凪が生まれてくれてよかった』と
そんな風に思ってくれてる心が嬉しくて・・・
私は振り返って雛葉の胸に飛び込む。
誕生日か〜
歳取るイベントですね…嬉しいけど複雑な歳頃ですw




