表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
薔薇の国の妖姫の秘め事  作者: 結汝
紗凪 9歳 ~始まりの一歩~
53/67

プレゼント

いつもお読みくださりありがとうございます。今回は短めです。

紗凪の誕生日まであと3日



「で、どうであった」


西館の外階段に足を踏み入れれば階段上から声がかかる。


「相変わらずお早いですね、執事長」

「時間の20分前には行動せねば陛下の急な指示にお応えできんよ」


朗らかに笑いながらその眼はまっすぐととある場所を見つめる。


「彼らはすごいですね。処断式の際の陛下の御前の行為といい、今回の表情といい」


そこでアイリスとシャーロットの昼間の呆けた顔を思い出し、笑いがこみあげてくる。


「それを言われると身内としては複雑なんだが…」


ふぅとため息をつきながら執事長はどうしたものかと途方に暮れる。


「しかし“陛下の誠意”の意味が分からないというのはそれほど彼らが気にしていないということなのでしょう。彼らのそういう点は美点だと思いますよ」

「美点である一方欠点にもなりかねません」


ピシャリとした声で下から告げる。

髪をまとめ上げたメイド長が現れ一礼する。


「ん?スイがここに来るなんて珍しいじゃないか」


執事長は器用に片眉を上げる。それは一見心底驚いて見えるが実際は想定内だということを知っている。


「あの子の奇行が最近の悩みですからね。第一その鈍さはお嬢様を支える上で心配でしかありません」

「まぁ、まぁそれを乗り越えなきゃ一人前には成れん」

「お嬢様は人の心が読めるならそれを見せない、気づかせないのも彼らの仕事でしょう」


紗凪様は普通とは違う。だからこそ彼らが側付きとして選ばれたのだ。

私では理解できなかった妖のことも彼らは分かろうとし、理解しようとしている。それがお嬢様のためになることを知っているから‥

握りしめた手が爪を立てる。


「心配なのはわかる。しかし、ここからは私達は手を出せない。出してはならん。過保護の範囲を間違えれば害悪でしかないそれをずっと見ていたのだからあとはあの子たちに任せよう」

「カルバン口が過ぎますよ」

「なーに事実であって虚実ではない。一度した過ちを繰り返さんのも我ら臣下の務めだ」


その言葉はいったい誰に向かって投げられた言葉なのか

未熟な私にはその言葉に含められた思いまでくみ取ることはできない。そんな想いをあざ笑うように夜風が吹き抜けていく。

どうか彼らのこれからに幸あらんことを願わずにはいられない。


カルナス目線って少ないんですけど書いてると楽しい。

そしてカルナスめっちゃ苦労させてごめんなって思うw


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ