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薔薇の国の妖姫の秘め事  作者: 結汝
出会い その気持ちは芽生え始め
33/67

繋がりは強く

いつもお読みくださりありがとうございます。

本日2話更新です


「何故ここが」


俺を見下ろす妖が驚愕の表情で固まる。

あいつがもし鴉天狗みたいな戦闘タイプだとここから紗凪を連れて逃げるのは難しいな

ましてや見逃してくれるような感じじゃないし…

紗凪が立ち上がり妖に自分の思いを口にする。


「私は私の居場所を決める。私の居場所はここじゃない」

「なりません!貴女様はここに居れば傷つかずに済むのですから!!」


確かに妖側なら紗凪を恐れるものはいない。でもそれが紗名が傷つかない保証にはならない。何故ならきっと王城と妖側の根本的考えは同じなのだから

それじゃぁいつまでも紗凪は本心をさらけ出せない。それを幸せとは呼ばない


「‥‥私は人の側にいた—」

「そうして今まで何度涙を流したんですか?何度裏切られたのですか?もう我々は貴女様が傷つき涙するのを見たくないのです」


そういってのばされた手に紗凪は一歩退く。

なにが幸せかは本人が決めることだ。それを割って入るやつがいればせっかくの本心が潰されるだろうが!


「さぁ姫君我々の手をお取り利ください。貴女様にとっても周りにとってもそれが一番なのですから」


その言葉を聞いた瞬間堪忍袋の緒が切れた。

もう一匹の毛玉を妖の顔面目掛けて思いっきり投げる。


「そーやって」


何故聞こうとしない?どうしてあいつの意見を聞いてやらない?

閉じ込めたっていつか紗凪は飛び出してしまうのに

どうして、どうして

分かってやらない


「紗凪の気持ちを遮るな!!」


息を吸い込み紗凪を見据える。お前は―


「紗凪!お前はどうしたい?お前の本音を言ってみろ!周りじゃないお前の本当の気持ちを」

「貴様!!黙っていればいいものを」


あぁ、やっぱりそうだ。

紗凪の本心を知っているのにもかかわらずこいつらは封じようとしてるんだ。

そんなこと執事として友達として許せるわけねぇだろ


「人間のしかもこんなガキに言われて困るような言葉の外堀をそいつに使うんじゃねぇよ。俺たちのお嬢様の意思を無視することは執事として何より友達として見過ごせない!」


ニッと不敵に笑って見せる。

お前が言ったんだ。「友達になってほしい」と

初めての友達がここで黙っていたら紗凪はきっとこれから誰も頼れなくなる。

それはダメなんだ。あいつが認めてもらえるようになるために‥‥あいつの夢を叶えるためには

大丈夫、お前の気持ちをちゃんと言ってみろ

俺が受け止めるから

紗凪に向けて笑う。大丈夫だからと


「—ッ、私は、みんなといっじょに…ヒック、王城で過ごしたい」


うん


「妖のみんなも王城の人も同じくらい好きだから、大切だから選べないけど、ヒックお母様の思いを今度は私が叶えたいから」


うん。紗凪は優しいもんな

だからこそ一人で声を殺して泣いていてんだろ?

知ってるよ。頑張り屋で明るくて物知りで誰にも負けないぐらい天真爛漫で優しくて‥‥ウレーナ様の唯一叶えられなかった願いを引き継ごうって思ってることも全部全部知ってる。


「だから、私は王城に帰りまず!!」


それが本心

ならば俺が言うことは一つ


「よっし!紗凪飛べ!!一緒に帰ろう俺たちの場所へ」


弾かれたように駆け出し、崖から飛び降りる紗凪を受け止めるために腕を広げる。

俺の腕に飛び込む瞬間「シャロ」と名前を呼ばれる。

大丈夫俺は紗凪が望む限り側にいるから―

ギュッと回した腕でしっかりと紗凪を抱き留め2人そろって花畑に倒れこむ。花がクッション代わりになって痛みはない。


「ただいま」

「あぁ、おかえり。紗凪」


ポロポロ流れる落ちる涙を指で拭ってやる。やっと拭えた。

温もりがある紗凪の頬

よかった


「泣くなよそんなに。俺は紗凪の笑った顔が好きだから泣くよりは笑ってくれると嬉しいんだけど」


そういって困ったように笑う

今笑えって方が無理なのは分かる。自分でも何言ってるんだろうかって思うけど最後に紗凪の笑った顔を見たのが遠い記憶の様に感じてしまう。


「私みんなのこと忘れてた」

「うん」


おそらく妖側に記憶操作ができるやつがいるのだろう。そうじゃないと紗凪がおとなしくこちらにとどまっていた説明がつかない。


「忘れたくなくて思い出そうとしたら頭痛くなって」

「うん」


妖力の副作用的な一貫だろう


「ごめんなさい」

「なんで謝るの?俺だって紗凪を守るって思っときながらあいつの言う通り守れなかった、ごめんな」


悔しいけど守れなかった事実はなかったことにはできない。

しかも俺たちは対妖の人員として紗凪の側付きのなっていたのに‥‥情けない


「でも―」


紗凪はきっと自分が悪いって言いたいのだろうけど周りはそうは思はないだろう。それに―


「お互いさまってことにしよう。だからさ、紗凪。俺にお前のことを教えてよ」


きっと俺は紗凪のことを知らない

だからこれからもっと距離を縮めよう。お前が本音を隠さないでいいように。

思いを伝えられるように

その手助けができるように

互いのことを話そう。俺の知らない紗凪を―、紗凪の知らない俺のことを—


コツン


くっつけた額の温もりを分かち合う。

おかえり、紗凪

もう大丈夫だから笑って?


次回更新は12月11日になります。

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