似たもの同士
不思議な雰囲気をまとって明るくふるまっているくせにどこか儚くて…
少し寂しそうに笑ったり、認めてもらうことにどこか必死で…
カルナスさんにも遠慮気味ででも本当はかまってほしくて
不器用でいつも他人ばっかりで、一人でいろんなことを抱えすぎて一人で泣いて
いつも、いつもどこか距離があって…
だからあいつは「ごめんなさい」って謝ってたんだ。
人じゃなくてごめんなさいと―
「お嬢様の癇癪はご自身で制御できなかったゆえに何人かの使用人が怪我をすることになってな」
「でもそれはあの子のせいでは―」
「だが、そう思わない者もいたんじゃよ。若い者は未知であるお嬢様を酷く恐れた」
「その怯えがお嬢様を苦しめ、引きこもられた時期があったんです」
メイド長が静かにお茶を注ぎ渡してくれる。
「それが今回の原因ですね」
カルマの確信した声に2人が頷く。
「妖側は黙っちゃいないだろう?」
祖父の瞳をまっすぐに見つめる。
もし奴らが納得しているのならわざわざ俺にあんな嫌がらせをする意味が分からない。
「妖側はお嬢様を自分たち側で育てると抗議してきたが、陛下はウレーナ様によく似た紗凪様を手放せるわけがなく‥‥娘も孫も奴らに奪われるのが許せなくて拒否なっさった」
「・・・だから妖側は納得してない。ずっと見守ってるんだ」
『!』
ゆっくりと周りを見る。
祖父が、メイド長が、カルマが、アイリスが僕のほうを見る。
俺だって嫌だったんだ。
訳の分からないものが見えるのに周りは見えなくて。
嘘つきと後ろ指をさされて。
父さんや母さん、兄貴に迷惑をかけたくないのにどうしようもなくて自分の居場所がなくて
どんなにつらかったか
紗凪もどんなに辛かったか
一番共感できるのは俺だったんだ。
だからこそ妖は紗凪と俺が近づくのを警戒していたのなら―
気が付けば椅子を蹴って転がるように廊下に出て紗凪のもとへと急いで行く
いつもお読み下さりありがとうございます。
更新日について活動報告にて決めさせていただきました。
今後もよろしくお願いします。




