似たもの同士
紗凪はあれから泣き止んだものの部屋から一歩も出てこない。
事情を知らないカルマには俺とアイリスから説明をし、3人でアイリスのお祖母さん=メイド長の部屋に行くことになった。
俺らが南館に行っている間はカルナスさんが紗凪を見てくれることになった。
コンコン
「失礼します」
「よく来ましたね。そこにお座りなさい」
3つの椅子に座るように促されそれぞれ座る―
「―ッ‼」
瞬時に背後を振り返り、間合いをとる。
刹那の殺気
しかも俺だけに向けられた…
「ほぉう。鈍ってはおらなんだか」
「…相変わらず悪趣味ですね。おじい様」
扉の陰に隠れていた祖父が姿を現す。
アイリスとカルマは酷く驚いて慌てて一礼する。
「かまわん。楽にせい」
手を振って座れと指示する。
「今日のは一体何だったのですか?」
メイド長と祖父は顔を見合わせて難しそうな顔をする。
「その前に何故今日お嬢様は北館にいらっしゃったのですか?」
「お嬢様が城下の現状をが自身の目で見たいとおっしゃられて…」
「‥‥‥なんてこと‥‥」
メイド長は力なく首を振り、祖父は眉間の皺に手を当ておさえる。
?
なぜ2人がそこまで落胆するのか。
分からなかった。
小さく深いため息を吐いた祖父は俺たちを一人一人見た後重い口を開く。
「お嬢様に何故側付きが一人しかいないのか、なぜお前達が見習いになってから一度も陛下にお会いされなかったこと北館に寄り付かなかったかを考えたことはあるか」
「‥‥」
「今日メイドが泣き崩れたときなぜ他の者がすぐに駆け寄らなかったか疑問に思わなかったかい」
「気のせいではなかったのですね」
アイリスが答える。
祖父は軽く目を伏せ頷く。
「お嬢様が北館に行きたくなかったこと、陛下のお話をされたくなかったことは僕ら全員が知っていました」
カルマが答える。
「そうか…」
力弱くそう言った祖父の声はわずかに震えていた。




