傷つくのなら
立て続けて更新です
「待って‼」
西館を出てから逃げるように走る紗凪を追いかける。
「―ッ!!待てって言ってるだろ!紗凪!!」
怒鳴りつけるように声を荒げる。
それに反応してほんの少し速度が落ちたのを見逃さず、距離を縮め紗凪の腕を掴む。
はぁ、はぁ、はぁ
肩で息をしながら汗で落ちてきた前髪を上げる。
「・・・・紗凪・・」
顔を真っ赤にしてぐしゃぐしゃにして紗凪は泣いていた。
ヒック、ヒック
一度零れたしゃっくりは止まらない。
「ご、めんな・・ヒックッ、めんなさい」
涙が頬を伝い地面を濡らす。
「ごめんな、さい、、ごめんなさ、ヒックッ・・」
「なんで―」
なんでお前が謝るんだよ・・・
「ごめんな―」
ギュッ
紗凪を抱きしめる。
こいつのこんな顔は見たくないんだ。
自然と奥歯に力が入る。
「お前は、お前はなんも悪くないだろぉ‼なんで、なんでお前が泣くんだよっ!」
左肩にぬくもりを感じる。
小さな嗚咽が聞こえる。
『お前達では姫さんを守りきれない』
―ッ。
俺は、ただ。
あの鴉天狗に言った言葉がまるでブーメランのように自分に返ってきてなんと情けないことか。
「シャ、ロ?どうして、どうして貴方まで泣いているの?」
紗凪が目を丸くする。
「えっ?あ、れ、何で俺涙が―」
手で拭う。温かな滴が手を濡らし、きらきらと光を反射する。
そっと差し伸べられた紗凪の細い指が俺の涙を拭きとってくれる。
その顔は不思議そうで―
「どうしてシャロまで泣くの?」
「わかんねぇよ。でも紗凪がそんな辛そうな顔して悪くもないのに謝って、泣いて、消えてしまいそうでだから・・」
あぁ、紗凪の涙が引っ込んだ分なのか涙が溢れてくる。
しかも止まらない。
「なんでなんだろうなぁ。紗凪が泣くのが嫌なんだ。悲しくなって涙が出てきて止まんねぇよ」
泣きながら笑いかける。




