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隠れ家レストラン まんまと戦場に行かされた件スピンアウト 散文詩

ダンの谷に到着する象部隊 まんまと戦場に行かされた件抜粋

作者: 開運満足 
掲載日:2026/08/19

ドラマを詩のように書いて能の幽玄ぽい世界を作りました。散文詩として発表します。


象隊がダンの谷へと降りて行こうとする光景です。

これで、興味が出たら本編もお楽しみください。

 三日後、明けの明星が、アラタン山脈の山の端を照らす。

 一昨日に象隊は、後ろから追って来た動物隊の四頭と、山口、測量兵二名、護衛の兵士(工兵)三名、象使い四名が加わり七頭と十四名になっていた。


 冷え切った夜の行軍は、いよいよ最後の下り坂に差し掛かる。

 霧はまだ濃く、光は青白く滲んでいる。

 谷底から冷たく吹き上げる風が、象の背の毛に付いた露をプルプルと震わせている。

 象使いが小さくチョチョ、チョチョと舌を鳴らし、象はゆっくりと歩幅を広げる。


 やがて、霧がふっと浮き、視界が開ける、眼下に平地が広がった。


 ダンの盆地だ。


 山脈の険しさが過去の幻のようだ。

 そこには草地が広く横たわり、その中央に、白く浮かび上がる「まっすぐな帯」がある。

 英軍が残した古い滑走路跡だ。

 後ろにいる測量兵の興奮が伝わる。

 皆が思わず息を呑んだ。


 「……ここが、飛行場になる場所や」


 象は、まるで知っていたかのように、

 その草地へ向かって静かに歩みを進めていく。

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