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青年郎党2

…………


「あまり質問をされ慣れていないので緊張しました。ははは……」キズキはそうポツリと言う。

 鳩野さんは相変わらず表情を見せないが、香さんの方は比較的表情豊かである。キズキの発言に対して、優しく固くならないで大丈夫です。と付け加える事を忘れない。


「私も人見知りですが、先輩の指導でここまでやれるようになりました」


「……頭では色々考えちゃって、取捨選択はしてるつもりなのですが。変な事まで口に出したりしてなかったですよね?」


「あぁ、問題ない。役割柄、聞いてから動くのが趣味なのでな。こちらのやり方に付き合ってもらっているのだ、言葉不足の責任など無いに等しい」鳩野さんが答える。


「なら良かったです」


「まぁ、こんな仲良しをしている時間は無い。取り調べ、事情聴取、言い方は何でもいいが、君が終われば次に行かねばならない。端的にいこう」

「ここからは皆に等しく知らしめておくべき部分だ。犯人が中にいたとしても、知らない人間がいる方が不都合だと考えた。当たり前ではあるが、私達は立場上警官役だが、彼らと比べて防衛力は皆無だ。自衛力が求められる皆に均等に知識を分配した上で行動する事を望む。犯人に目立った行動を起こさせない為にもな」

「では、改めて言うが、我々は決して良い状況にはいない。君も知っている通りだが――誰にも止められないまま、三つの事件が起きてしまった」


 知っている。キズキはそれが知識のうちにあったが、口が縫われたように錯覚し、彼女の言葉を待ち続ける。


「三つの事件。一つ目が四罪ヶ楽真空の殺人未遂。君に今話してもらった部分だな。ミノタウロスの姿をした人物による強襲と彼女の抵抗、君の発見。

 二つ目、堂山銅鑼の自殺。迷宮の一室において猟銃で一発、昨日昼のミノタウロスの件についての確認で部屋の前には春花車菊花さんが居たその時の事、密室状態だったのは証明されている。これらはほぼ同時に起こった。そして、三つ目……」


「小断様の誘拐……ですね」


「うん、そうだ。自殺の確認と四罪ヶ楽真空の処置で昨晩は気が逸れていたが、もう一つ事件が起こっていた。それが三つ目、四罪ヶ楽小断の誘拐だ」


「窓から侵入した犯人は、彼女の体を部屋から取り出して、どこかへ消えた。状況から分かることはこれ以外には今の所は無い。好転するようなものなど無い」


「無い」


「そう、一つも無い。残されていたのは綺麗に設えられたベッドと調度品が幾つかある位で他には何も無かった」


「本当に?」


「あぁ、何も無かった。ただの悪化する証拠を除いてな」彼女はどこからか白い封筒を取り出す。何の変哲もない白い封筒、唯一、一つ書き込まれている印だけが心に異質を積み上げる


「これはミノタウロスの封筒。四罪ヶ楽真空に送られた物と同じ印が残されている封筒。今朝方、皆の部屋に扉から投げ込まれていた、1人残らず。キズキ君、君もそうだろう?」

 言葉は、現物を見せろと言う意味に感じて、自分は手元を探るが、近くには無い。読んだ後に机の上に投げたのだ、およそ今もそこにある。


「中身は読んだか?」


「はい、読みました。はっきり鮮明に覚えています。忘れられるようなものでもない。それにはこう、明記されていました『四罪ヶ楽小断は誘拐した。彼女を探し出せなければ、私はあなたを殺すだろう。呪われし人身牛頭の者より』と」

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