第3出撃 VS蛇ロボ
「お前!! 晃子を返せ!!」
しかし相手の蛇メカは反応がない。
「聞いてんのかこの蛇やろう!!」
蛇メカの目が赤く光った。
蛇メカは蛇みたいにニョロニョロと前に進んできた。
「うげぇ、気持ち悪い動き……」
「なにしとる!! 早く避けんか!!」
婆ちゃんの声が響く。
そうだった。
俺は回避したいと頭で念じた。
ドォーン
「うぁぁぁぉぁぁ」
回避は間に合わず、直撃を受けてしまった。
「ふははは、こんなものかウサギロボ」
蛇メカからの初めて声が聞こえた。
「うるせぇ!! こっちは初心者なんだよ、少し手加減しろ!! 後、女の子を飲み込んだだろ!! 返せ!!」
「ああ、さっき飲んだやつか? それならこの蛇メカ様の養分となる予定だ!! 養分ってのはこの蛇メカ様のエネルギーになるってこった」
「養分だって!! そんな事させるか、俺の彼女なんだ!!」
蛇ロボの胸元が開きエネルギーを貯めている。
「何をする気だ!!」
危険な感じがする。
「これで、お前もこの女も終わりだ、ジュララ砲発射!!」
蛇ロボの胸からビームらしきものが発射された。
「高エネルギー反応キャッチ、緊急回避モードに移行……成功です」
緊急回避モードとか言うので助かった。
「避けたか、ならもう1発」
またエネルギーを貯め始めている。
「婆ちゃん、何か武器はないの?」
「ナビゲーションシステムとやらがあるはずなんじゃが……」
ナビゲーションシステム?
ここにあるボタンのどれかを押すのか?
しかし迷っている時間はないようだ。
蛇メカのエネルギーチャージが終わりそうだ。
しかたない、俺はガムシャラに蛇メカに向かうイメージをした為、ウサギロボが突進を仕掛けた。
「なんだ? そんな突進攻撃通用するはずがないだろ?」
ウサギロボ突進を軽く回避された。
そして、そのままウサギロボは転倒してしまった。
「うぁ!!」
[ピッ]
転倒したと同時に何かのボタンを押してしまった。
〚ウサギロボ、ナビゲーションシステム起動。起動まで後5・4・3・2・1・0……ナビゲーションシステム、コードウサギ起動、疑似人口知能インストール、成功しました〛
『おはようございますマスター、私ナビニィーと申します』
目の前にいきなり、デジタルウサギと思われるものが現れた。
これが、ナビゲーションシステムか。
『状況判断終了しましたマスター、現在敵蛇メカとの交戦中ですね』
「あっ、ああ、あの中に俺の大切な人がいるんだ、なんとかならないか?」
『了解、スキャン開始……完了。現在使用可能武器キャロニウムソードを開放!!』
足についている剣の鞘みたいな物が持てるようになった。
『キャロニウムソードを構えて下さい』
良くわからないが鞘を手にし構えた。
「おらおら、どうしたの? 野ウサギちゃん」
蛇メカは余裕で立っていた。
『キャロニウムソードシステム作動、マスター、兎ピョンピョン剣と叫んで下さい』
なんでそんな恥ずかしい事を叫ばないといけないんだ。
『敵蛇メカ内部の生命反応低下……』
「晃子!! え〜い、兎!!ピョン!!ピョン!! け〜ん!!」
ウサギロボの持っている鞘が人参の形になり、蛇メカの右肩から斜めに斬り裂いた。
どうやら音声入力で発動するスキルのような物みたいだ。
「くっ、こんな……はずでわ……ぐぁぁぁ」
ドッカーン!!
蛇メカの上半身が爆発した。
下半身はその場で座り込んだ。
「晃子!!」
初めての勝利の余韻に浸る間もなく晃子を探した。
そして、蛇メカの下半身の中に晃子はいた。
「おい、起きろ、おいってば!!」
意識がないが無事みたいだった。
「ナビニィー、晃子を助けるにはどうしたら?」
『収納します、コクピット内には回復の粒子が充満しております。この中なら回復可能』
「やってくれ!!」
ウサギロボは晃子を後ろの席に座らせた。
回復粒子は目に見える感じで晃子に吸い込まれていく感じだ。
「これで助かるのか、良かった」
『サブマスター登録完了、これによりマスター及びサブマスター完了』
「ちょっと待て!! 晃子がサブマスターってなんなんだ?」
晃子をこんな事に巻き込みたくない。
「うっ、う〜ん、あれ? 亮太?」
考えがまとまらないうちに晃子が目を覚ました。
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