第19出撃 その名はキャロットロボ
人参機神ウサギロボ、毎週月曜日更新中です。
「さて、急いでこの扉をおけねば……」
だが、どうやって開いたらよいのかが分からない。
怪しいのは扉の横にある機械だ。
「まぁこれしかないじゃろうな」
とりあえず触ってみるしかない。
ピッ、ピッ、ピッ
前の基地だとこんな感じで……。
ブォン
広間の中央にモニターみたいなものが現れた。
そこには、外の様子が映し出された。
「亮太！！ それに晃子ちゃん！！」
モニターには苦戦しているウサギロボが映し出されていた。
「これは急がねば」
急いで扉を開け、2機目を手に入れなければ。
いろいろと操作してみるが扉が開く様子はなかった。
「この機械ではないのか?」
しかし、それ以外にそれらしいものはない。
「早くせねば、2人が……」
モニター上では、キャロニウムソードが回避され絶対絶命の様子が写っていた。
「これはマズイ！！」
とにかくボタンを押しまくるしかない。
いろいろなボタンを押しまくった。
『アクセス……承認……、マスター登録を開始します……、マスターお名前を……』
いきなりナビニィーみたいな物が喋りだした。
「相葉カナエじゃ」
名前を伝えてみた。
『相葉カナエ様ですね……、登録完了』
登録完了って、どうなるんだ?
『おはよう相葉カナエ様、これから宜しくね』
「ああ……」
ナビニィーとはずいぶん違うようだ。
「お主名前は?」
「私はキャロ」
「よし、キャロ！！ 儂はこの奥に行きたいのじゃが」
急いで助けに行かねば。
「キャロットロボの所にだね。分かった。ではこれを……」
機械から亮太に渡した時計みたいな物が出てきた。
「これで儂もパイロットに……」
『扉解除コード転送、扉開きます』
ゆっくりと扉が開く。
扉の中を見てみると、中に人参型ロボが横たわっていた。
「これは……」
『人参型ロボ、キャロットロボです。ウサギロボのサポートとして開発されました』
キャロットロボがここにあったのか……、好都合だ。
これでエネルギー問題も解決するはずだ。
儂はキャロットロボに乗り込んだ。
『キャロットロボに搭乗を確認！！ 改めて相葉カナエ様宜しくです！！』
「うむ！！ では行くじゃ！！」
『キャロニウム粒子注入』
コクピットに光の粒みたいな物が充満してきた。
「これは?」
『キャロニウム粒子です。パイロットをベストな状態にする物と考えて』
ベストの状態?
この老いぼれでも、反動とかを気にしなくても良いと言う事か?
それなら助かる。
パイロットになるとは言ったが、老体でパイロットが出来るのかは心配していた所だ。
『キャロットロボ発進します、号令を』
「うむ、キャロットロボ発進！！」
凄い重力を感じる。
キャロットロボは無事に発進したようだ。
『ウサギロボを確認！！ 回線つなぎます』
回線が繋げるのか、助かる。
小さなモニターが出現し、亮太と晃子が映し出された。
「亮太、晃子ちゃん、無事か?」
儂は2人に話しかけた。
「えっ? 誰?」
「何を言っておる? 儂じゃよ、無事にキャロットロボを手に入れたぞ」
「キャロットロボ? それに儂って……まっ、まさか婆ちゃん！！」
「うそ〜」
「なんじゃ? 初めから儂じゃよ」
「いや、いや、その姿……」
「そうそう、姿が……」
姿?
なんの事だ?
「キャロ、儂の姿をモニターに出せるかの?」
『了解』
2人は姿と言っている。
儂の姿がなんだって言うんだ。
そんな思いだったが、モニターに映し出された儂を見て驚愕した。
「…………なんじゃこれは！！ 儂が、若返っておる〜！！」
モニターに映し出された姿は、現在の儂の姿ではなく、20歳くらいの時の儂の姿だった。
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