マジの真面目なマジのマジ
「あーっ! ピンク・ゆきあかり@温泉・夢子さん! お疲れ様でっす! あらまあ、全身ずぶ濡れちゃって。大分大変っすね。今タオルを持ってきまっす!」と14歳のキュートなガール、椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキは言って女湯にいる明白涼子の元までダッシュした。
「ゆきあかり@温泉さん、大丈夫ですか?」とキャプテン・ミルクは言って、フロントの近くにある自動販売機からジャパンゴールデンウィーク出身の「山田地裸地裸沈助珍」さんが監修した温かいお茶『ホットいてよん茶』のボタンを押した。
山田地裸地裸沈助珍さんは自称ジャパンゴールデンウィークの熊本市出身という触れ込みでお茶を大宇宙に広めているお茶の第一人者だ。
キャプテン・ミルクは『ホットいてよん茶』をピンク・ゆきあかり@温泉・夢子に手渡すとソファーに座るように言った。
椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキが戻ってくるとピンク色のバスタオルをピンク・ゆきあかり@・温泉・夢子に渡した。
「ありがとうございます。キャプテン・ミルクさんにユズキちゃん」と夢子が言うと麗しの野夏雄と麗しの魔女子は体が固まって緊張した面持ちを見せ床に膝まついた。
「まさかまさかのキャプテン・ミルク。初めて素顔を拝見。キャプテン・ミルクの大ファンです。色紙ないけど、サインください!」と麗しの夏雄は言って泣き出した。
「お騒がせしちゃってごめんなさい。良かったら、握手を一つお願い致します」と麗しの魔女子は言って床に頭をつけながら右手を差し出した。
「色紙ならそこの本棚にありますから是非使ってください」とピンク・ゆきあかり@温泉・夢子は指差して言うと『ホットいてよん茶』を飲んでピンクのバスタオルで頭を拭き始めた。
「家の旅館には、お忍びで芸能人や芸術家やスポーツ選手や作家や画家やアイドルなどが来たりするので、サインを貰うために色紙を用意しているというわけなんです。皆様、ちょっと失礼します」とピンク・ゆきあかり@温泉・夢子は言って控え室に向かった。
「すいませ~ん。夢子さんはいますか?」と玄関から声がした。
「はい? あなたはどちらさん?」と椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキは言って玄関にいる女性に向かって愛想よく言った。
「私、看護師の工藤・サンセット・まなみと申す者です。介護士の資格もあります。魔法もそれなりに。今ね、ボランティアで介護ヘルパーに参加していた夢子さんの忘れ物を届けに来ました」と工藤・サンセット・まなみは言うと、左手に持っていたピンク色の腹巻きを差し出してみせた。
「夢子さんはね、お腹が弱いから腹巻きは必需品なんです。忘れたら大変。ラッキーカラーのピンク色の腹巻きなんて凄く珍しいでしょう? えっ? 本人の物かって? ほら腹巻きの内側のここにさ、名前と住所が刺繍されているでしょう? 間違いなく夢子さんの物なので御心配なく。私と夢子さんはね、友達でね、出逢ってから、もう5年になります。えっ? 本当に友達かって? ほら、私のガラケーにプリクラが貼ってあるでしょう? これね、2年前の忘年会の帰りに私と夢子さんで撮ったものなんですよ。あの時の忘年会は本当に本当に本当に楽しかったなぁ。ウヒョー。ぬははははは!」と工藤・サンセット・まなみは言って独りで跳ね出した。
「失礼ですが、あなたは青空ウイングス子の1番弟子ですよね?」とキャプテン・ミルクは白のブリーフパンツ一丁姿、男一匹、玄界灘に向かって鼻歌を歌うさすらいの勇者みたいな感じな感じを漂わせた、ニヒルな強面みたいなカッコいい顔付きをしちゃって言っちゃったりしちゃったんですな。
「あたあた、あなたは誰? 何でね、あたしのあたしのあたしのあたしのあたしの師匠の名前を知っているんでしゃろかいな?」と工藤・サンセット・まなみは動揺して童謡を歌いながら獰猛な強さを見せようかどうか迷い始めた。
「俺の名前はキャプテン・ミルクだ。青空ウイングス子はファンタジー・ドラゴン号の乗組員であり俺の部下だ」
「あー、超カッコいい~! キャプテン・ミルク、サインをしてください! うぇーん」と麗しの夏雄は泣きながら言った。
「キャプテン・ミルク、改めてなんですが、握手を一つお願い申し上げます。ウェンウェン」と麗しの魔女子も泣き出しながら言った。
「青空ウイングス子に会えますか? 会いたし、会いたし、今すぐに会いたし」と工藤・サンセット・まなみは久しぶりの再会を熱望しちゃってた。
「キャプテン・ミルク、駐車場にあるバカデカイ宇宙船ピンポーン号は廃棄されますかね? バカデカイと目立つしさ。あの宇宙船ってヤバくない?」と椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキは駐車場を見ながら言った。
「ピンク色の腹巻きを届けに来たらキャプテン・ミルクに会えたし、青空ウイングス子にも会えそうだし」と工藤・サンセット・まなみは言ってピンク色の腹巻きを胸に抱いた。
「お待たせしました。着替えてきました。キャプテン・ミルク、駐車場のバカデカイ宇宙船の火を消したのは私です。駐車場は火気厳禁だし禁煙地域にも指定された場所ですので私が責任を持って完全に消化させて頂きました。すみませんが、アレはキャプテン・ミルクの噂の宇宙船ではないですよね?」とピンク色のパジャマに着替えたピンク・ゆきあかり@温泉・夢子は言って窓の外を見つめた。
「キャプテン・ミルク、もう眠いので寝ても良いですか?」と椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキはあくびをしながら言うとソファーに深く身を埋めた。
「サインください!」麗し野夏雄は叫んだ。
「あんた、サインサインって。まったくもう」と麗しの野魔女子は言って呆れていた。
「キャプテン・ミルク、大部屋に言っても良いですか?」とまぶたを擦りながら椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキは言った。
「あらら? まなみちゃん? どうしたのよん」
「夢子ちゃん、ピンクの腹巻き忘れたでしょう? 届けに来た。ハイ」
「ありがと~う。嬉しピー。キャプテン・ミルク、腹巻きって最高なんですよ。キャプテン・ミルクも腹巻きしてみますか?」ピンク・ゆきあかり@温泉・夢子は言って腹巻きを渡そうとした。
「キャプテン・ミルク、大部屋に布団は敷いてますかね? 歯ブラシと歯みがき粉は持参してないなぁ。おばちゃん、『朝から晩まデイ』で売ってますか?」と椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキは言った。
「あるけど明日の夕方まで店を閉めているから買えないよ」と麗しの野魔女子は答えた。
「キャプテン・ミルク、近くにコンビニエンチュチュトアンはありますね?」と椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキはあくびを繰り返しながら言った。
「お前ら黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れー! さっきからうるさーい!!!!!!!!!!!! だまらっしゃい!! マジのマジで、だまらっしゃい!!」とキャプテン・ミルクはマジギレしてしまった。
椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキ、
ピンク・ゆきあかり@温泉・夢子、
工藤・サンセット・まなみ、
麗しの野夏雄、
麗しの野魔女子
皆して飛び上がり、身を竦めて金縛り状態になり、目をまん丸くして驚愕の顔つきとなり、小便とウンコが漏れ出しそうになったまま棒立ち状態になっていた。
「だまらっしゃいよ!! だまらっしゃい!! だまらっしゃいったら、だまらっしゃ~いっ!! 一辺に一気に話し掛けるな!! バカタレ!!」とキャプテン・ミルクのキレッぷりにビックリ仰天の一同は一斉にうつ向いてしまった。
りりりりちんちろりん
りりりりちんちろりん
りりりりちんちろりん
突如、静寂を切り裂くが如くに、フロントに置いてある黒電話のベルが鳴り響いた。
☆続いちゃう☆
ありがとうございます!




