表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

94/305

何でもね、一刻も早くしないとね

よろしくお願いします✨

  挿絵(By みてみん)

 

 

 「うわーっ、私の宇宙船が! バカデカイ宇宙船が! 名付けて宇宙船ピンポーン号よ、ピンポーン号よ。まだあと12年のローンが残っているのに」麗しの夏雄は泣きながら燃え盛るバカデカイ炎を見ていた。

 

 「ちょっとあんた、あのバカデカイ宇宙船のローンは、あと3年だよって言ってなかったっけ?」麗しの魔女子さんは怒りの眼差しを夏雄に向けて言った。

 

 「えっ?」

 

 「あと3年でローンが終わるって言ってなかった?」

 

 「えっ?」

 

 「えっ、じゃないよ。ちょっとあんた、そこに正座しな」(説明しよう。『正座』とは足が痺れるタイプの座り方でね、宇宙でも珍しい変わった姿勢で座につくことなのだ。『正座』とはEARTHのジャパンゴールデンウィークが発祥の地だそうだい)

 

 「あとローンの残りは12年なのかい?」

 

 「うん」

 

 「何でつまらない形で誤魔化したの?」

 

 「わかんない」

 

 「あんた、今年で159歳になるなんだよ。宇宙人の平均寿命が伸びてるからと言ってね、適当な事を言うんでないよ!」

 

 「だってさ、ローン120年で買った宇宙船だよ。少し支払いに疲れ果ててきている。ローンの残りを少なく言って魔女子を安心させたかったんだ。少し魔女子を気休めさせたかったのさ」夏雄は涙を堪えながら言ったが視線は燃え盛る宇宙船ピンポーン号に向けられていた。

 

 「人が話している時に何処を見ているのよ! ちゃんと私を見なさい!」魔女子は怒鳴った。

 

 「ヒャッ、う、うん」159歳にもなるのに夏雄はビビった。

 

 キャプテン・ミルクは目を閉じながら麗しの野夏雄と麗しの魔女子、夫婦喧嘩の会話を聞いていた。キャプテン・ミルクの胸に去来する思いは分からない。分からないが、何かを噛み締めている様に見受けられた。夫婦喧嘩に立ち入ってはいけないという空気を体全体に纏って己れの気配を消しているようには思うんだけどもね。別にキャプテン・ミルクが怒られている訳ではないのに怒られた気持ちになって話を聞いているといった居心地悪い感じになっていた。

 

 『ププッ。いい年こいたおっさんが怒られてやんの。ププッ』と椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキは心の片隅で笑いを堪えて聞いていたが、それ以上に駐車場が気になって気になって仕方なくてキャプテン・ミルクに目配せをしていた。

 

 『俺は立場的に第3者だ。今は黙って見ず知らずの夫婦による喧嘩を傍観的に耐えるしかないとは思うが駐車場は激しく燃え盛っている。早く火を消しに行きたい。水の出所は何処なのかな?』とキャプテン・ミルクは思ってソワソワし始めていた。

 

 「『魔女子を安心させたかったんだ』、『魔女子を気休めさせたかったのさ』だなんてあんたの勝手な解釈でしょうが! わたしはね現実的に考えた方がずっと安心するし気休めになるんだ」

 

 「うん」

 

 「もう嘘を言ったり、誤魔化したりしないかい?」

 

 「そればっかりはちょっとね、わからない」

 

 「あんた、ここにきて何を言ってんのよ!」

 

 「ううん?」

 

 キャプテン・ミルクは読んでいた奥様向けの雑誌『どうやったってね、女の強さには勝てないんだよ。直ぐに白旗を上げるべし通信簿』を麗しの野夏雄に見えるように掲げた。

 

 麗しの野夏雄は表紙を読んで力強く頷いた。

 

 「何を頷いているの?」

 

 「うん、もうわかったから。わかったわかった」

 

 「また始まった。毎回、わかったわかったって言いながら全然分かってないんだわ!」

 

 「いや今回は本当に分かったから」

 

 「じゃあ何が分かったの?」

 

 「えっ?」

 

 「ほら、分かってない!」

 

 「魔女子よ、分かったから。本当に本当に分かったから。もう凄くわかったわかった」

 

 「何を分かったか言うまで許さないよ! 何を分かった? 言ってごらん?」


 「あら?」麗しの野夏雄は駐車場を見て目を丸くした。

 

 「あらら?」麗しの野夏雄は窓際に駆け寄った。

 

 キャプテン・ミルクは振り向いて窓の外を見た。

 

 椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキも窓際に駆け寄り驚いて見つめていた。

 

 麗しの野魔女子はため息を吐いた後に窓の外を見た。

 

 わずか7分足らずで宇宙船ピンポーン号の火が消えてしまっていたのだ。

 

 あれほど激しく燃え盛っていたのに今は完全なまでに消火されていた。

 

 宇宙船ピンポーン号の原型は多少は留められていた。どうやら、宇宙船ピンポーン号にはバリアーが機能していて全体に施されていたようだ。どの宇宙船にも基本的な設定としてバリアーがある。ただしだ。ただし宇宙船ピンポーン号の前面は破壊されていて運転席は丸見えの状態であった。被弾した衝撃からか宇宙船ピンポーン号は地上から5メートルほどの位置に下がって浮揚していた。

 

 「なんでこんなに早く鎮火したんだ? なんでなんだ? どうして火が消えた? 雨かな?」キャプテン・ミルクは闇夜に目をこらして見つめた。

 

 「いやぁー、マジでしんどいしんどい。疲れた疲れた。本当にしんどーい! 久しぶりにマジで水の魔法をしたわ。ちょっと誰よ誰よ! 駐車場の火を消さないでいるバカタレはよ~う! 誰なのよー! 何であんなにバカデカイ宇宙船が燃えているのよー!」と玄関から声が聞こえてきた。

 

 皆、大きな怒鳴り声に驚いて一斉に振り返った。

 

 安らぎと癒しの雪あかり@温泉旅館の女将さん、ピンク・雪あかり@温泉・夢子が疲労困憊で突っ立っていた。ボランティアの介護ヘルパーから帰宅したばかりだった。

 

 

 

 

   ☆続いちゃう☆

 

   速報! 

 

愛星・サマー・えりかのニューシングル『愛しいキャプテン・ミルクが好きなのよ、LOVEなのよ』絶賛発売中!

 

作詞 蒼井真ノ介

作曲 蒼井真ノ介

編曲 蒼井真ノ介

ラップ 瀬川 竣(特別友情主演)

歌 愛星・サマー・えりか

 

Count Down

 

いち!

に!

さん!

しー!

 

(ベース)

ドルッチャー♪

 

ドルッチャー♪

 

ドルッチャー♪

 

ズッチャズッズチャ

ズッチャズッズチャ

 

ドルッチャー♪

 

ドルッチャー♪

 

ドルッチャー♪

 

ズッチャズッズチャ

ズッチャズッズチャ

 

ドルッチャー♪

 

ドルッチャー♪

 

ドルッチャー♪

 

ズッチャズッズチャ

 

(ギター)

キューィーン

キューィーン

キューン

テケテケキューィーン

キュキュキュリーリーン

キュキュキュリーリーン

ビョーンビョーンキューン 

 

(ドラム) 

ダダダダダダダダン

 

(ベース&ドラム)

ズッチャズッズチャ

ズッチャズッズチャ

ズッチャズッズチャ


(ラップ)

「アイツに惚れたマジ惚れた

アイツに惚れたマジ惚れた

一目惚れとはこの事さ

一目で恋に落ちたのさ

すべてが一新この愛に決心

夢見て待ちわびた高鳴る鼓動

サンシャインに向かって愛を叫ぶ

もう君なしじゃいられない

悲しい日々はオサラバさ

辛い日々にオサラバさ

この愛に生きてこその俺のMy Life

時間に限りがあると知れ

輝きを捕まえたら2度と離すな

ダークな宇宙にさ迷う魂

光を求めてさ迷う心に君の笑顔が見えたんだ WAO!!」

 

(歌 愛星・サマー・えりかちゃん)

私は知っていたのよー

結ばれる運命だとねー

好きな気持ちに囚われてー

愛にすべてを委ねている

愛が私を支えているの

 

貴方に出逢った時

胸が痛くて

恋におちて

顔が赤くなって

目を合わせられなくて

恥ずかしくて

駆け出したくて

 

愛しいキャプテン・ミルクが好きなのよ、

心の底からLOVEなのよ

愛しいキャプテン・ミルクが好きなのよ、

心の底からLOVEなのよ 

 

私を離さないでよ

抱きしめちゃってよ

私を見つめてよ

キスしちゃってよ

 

貴方が好きでーす

貴方が好きでーす

貴方が好きなのよ

好きだから砂浜を駆け出したい気分なの

 

愛しいキャプテン・ミルクが好きなのよ、

心の底からLOVEなのよ

愛しいキャプテン・ミルクが好きなのよ、

心の底からLOVEなのよ

 

(カスタネット)

カッカッカッカッ

カカカカカカカカカカ

カッカッカッカッ

カカカカカカカカカカ

 

(フェードアウト)

 

 「ヤッホー、皆ー、こんにちわっ。久しぶりだねー。是非、新しいシングル、買ってね。近いうちにライブで会おうね~っ!」愛星・サマー・えりかより

 

  挿絵(By みてみん)


どうもありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ