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バカデカイ・タイム

久しぶりです(照)皆、元気かい?

  挿絵(By みてみん)

 

 

 

 バカデカイ宇宙船は地上から10メートルほど浮かんだ所でスンナリと止まった。

 

 バカデカイ宇宙船のバカデカイ扉が開くとバカデカイ光が地面に向かって一直線に降り注ぎ、「ウィーン、ウィーン、ウィーン」とバカデカイ変な音と共にバカデカイ宇宙人がゆらりゆらりと舞い降りてきた。

 

 「キャプテン・ミルク、あの宇宙人、全体的に、やけにバカデカイですよね」と椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキは笑いを堪えていたけど結局笑いながら言った。

 

 「うん。確かにバカデカイ宇宙人だな。全てがバカデカイ。頭の大きさが、やたらとバカデカイから脳みそがいっぱいあるかもわからん。頭がバカデカくてもノータリン、または脳みそがカニ味噌並の量しかないかもわからんから推測は禁物だい」とキャプテン・ミルクは言って鼻をかんだ。

 

 「キャプテン・ミルク、大丈夫っすか? 風邪ですかね?」椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキはポケットティッチュ(久しぶりに説明しよう。『ポケットティッチュ』はEARTHにあるポケットティッシュと同じだ。間違いなく同じだ。『ポケットティッチュ』と『ポケットティッシュ』はほぼ同じだ。違う所は1文字違うだけだい。ぬははははひーん)を出してキャプテン・ミルクに渡した。

 

 「ユズキちゃん、ありがとう。実はさ、鼻炎っぽいのさ」キャプテン・ミルクは鼻をかむとポケットティッチュをゴミ箱に目掛けて投げた。

 

 ポケットティッチュは弧を描くように優雅な柔らかさでサッパリした感じで飛んでいっちゃったけども、残念ながらゴミ箱の縁に当たって床に落ちた。

 

 「ちえっ」とキャプテン・ミルクは悔しげに言うと駆け足でゴミ箱の側に行きポケットティッチュを拾ってゴミ箱に入れた。

 

 「バカデカイ宇宙人は玄関に向かっているみたいだな」とキャプテン・ミルクは言うと玄関を見つめてバカデカイ宇宙人を待った。

 

 「キャプテン・ミルク、大丈夫ですかね? バカデカイ宇宙人は危険な宇宙人かもしれないですよ」と椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキは落ち着かない様子で言ったんですな。

 

 「ところでユズキちゃん、さっきまでフロントにいた受け付けで働くピチピチギャルは何処にいるんだい? 明白涼子ちゃんだったかな?」キャプテン・ミルクは周りを見渡した。

 

 「キャプテン・ミルク、明白涼子ちゃんは女湯の掃除に行っています」椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキ床を掃く仕草をまじえながら言った。

 

 「明白涼子ちゃんの仕事を邪魔して呼びに行くのも何だからね、ユズキちゃん、一先ず、フロントに成り済ましてくれ」

 

 「キャプテン・ミルク、了解です」と椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキは言ってフロントに立った。

 

 「すみません」バカデカイ宇宙人が体を屈めて入り口から入ってきた。

 

 「はい、いらっしゃいやし」椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキは威勢の良い声で言うと愛想笑いをしたが目は座っていた。

 

 「あのう、少しここに居ても良いですかね?」バカデカイ宇宙人はしきりに頭を下げて詫びるように言った。

 

 キャプテン・ミルクは黙ってソファーに座り『どうやったってね、女の強さには勝てないんだよ。直ぐに白旗を上げるべし通信簿』という奥様向けの雑誌を読んでいるフリをしていた。

 

 「どうぞどうぞ。良いですよ。あー、忙しい忙しい。さてと、100ひく3はぁ、94っと」と椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキは言ってフロントで働く人に成り済まして電卓を打った。

 

 「いやいや、97じゃないですかね」とバカデカイ宇宙人は遠慮がちに言った。

 

 「あら本当だ。すご~い! 御客様、算数とか得意なんですか?」椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキは数字に弱かったみたい。

 

 「いやいや、得意じゃないです。足し算とか、かけ算とかなら多少は分かるけど、割り算になると全く歯が立たず」バカデカイ宇宙人は照れ笑いを見せた。

 

 「そうですか。あははは。ところで御客様、身長が高いですねー」と椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキは言うとバカデカイ宇宙人を見上げていたため辛いのか首を押さえた。

 

 「バカデカイでしょう?」バカデカイ宇宙人は自らバカデカイと言った。おそらく、自身のコンプレックスを言うことでネガティブな気持ちにならないように自分をさらけ出したのだった。

 

 「たぶん4メートルくらいあるから」バカデカイ宇宙人は頭に手を当てて言った。

 

 「どひぇ~! 4メートルも!? 本当にバカデカイですね!」椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキは唾を飛ばしながら言うと電卓を机の引き出しに仕舞った。

 

 「子供の頃からバカデカイから強いとか偉そうだとかゴールキーパーをやれとか散々蔑ろにされて育ったせいか、人の心が分かる思いやりのある優しい大人になりました」バカデカイ宇宙人は照れ臭そうだけど何処か悔しそうに言ってうつ向いた。

 

「おまたせ」声がしたので振り向くと宇宙コンビニエンスチュトアンデチュの『朝から晩までデイ』で働くパンチパーマのおばちゃん麗し野魔女子うるわしのまじょこさんが両手に特殊編み袋(説明しよう。『特殊編み袋』はエコだ。エコの袋だ。クモの糸で製造されているエコの袋だ)を下げて立っていた。

 

 「あら? おばちゃんどうしたの?」椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキは麗しの魔女子さんに駆け寄った。

 

 「帰宅するよ。あんた、どうしたの?」麗しの魔女子はバカデカイ宇宙人を見上げて言った。

 

 「魔女子、急に呼び出すなよな。ロケット式電動自転車はどうしたの?」バカデカイ宇宙人はしゃがんで麗しの魔女子の手から特殊編み袋を受け取った。

 

 「あんた、ロケット式電動自転車のロケットの調子がイマイチなのよ~。さっきね、ピンク・雪あかり@温泉・夢子さんに頼んでね、一晩だけ駐車場に預けて貰おうと思ったけどね、キズ付けられたりね、盗まれたりしたらね、あたしキレるからね、あんたの宇宙船に乗せてもらって一緒に帰宅しようと考えたわけなのよ」と麗しの魔女子は言って玄関先にあるロケット式電動自転車を指差した。

 

 「あのう、バカデカイ宇宙人さんと麗しの魔女子さんの関係って!?」椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキはおずおずしながら聞いた。

 

 「夫婦です。夫婦になって70年。私達夫婦はね、かなりバカデカイ時間を共に過ごして来ましたよ。主人は麗しの夏雄って言います」と麗しの魔女子は言って丁寧に頭を下げた。

 

 「あらっ!? ちょっと静かに。何か音がしません?」椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキはソファーに座っているキャプテン・ミルクを見た。

 

 「うん?」麗しの夏雄は不思議そうに椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキを見た。

 

 「確かに何か聞こえるね」麗しの魔女子は腰を落として耳をすませた。

 

しゅーん


しゅーん

 

しゅーん

 

 「しゅーんって聞こえませんか?」椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキも腰を落として両耳に手を当てて言った。

 

ひゃーん

 

ひゃーん

 

ひゃーん

 

 「何かものすごく高音に変わった。ひゃーんって聞こえる」と椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキは言って再度キャプテンミルクを見つめた。

 

ぎゅーおーん

 

ぎゅーおーん


ぎゅーおーん

 

ドッガーン!!!!!!!!!!

 

 駐車場に浮いていたバカデカイ宇宙人のバカデカイ宇宙船が、何処からともなく現れたミサイルをまともに喰らってしまい、バカデカイ炎とバカデカイ黒煙を上げて、バカデカイ火花を飛ばしながらバカデカイ爆風を吹かせちゃって、バカデカイ爆音を連発させながらバカデカイ爆発を繰り返しバカデカイ火が闇夜に上がった。

 

 

 

 

   ☆続いちゃう☆

ありがとうございました!

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