美しいジャパンゴールデンウィークの日本語
よろしくお願いいたします!
「キャプテン・ミルク! 大変なり! ヤバイですよ! 闇に紛れた謎のバカテカイ宇宙船が、ここの旅館に接近していまっす!」血相を変えて飛んできた椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキは1階の入り口にいたキャプテン・ミルクの前に回り込んで話した。
「なに!? どこだでよ? 急に動くなんて何だべか? めんどいなぁ。ユズキちゃん、何処にバカテカイ宇宙船が不時着するっぽいか教えてけろってよ!! 早く教えてくれよだっぴ!! どこだっぺ?」と熱い男のキャプテン・ミルクは訛った。
「キャプテン・ミルク、言葉使いに強い訛りがありますね。その言語は『ジンギスカン惑星』ですかね?」椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキちゃんは興味本位満タンで言った。
「いやいや、これは言葉のあやさ。単なる言葉のスレ違いで起こった意思とは無関係に飛び出ちゃった言葉のあやなのさ。一丁前に大人ぶりたくなる子供が意気がりたくなって大人の真似をしたがるだろう? 俺は大人だけど、そんな感じの気持ちになっちゃっただけなのさ」キャプテン・ミルクはひっきりなしに照れまくって言うと鼻の下をかいた。
「分かります分かります。私もEARTHのイングリッシュを話せないのにイングリッシュ語りたがるクセがあって。イングリッシュが苦手で、本気になれずにいたりして。イングリッシュの勉強を避けている自分にそろそろ喝を入れてイングリッシュを勉強したいです! 溢れ出る言葉が止められなくなるって事なんですよね」椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキもまた熱い女だった。まだ14歳。色んな事に出会える年頃だ。
「気持ちだけが先走りして意味のない言葉を発するって事なんだよな。訛りは純度の高い言葉の部類に入るのだ。さっきの訛りはさ、意思よりも早く口から出たわけさ。ユズキちゃんの気持ちが分かるよ。俺もね、EARTHのジャパンゴールデンウィークの日本語を本格的に学びたいけどもね、なかなか日本語を学べる所がなくてさ、探しているけど見つからないんだわ。日本語の美しさを学びたい。日本語の綺麗な響きを脳神経全体に感じたいと思う今日この頃です。全く日本語の豊かさを知らないでいるのに日本語を話したくなる自分がいて可笑しいよ。あはははははははははははははは」
「キャプテン・ミルク、知っている日本語ってありますかね?」
「あるよ」
「どんな日本語ですか? 聞かせてよ」
「『アイツは頭が狂ってやがる』、『イカレポンチ』、『糞野郎』、『なめとんのかワレ』、『代打、パチョレック、いや待て。ランスでいく。ランスにゴン』、『女湯覗くべからず』、『みそっ歯』、『すみません、パンツにウンコ付いてますよ』、『ワイは猿じゃない、ワイはmanだい』、『鍵っ子』、『駄々っ子』、『もやしっ子』、『尿蛋白』、『ノーパン喫茶』、『自律神経』、『急性硬膜下血腫』、『痔』、『血尿』、『歯槽膿漏』、『イリオモテヤマネコ』、『下痢』、『胸やけ』、『アソコが大きい』、『九官鳥のきゅ~うちゃんでぇす!』、『バブル崩壊』、『なめたけ』、『すだれハゲ』、『ノーパンしゃぶしゃぶ』、『止めて止して触らないで垢が付くから~、あんたなんて嫌いよビビデバビデブー』、『なかなか引退しないから、アイツはさぁ、もうほっとくのが1番だわ。好きにさせとけよ』とかかな。まだまだあるけどもね」キャプテン・ミルクは実に見事な日本語を披露した。
「すごいすごーい!! 意味は分からないけど日本語って綺麗な響きなんですね! 日本語って美しいです! 素敵な言葉なんですね。日本語に興味が出てきましたよ。それにしてもキャプテン・ミルク、日本語ペラペラじゃないですかー!」椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキは馴れ馴れしくキャプテン・ミルクの背中をバカスカ叩いた。
「痛い。あはははは。なんのこれしき」とキャプテン・ミルクは小さく言って照れ笑いをした。
「ところでユズキちゃん、バカデカイ宇宙船はどの方角から来るのだい?」
「あっちは西ですよね?」椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキは指を指した。
「いや、南だな」キャプテン・ミルクは優しく訂正してあげちゃった。
「じゃあ南ですね」と椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキは言ってキャプテン・ミルクの袖を引っ張って南の窓まで連れ出した。
「ぬあー、着陸態勢にあるじゃん!」キャプテン・ミルクは激しく明滅するライトアップされた宇宙船を見上げた。
「キャプテン・ミルク、私、こわ~い」椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキはキャプテン・ミルクの背中に隠れると、力任せにキャプテン・ミルクの背中を強く前に押し出した。
バカデカイ宇宙船は安らぎと癒しの雪あかり@温泉旅館の裏側にある駐車場に難なく着陸した。
★続いちゃう★
ありがとうございました!