ヒライイマカラ・ブーン
「うん? あれは誰だ?」キャプテン・ミルクとブルーバードAYAは『安らぎと癒しのゆきあかり温泉旅館』に戻る途中、道の真ん中にて、何者かが前方から飛んで来るのを確認した。
「キャプテン・ミルク! ここにいたんですか! 大変です!」ファンタジードラゴン号のエネルギー源策略担当の主任。イエローバード大学卒の山胸豆子が「頭スカイ」を被りながら飛行してきた。
「どうした、豆子?」
「今、安らぎと癒しのゆきあかり温泉旅館で暴漢3人組が現れて暴れています」山胸豆子は息を切らせながら話した。
「他の乗組員たちはどうした?」キャプテン・ミルクは動じることもなく淡々として冷静に言った。
「まだ他の乗務員たちは任務を遂行、継続しているのでいません。私と椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキちゃんだけが、一旦、『安らぎと癒しのゆきあかり温泉旅館』に戻ってきまして、途中で一緒に買ってきた大きな袋に入ったジャンボわたあめを食べた後に温泉に入ろうかと思いましたが止めて、2人でにらめっこ(説明しよう。「にらめっこ」は全宇宙の集合的無意識による文化の産物なのだ。「にらめっこ」は宇宙でも流行ちゃっているのだい。アハハハ)をしてから、「あっち向いちゃって来い」をしました。(説明しよう。「あっち向いちゃって来い」とは、ジャパンゴールデンウィークに伝わる伝統的な遊戯、「あっち向いてホイ」のディレクターズ・カット最終版、リメイク版のことだ。
「あっち向いちゃって来い」のルールは、最初に「あっち向いちゃって来い」と同時に言ってお互いに同じ方向を向いた場合は、『私たち偶然にしては気が合うよねぇ~。嬉しい~。幸せマンボウ!』とお互いの健闘を褒め称え合い、違う方向を向いた場合には、『ドンマイだっちょーん。気が合うまで、やり直ししちゃおうよん』と言ってやり直ししちゃうのだ。この2つのセリフは絶対条件で、必ず言わなければならないのだ。
「あっち向いちゃって来い」は『力まないでさぁ~、偶然の産物を受け入れようよん』という願いのような戯れのことである。つまり、勝敗のない遊戯ということなのだ。近未来は勝ち負けのスポーツは完全消滅しちゃったのだ。裏金、癒着、ドーピング、ヤラセ、賭博、依怙贔屓、慢性的な八百長等がスポーツの世界で積極的に公共的にも蔓延しちゃったためでもあるし、勝ち負けは、勝敗の優劣を示すだけのものでもあり、差別や屈辱や劣等感に苛まれたり、無気力に繋がる恐れありということもあって、勝敗制度は完璧に消えちゃったのであーる。但しだ、ただしアマチュアに限ってはだ、限ってだぞ、得点による勝敗制度は推奨されちゃってる。アマチュアは健康的だからね。まだまだウブでピュアなアマチュアだから勝敗制度もあった現実を学ぶということであるのだ。
『勝ち負けよりもねん、過程や努力や汗と涙に評価を与えようよねん。その方が心に傷を負わないでねん、優しくなれるしねん、素直になれるからね~ん。ウフフ。ねっ、それでいいでしょう? それで良いわよねん? 争わないでお互いを尊重してねん、褒め称えてねん、認め合っちゃおうよねん。ウフフ。憎しみ合わないでよねん。冷たくしないでよねん。誰かが苦しんでいたなら、手を差しのべてよねん。勇気づけてあげてよねん。ウフフ。幸せになるために生きているのだからねん。幸せになるために生まれて来たのだからねん。ウフフ』と「あっち向いちゃって来い」のディレクターズカット版を監修、制作した、わいわい・メリット・八千代さんの言葉で締めくくります)」山胸豆子はジャンボわたあめを思い出したのか、ヨダレが落ちそうになっていた。
「豆子、3人の暴漢はどんな様子なんだ?」
「3人の暴漢は『安らぎと癒しのゆきあかり温泉旅館』の玄関を開けようと必死になっています」山胸豆子は、ちょっちい(説明しよう。ちょっとのことだ)、意味不明気味な返事をした。
「豆子、つまり?」キャプテン・ミルクは別に怒る風でもなく豆子に話すように促した。
「『安らぎと癒しのゆきあかり温泉旅館』には損害はないので無事なんですが、3人の暴漢は玄関先でアルコールを飲んで暴れたり、下半身を露出したり、他のお客様を脅したりして迷惑を掛けています」山胸豆子は困った顔をして早口で言うと落ち着きなく歩き回った。
「豆子、他には?」
「私は裏口から出てきてキャプテン・ミルクの元に来ましたが、椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキちゃんが『安らぎと癒しのゆきあかり温泉旅館』の玄関を魔法で完全にシャットアウトして3人の暴漢を入れなくしています。ただ椎名・ミッシェル・ローズ・ユズキちゃんは、まだ14歳なので、お眠の時間が過ぎていて、うつらうつらとしています」
「豆子、女将のピンク・ゆきあかり@温泉・夢子さんは?」
「ボランティアで492歳と381歳のお年寄り2人の介護に行っていて不在です」
「豆子、3人の暴漢が来てからどれくらいの時間になる?」
「20分くらいでしょうか。早目に私が飛んできた訳です」
「よし、豆子、ブルーバードAYAさん。手を繋ぐぞ」キャプテン・ミルクはブルーバードAYAと山胸豆子と手を繋いだ。
「『ヒライイマカラ・ブーン!!』」と魔法を唱えると3人は空を飛んでいった。(説明しよう。「ヒライイマカラ・ブーン」は瞬発力のあるポピュラーな空飛ぶ魔法のことである。比較的、新しい魔法でもあるのだ)
☆続いちゃう☆
いつもありがとう✨✨✨✨✨
♪v(*'-^*)^☆