キャプテン・ミルクの凄まじさ
「あははははははは!」ブルーバードAYAの爆笑は止まらなかった。顔を上げられないほど笑いまくっていた。
職業柄かもしれないが、ブルーバードAYAはクールビューティーな印象、人を寄せ付けない冷めた雰囲気を漂わせていて、意思の強そうなキリッとした眼差しの女の子だった。そこが、ブルーバードAYAの最大の魅力なのだが、この瞬間、孤高なイメージが消えて、大声で笑い続けていた。キャプテン・ミルクはブルーバードAYAの屈託のない笑顔と無邪気な笑い声を聞いてどこかホッとしていた。
「キャプテン・ミルク、ジャム将軍を侮辱するな! 早く取り消せ! 詫びないならな、今すぐにお前を殺してもいいんだぞ! あのバカな部下のように木っ端微塵にはなりたくはなかろう! このマツタケボウヤをナメるなよ!」マツタケボウヤは背中に背負った剣を取り出した。
「この剣はな、ダークソードというんだ。滅多に御目にかかれない見事な剣だ。この剣で何人もの宇宙人を殺ったんだぞ」マツタケボウヤは左手に剣を構えると右手を剣にかざした。激しい火花が散ると赤い炎か剣を包みこんだ。
「ダークソードのレベルを最大に上げたぞ。キャプテン・ミルク、お前はここで死ぬのだ!」キャプテン・ミルクとマツタケボウヤの距離はおよそ8メートル。マツタケボウヤの後方20メートルの位置に子供用の小さなお山があった。頂きには高部鼻ソカシコ川谷とゲリズチョンが沈黙したまま声を出さずに泣きながら正座していた。
「キャプテン・ミルク、どれ程の力があるのか、お手合わせを願いたい。貴様が行き着く先は、死だ。貴様の首を持って帰り、ジャム将軍に渡す。マツタケボウヤの名声が轟くのが楽しみだ!」
「おい! マツタケボウヤ、すぐにでもジャム将軍に伝えろ!! 必ずお前の背中に永遠に消せない言葉を彫ってやるからな!!!! とな!! ジャム将軍の背中にな、『僕ちんはバカだい! 僕ちんはバカだから、自分が何をしているのか全く分からないで長年生きてきたんだい! うんとねー、バカを治すお薬を飲めばバカにならないからと、先日、お節介な奴に言われてねー、「これ効くよ」とお節介な奴から貰ったお薬を仕方なく飲んだらねー、頭がボヤーンとしてきて気持ちが悪くなって、もっとバカに磨きが掛かったみたいでね、何か最近、体の調子が変だから病院に行ってみたら、医者くんから「バカにつける薬なし。治る見込みなし」と医者くんに褒められたんだい。うへへへへへ。僕ちんは医者くんに「先生、お薬を朝20錠、昼30錠、晩1錠と1日に大量のお薬を飲んでいますが、体が異常に凄くダルくてダルくて。もっとお薬の効果が欲しいけども、なかなか効果が上がらなくて。お薬を飲むと必ず吐いてばかりいて。医者くん、一体何がいけないんですか?」と話したら「こちらの書類に目を通してから必ずサインをしてください。即、入院」と言われちゃったんだい。うへへへへ。入院したらね、しばらく陰金たむし君とは会えないなぁ~。早く陰金たむし君に会いたい。早く陰金たむし君との婚姻届にサインしないとさ。うへへへへへ。僕ちんは不束者だよ。不束者だけども、これからは名前がジャム・陰金・たむしになります。仲人は、32年間、左足に繁殖している水虫さん。水虫さんは「晴れて2人の門出を祝福します」と泣ける言葉を言っちゃってる。うへへへへへ。周りの誰1人反対しなかった、僕ちんと陰金たむし君との恋。近々、陰金たむし君と僕ちんは結ばれちゃうんだよお』と深く彫ったタトゥーを入れてやるからな!! とな!!!!」とキャプテン・ミルクはマツタケボウヤに怒鳴り付けた。
「あはははははははは!」ブルーバードAYAは収まり掛けた笑いが、また復活してしまい、しゃがみこんで笑った。
「キャプテン・ミルク! 貴様~! また、ジャム、ジャム、ジャム、ジャム、ジャム、ジャム、ジャジャジャジャ、ジャム将軍を完全にバカにして侮辱したな!! 許さん!! マツタケボウヤ様の話をちゃんと聞いているのか? 結構、俺様は酷いことを言っているんだそ! 怖いと思わないのか?」マツタケボウヤはキャプテン・ミルクの怒鳴り散らす姿にかなり戸惑っていた。
「あはははははははは!」ブルーバードAYAは地面を叩いて笑っていた。またしても笑いのツボに入ったようだ。涙を流して笑っていた。
「そこの女!! 黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!! 喧しい女め、お前から殺してやろうか?」とマツタケボウヤは叫んでダークソードを振り回した。
「あはははははははは!」ブルーバードAYAはマツタケボウヤの話を全く聞いていないし、剣を振り回す姿も見ていなかった。
「マツタケボウヤよ! すぐにでもジャム将軍に伝えろ!! 必ずお前のお尻に永久に消えないタトゥーを入れてやるからな!! とな!! 『止めてよ! 僕ちんのお尻にだけは、お尻にだけはタトゥーを彫らないでよう! うへへへへへ。タトゥーを彫るなら顔か背中にしてよ!! それでもお尻にタトゥーを彫るなら、それなりの所に出るよお!! 第三者がいる場所に出るよお!! 僕ちんは覚悟があるよお!! うへへへへへ。どうしても、どうしても、ど~うしても、お尻にタトゥーを彫りたいのなら、陰金たむし君の許可がないと。陰金たむし君は「親から貰った大事な体を傷つけたり跡が残るような事はしちゃいけない」と言っちゃってるから。改めて陰金たむし君の優しさに惚れ直した僕ちんなのでした。うへへへへへ』と短めにシンプルな言葉を彫ってやるからな!! とな!!」キャプテン・ミルクはマツタケボウヤに中指を差しながら言った。
「あはははははははは!」ブルーバードAYAはキャプテン・ミルクの話を聞き終えると、耳を押さえて笑った。これ以上、キャプテン・ミルクの例え話を聞くのはヤバイと判断してのことだろう。
「クッソ~。完全にジャム将軍と俺様をバカにしてやがる……」マツタケボウヤは焦り始めていた。一方的なキャプテン・ミルクの言葉にも苛立っていた。
☆続いちゃう☆
ありがとうございました✨
♪v(*'-^*)^☆