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夜更けの公園

久しぶりの最新作なので照れますがよろしくお願いいたします。最新作は少しだけ星の物語になっています。

 「世にも素っ裸公園」は逃げも隠れもしないフルサイズで正々堂々としていたし、はち切れんばかりではあるが作りは意外にも質素な公園だった。

 

 キャプテン・ミルクは横に視線を移すと一気に白い看板が目に入ったので読んでみた。

 

 『全てをさらけ出す勇気が君には必要なんだ。裸になってみろよ。隠していると、結構、アソコとかアソコじゃないところが蒸れちゃうし割りと支障をきたしちゃうんだぜい。隠すなよな! さらけ出せよな! 自分自身になれよな! 自分にならなきゃダメだぞ! 後は頼むな。任せたぞ』と「世にも素っ裸公園」の入口の傍にある白い看板に書かれた文字を読んた。

 

 キャプテン・ミルクは看板の下に載っている写真を見た。「世にも素っ裸公園」を作った悶々(もんもん)ラロンカズさんの御言葉だった。

 

 「悶々ラロンカズ。誰? 知らないなぁ」とキャプテン・ミルクは言って肩に担いだ川谷ゲリズチョンを砂場の上に静かに仰向けで降ろした。

 

 キャプテン・ミルクは深呼吸をすると夜空を見上げた。

 

 北海道星、スローリーになって衰弱してきたハレー彗星、霪卵星(いんらんぼし)、無形星、北斗八星、出前補佐官星、大蛇星、強靱(きょうじん)の星、パンチラ星、往復ビンタ星、黄ばみパンツ星がいつになく美しく健やかに健気に優しく瞬いていた。

 

 「ブルーバードAYAさん、星たちが綺麗だねぇ。ブルバードAYAさんの好きな星は何ですか?」

 

 「私は北海道星ですね。ここにはないけど14月の下旬に現れる「美女連合星」が1番好きかな」

 

 「美女連合星は蒼い星ですよね。綺麗な星です。ブルーバードAYAさん、今晩は往復ビンタ星と黄ばみパンツ星が一際輝いていませんか?」

 

 「本当にそうですよね。あっ、キャプテン・ミルクさん、焼き魚星っていつでしたっけ?」

 

 「焼き魚星はね、17月かな? 確か、17月40日頃には見られるよ」

 

 「焼き魚星も綺麗ですよね」

 

 「うん。俺は温水湯加減星が1番好きだ」

 

 「あー、分かります。温水湯加減星ってミルク色した星なんですよねー」

 

 「ミルク色の星なんて温水湯加減星くらいしかないんじゃないのかな?」

 

 「キャプテン・ミルク、知ってます? 最近、メロンクリームソーダ星が発見されたんですって!」

 

 「えーーーーーーっ! ウッソー!?」

 

 「本当」

 

 「可愛いーっ!」とキャプテン・ミルクは叫んじゃって背伸びしちゃってね夜空を見渡した。

 

 「キャプテン・ミルク、な、何が可愛いんですか?」とブルーバードAYAは不思議そうに尋ねた。

 

 「いやいや、単なる言葉遊びなんです。20世紀にEARTHのジャパンゴールデンウィークで一瞬だけ流行った言葉を50世紀の現代に蘇らせちゃいましてね。あはははは。何の意味もない(やわ)い言葉ですから御安心を。ブルバードAYAさん、メロンクリームソーダ星は何処にあるのよ?」

 

 「今は見えないかなー。深夜2時頃に見られるらしいのです」とブルーバードAYAは東の空を指差した。

 

 「深夜2時はお眠の時間だからムズいなぁ」とキャプテン・ミルクは言って倒れている川谷ゲリズチョンの頬を往復ビンタした。

 

 「痛てててて!」と川谷ゲリズチョンは言って目覚めた。

 

 「おい、川谷ゲリズチョン!」とキャプテン・ミルクは怒鳴って目覚めたばかりの川谷ゲリズチョンを持ち上げた。

 

 「ちょっと、止めてよ! おろして!」と川谷ゲリズチョンは訳が分からない様子で騒いだ。

 

 「川谷ゲリズチョン、高部鼻ソカシコとはどういった関係なんだ?」キャプテン・ミルクは軽く川谷ゲリズチョンを5メートルほど上に放り投げた。

 

 「ワオッ、いやーん、いやーん、怖い!」と川谷ゲリズチョンは言って宙に浮いた。引力により再びキャプテン・ミルクの手中に収まると、もう1度、上に放り投げられた。確実にこれは大人版の高い高いだ。赤ちゃんの高い高いは可愛らしいけれども大人版の高い高いはものすごく気色悪い。

 

 「止めてよ、止めてよ、いやーん、いやーん、おろして! いやーん、いやーん、あはあーん、あはあーん、あはあーん、あはあーん」と川谷ゲリズチョンは喘ぎ始めた。

 

 「喘ぐな! 高部鼻ソカシコとの関係を言えば下ろしてやる!」

 

 「ちょっと、あんた誰?」

 

 「キャプテン・ミルクだ」

 

 「ウッソー!?」

 

 「本当だ!」

 

 「絶対にウッソー!?」

 

 「本当だって!!」

 

 「僕と高部鼻ソカシコはジャム将軍の軍隊に勤めている下っ端の兵士だ。高部鼻ソカシコは単なる同僚です」

 

 「よし」とキャプテン・ミルクは言って川谷ゲリズチョンを降ろした。

 

 「明日、ジャム将軍は混浴温泉惑星を侵略するんだな?」

 

 「はい」

 

 「今からジャム将軍に連絡できるか?」

 

 「下っ端ですから簡単にはできません」

 

 「じゃあ誰に連絡すればジャム将軍に繋がるんだ?」

 

 「第一部隊隊長のマツタケボウヤさんです」

 

 「じゃあ今からマツタケボウヤに連絡はできるのか?」

 

 「できません。僕は下っ端中の下っ端で連絡なんてもってのほかです」

 

 「じゃあ高部鼻ソカシコならできるのか?」

 

 「できます」

 

 「じゃあ、しばらくここで待ってろ」とキャプテン・ミルクは言って川谷ゲリズチョンに「金縛淋淋(かなしばりんりん)」という安い魔法を掛けた。(説明しよう。「金縛淋淋」とは金縛りをリアルタイムで起こす魔法だ。極めて体を動かせない魔法で安っぽすぎる魔法なのだ)

 

 「ブルーバードAYAさん、しばらく奴を見張っていてください。俺は『大衆食堂りえこちゃん家のメシは美味いから来てみそ』に行って高部鼻ソカシコを連れてきます」とキャプテン・ミルクはブルーバードAYAに言った。

 

 「任せてください。大丈夫です」とブルーバードAYAは返事した。

 

 キャプテン・ミルクは頷くと一瞬で消えた。

 

 

 

 

  ☆続いちゃう☆

ありがとうございました!

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