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戦いの火蓋

 「あんた、家のりえこちゃんに何か文句でもあるのか?」厨房の奥から大柄な男が出てきた。

 

 身長198センチ、黒いサンゴラレスを掛けていて、右手に出刃包丁、左手にフライパン、鍛え抜かれた上半身はベンチプレスで300キロは上げれそうなほど上腕二頭筋、大胸筋、僧帽筋が艶光りしていてムチムチで、はち切れんばかりにマッスルボディ、乳首にピンク色のニップレスをしていて、頭から爪先まで全身の毛を剃っていた。

 

 「なんだテメぇはだっちょーん! ニップレス付けるなやだっちょーん!」高部鼻ソカシコは巨人の登場に威圧されて後ろに引き下がりながら怒鳴った。

 

 「りえこちゃんの旦那のアンディ・ハニーだ。料理中はニップレスをしないと乳首が擦れてかぶれるんだよ! この野郎、テメぇ! ハゲ!」とアンディ・ハニーは厨房から出て高部鼻ソカシコに歩み寄る。高部鼻ソカシコは後ろ歩きをしながら店内を移動していてアンディ・ハニーから一定の距離を保って逃げていた。

 

 「逃げるなや!」とアンディ・ハニーは出刃包丁を振り上げて怒鳴った。

 

 「なんだとニップレス! 僕はハゲでないだっちょーん! テメぇはニップレスだっちょーん! ニップレス野郎!」と高部鼻ソカシコは威勢よく言ったが顔は引き吊っていた。

 

 「おい、川谷ゲリズチョン、起きろだっちょーん!! ニップレスを、奴を殺せだっちょーん!!」と高部鼻ソカシコは川谷ゲリズチョンに命令をしたが返事がなかった。

 

 川谷ゲリズチョンは頭に大きな玉ねぎが当たり気絶していた。

 

 「起きろ起きろだっちょーん! 川谷ゲリズチョン、起きろだっちょーん!」高部鼻ソカシコは川谷ゲリズチョンの頭を叩きながら言ったが川谷ゲリズチョンは気絶したままだった。

 

 「ハゲ、頻尿男と一緒にさ、出ていきな!」アンディ・ハニーは川谷ゲリズチョンの耳元で出刃包丁でフライパンを激しく叩きまくった。喧しい大きな音が店内に響いた。

 

 「うるさいだっちょーん! 止めろ! ニップレス、止めろだっちょーん!」高部鼻ソカシコは耳を押さえたが川谷ゲリズチョンは全く起きないでいた。

 

 「うるさい、ハゲ。頻尿男を連れて出ていけ!」アンディ・ハニーは怒りで出刃包丁とフライパンを叩きまくる。

 

 「うるさいだっちょーん! 止めろ! ニップレス!」

 

 「ハゲ、お前こそうるさい! 早く頻尿男を外に出せ!」

 

 「うるさいニップレス! お前が1番うるさいだっちょーん!」

 

 「ハゲ、早く頻尿男と行けよ!」

 

 「ニップレス、うるさいって! 止めろだっちょーん! 出刃包丁を置けよだっちょーん!」

 

 「ハゲ、いいから金を払ってとっとと頻尿男と出ていけ!」

 

 「ニップレス、喧しいから止めて話せる?」と高部鼻ソカシコが少し引いた。

 

 「いいからいいから。邪魔なんだよ、ハゲ。頻尿男を連れていけ!」とアンディ・ハニーは出刃包丁をフライパンにブチかましながら言った。

 

 「ニップレス、人の話を聞けよだっちょーん!」

 

 「ハゲ、頻尿男と出ていってくれたら終わりなんだから、金を払ってとっとと消えろ!」

 

 「ニップレス頼むから止めて話せる?」

 

 「ハゲと話すことはない! 頻尿男とも話す気はない! 早く出て行けよ!」

 

 「ニップレス頼むからさ」高部鼻ソカシコは爆音のせいでめまいが出ていた。

 

 「おい、ニップレスもハゲも頻尿男も黙りやがれ!!」

 

 突然、出刃包丁でフライパンを叩き鳴らした大きな音よりもバカデカイ声が聞こえた。

 

 アンディ・ハニーと高部鼻ソカシコは声のした方を向いた。

 

 「今、言ったのは誰だ?」アンディ・ハニーはお客全員を睨み付けたが誰も名乗り出なかった。

 

 「一体、誰なんだ?」アンディ・ハニーの声がいきりだした。

 

 「ニップレス、落ち着いて話をしようだっちょ」

 

 「ハゲは黙っとけ! おい、さっき生意気な事を言った客は誰だ? え!? 誰なんだよ!」アンディ・ハニーはニップレスを触りながら怒鳴った。

 

 「ニップレス、お前、客に失礼だろうがよ!!」高部鼻ソカシコがアンディ・ハニーに突っ掛かった。

 

 「うるさいハゲ! 早く頻尿男を連れて出ていけよ! 邪魔なんだよ!」

 

 「ニップレス、金は払わんからな! そんな態度だと払わんからなだっちょーん!」

 

 「ハゲ、頻尿男の分も払わなかったら痛めつけるぜ!」アンディ・ハニーは再び出刃包丁をフライパンにぶちかました。

 

 「ニップレス、うるさいだっちょーん! 止めろだっちょーん!」

 

 「うるさいハゲ! 早く金を払って出ていけよ!」

 

 「やめれやニップレス!」

 

 「うるさいハゲ!! 金を払って、とっとと消えてくれ!!」

 

 「うるさいニップレスだっちょーん!!!」

 

 「ニップレスもハゲも頻尿男も邪魔だ!! うるさい!!」またもやバカデカイ声が響き渡った。

 

 「おい! おい! 今、言ったの誰だ!!」とアンディ・ハニーは言って、力の限り、出刃包丁とフライパンを床に投げ付けた。

 

 この激しくうるさい喧騒の中を川谷ゲリズチョンは指輪をハメまくった左手で後頭部を押さえたままテーブルに突っ伏していて身動きすせず一切変わらずに気絶したままだった。

 

 『ひょっとしたら川谷ゲリズチョンは死んでるかもしれない』と誰もが思い始めて、このままだとヤバい状態だからヤバくなる前に起こさないといけないとも思い始めて、誰も手助けせずに、そのままホッたらかしのままでいた方が無難かもと思い始めて、そのままが良いかなと暗黙の了解のもとで、そのままにしようと思い始めて、関わらずべからずとも思い始めて、色々と思い始めて、思い始めたら思い始めていくので考えたりするのは止めようと誰もが思い始めてきて思い始めきたので、思い始めるのは止めようと誰もが思い始めたから関わるのは止めるようにしようと思い始めた。

 

 

 

   ☆続いちゃう☆ 

 

いつもありがとうございます!

♪v(*'-^*)^☆

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