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ブルーバードAYAの目的

 「夢子さん、すぐに陰り銀バエに気付いたのは凄かったです」キャプテン・ミルクはスクリーンに繰り返し映るピンク・ゆきあかり@温泉・夢子の圧倒的なハエたたきぶりを見て感心していた。

 

 「本当に、いつも何処から入ってくる銀バエなんだろう? って、ずっ~と悩んでいたんですよ。何だか、いつも小さく8の字に動く似た感じの動作なので、怪しい銀バエだな~とは思っていたんです」とピンク・ゆきあかり@温泉・夢子は落ち着いて答えた。

 

 「夢子さん、次の映像には恐るべき状況が映っています。ここからが大事な話になりますが、安らぎと癒しのゆきあかり@温泉旅館の地下についての質問なんです」キャプテン・ミルクは穏やかに優しく話し掛けていた。ピンク・ゆきあかり@温泉・夢子が不安になったり神経質になる事があっては日常生活にも支障をきたしてしまう。慎重かつ丁寧に説明することが信頼を得るうえで何よりも大事なことなのだ。キャプテン・ミルクは真面目に事件と向き合っていた。

 

 「言える範囲でなら構いません。申し訳ありません」ピンク・ゆきあかり@温泉・夢子は何ら卑屈になるような言い方でも後ろめたい言い方でもなかった。キャプテン・ミルクの質問なら正直に答えたいという気持ちが見えた。

 

 「ただしキャプテン・ミルク、他の御客様、客人たちには席を外して頂きたいのです。キャプテン・ミルクだけに説明したいと思うのです」ピンク・ゆきあかり@温泉・夢子は条件を言ってみた。

 

 「夢子さんの気持ちはよくわかりますが、ここにいる俺の仲間は今回の事件に大きく関わっていますし、もし差し迫った状況がきた場合には、俺1人だけが夢子さんから得た証言や発言や情報を抱え込んでしまったら、万が一の時に素早い判断や対応が出遅れてしまう恐れが出てきます。少なくとも、ここにいる俺を含めた4人の仲間には情報の共有が必要だと強く考えています。口が軽いとか噂話の拡散だとかの恐れや心配はありません。そんなちゃちで次元の低い価値観は俺たちにはありませんから。危機的状況に対応するためには情報の共有が何よりも大事で大切なのです。夢子さん、どうぞよろしくお願いいたします」とキャプテン・ミルクは明確に理論的に説明した。

 

 「ああ、とてもいいわ。う~ん、素敵。本当にカッコいい男」とレッド明凜は言って体をくねらせるとキャプテン・ミルクに甘い視線を送り続けた。

 

 「わかりました」とピンク・ゆきあかり@温泉・夢子は言って心から納得をした表情を浮かべると、キャプテン・ミルク、曲り角ペペ、川本さすおさんとレッド明凜を見た。

 

 「では地下20階の映像を見ていただきます」キャプテン・ミルクはレッド明凜を見て頷いた。

 

 レッド明凜はウインクをして答えると白い壁に向きを変えて目からスクリーンと映像が飛び出た。

 

 ブルーバードAYAは陰り銀バエを叩き落として茶色の扉に5回体当たりをすると素早く蹴りあげてドアノブを弾くように殴り、茶色の扉の中へと入っていく映像が映し出された。

 

 「夢子さん、この画面に映る女性はファッションモデルのブルーバードAYAで間違いないですよね?」

 

 「はい、そうです」

 

 「夢子さん、地下20階には何があるのですか?」

 

 「地下20階には温泉の源泉があります」

 

 「他には? 地下は何階までありますか?」

 

 「他には、地下20階だと門番が3人おりまして入れないようにしています。今のところ地下は30階まで到達しています。30階には更なる温泉の極め付きお墨付きで重要な核心的な温泉のスーパー源泉が存在しておりまして、そこで私の父が働いています」ピンク・ゆきあかり@温泉・夢子の発言は信じられない内容の話だった。

 

 「夢子さんから見てブルーバードAYAの目的は何だと考えられますか?」

 

 「たぶん……」

 

 「たぶん?」

 

 「ワープだと思います」

 

 「ワープ!? 何の話? なんですかワープって? ま、まさか!?」キャプテン・ミルクは予想外の答えにビックらこいていたが少し思い当たるものを感じた。

 

 「キャプテン・ミルク、混浴温泉惑星には古来から伝わる伝説のワープゾーンの話は御存知でしたか?」とピンク・ゆきあかり@温泉・夢子の顔は青ざめ出して声が怪談口調になって言った。

 

 「確かに、その話は俺も聞いたことがありますが、それほど詳しくは知りません。本で読んだ程度くらいの知識で面目ないのですが。言い伝えによる物語の類いなのか、代々伝わる創作が尾を引く形で今まで受け継がれた結果によるものなのか。判断が難しい所があります」とキャプテン・ミルクは神妙な顔つきで話した。微かに目の色が暗く沈んだように見えた。

 

 「キャプテン・ミルク、今から50年前に混浴温泉惑星の南にある、サンザレバン国の『ダークブラウン洞窟』でデジタルメモが発掘されたんです」

 

 「デジタルメモ?」

 

 「はい」

 

 「夢子さん、そのデジタルメモには何が書かれていたんですか?」

 

 「私よりも父に聞いた方が良いかもしれません」

 

 「わかりました。夢子さん、話は繋がってきました。ブルーバードAYAはワープゾーンを探すために地下へと忍び込んだのかもしれないですね」

 

 「立ち入り禁止に忍び込むのは決して許されない行動ですが、あり得ると思います」

 

 「夢子さん、ブルーバードAYAは、いつ頃、チェックアウトしましたか?」

 

 「ブルーバードAYA様は現在も3階の御部屋に宿泊中です」

 

 「ゲッ!」キャプテン・ミルクは度肝を抜いて驚いた。

 

 「ブルーバードAYA様は、もう、あと1週間で1ヶ月の宿泊になります」ピンク・ゆきあかり@温泉・夢子は袖から小さなメモ帳を出してページをめくった。

 

 「夢子さん、今からブルーバードAYAに会えますかね?」

 

 「御部屋に居ますので会えると思います。私が連絡いたしましょうか?」

 

 「はい、是非よろしくお願いいたします」

 

  

 

☆続いちゃう☆

どうもありがとうございました!

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