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謎の女の素顔

ミュージックビデオは未公開バージョンになっています。新曲もよろしくお願いいたします!

 「ペペ、たぶん、もう映ると思うわよ」とレッド明凜は言って異様な早さで瞬きを繰り返した。


 「やたらと目が痒すぎるわ。早くも目薬の副作用かしらねぇ~」とレッド明凜は言って目を擦ろうとしたら曲り角ペペは手を押さえた。

 

 「サイボーグに痒みは感じないはずだぞ」と曲り角ペペは言ってニヤリと笑ってからニカッと笑った後に微笑んだ。

 

 「痒くて痒くて痒いのよ。あんたが作ったヒューマノイドの私は限り無く人間に近いアンドロイドなヒューマノイドなの」とレッド明凜は言って曲り角ペペの手を振りほどこうと振り回し始めた。

 

 「レッド明凜、目が故障したら困るから擦ったり掻いたりするのは止めて! それと早く下ろしてぇ~! わあああー、たす、たす、たす、助けてけれぇ~い」とレッド明凜に体をブンブン振り回されているペペは言った。

 

 「ペペが手を離せば下りられるから、あんたから離しなさいよ」

 

 「レッド明凜、それは危ないから嫌。早く下ろしてぇ~!」曲り角ペペは血走った目をして怒鳴った。

 

 「はいはい」とレッド明凜は言って曲り角ペペを静かにおろした。

 

 「それでは続きを御覧ください」とレッド明凜は言って白い壁に向かうと目から映像が飛び出てきた。

 

 陰り銀バエは故障して飛べなくなり階段に転がっていたがカメラは起動していた。

 

 陰り銀バエを一瞬で捻り潰した謎の女の姿は、ぼやけて二重になったりノイズになったりして映し出されてはいたが、背丈、服装、全体的な姿勢が分かる範囲で映っていた。残念なことに顔だけは不明瞭なために分からなかった。

 

 「うーん。謎の女の身長はおそらく162センチ、青いロングコートを着ているな。ヘアスタイルは上腕二頭筋まである金髪のロングヘアーで、地毛かカツラか染めているのかはわからない。顔が見えずらくて分からん」とキャプテン・ミルクは言って壁際まで近寄りスクリーンを見つめていた。

 

 「ちょっとキャプテン・ミルク、近眼、乱視、遠視、千里眼、念写、透視、飛蚊症、ドライアイ、白昼夢、緑内障 加齢黄斑変性アレルギー性結膜炎 、VDT症候群、感染性結膜炎感染性角膜炎白内障、幻覚、走馬灯、淡い記憶、網膜剥離になる恐れがあるからスクリーンから離れなさい!」とレッド明凜は言って映像を一時停止するとキャプテン・ミルクの背後に歩み寄り服を引っ張った、が、ビクとも動かなかった。

 

 「あらっ!?」レッド明凜は軽く動揺して、もう一度キャプテン・ミルク強く引っ張ってみた。

 

 キャプテン・ミルクは全くビクともしなかった。

 

 レッド明凜は渾身の力を込めてキャプテン・ミルクを引っ張ってみたが1ミリも動かなかった。

 

 「ちょっと、キャプテン・ミルク、超凄いじゃん。私のフルパワーでも動かないじゃん。マジでイカすじゃん!」とレッド明凜は言って元の場所に戻ると再び映像を流し始めた。

 

 「さっすが強すぎのキャプテン・ミルクだわ。宇宙1最強の戦士でイカした男は友達だもんなぁ」と曲り角ペペは自慢気に気をよくして言った。

 

 キャプテン・ミルクは白い壁スレスレの状態で動かずにいた。

 

 「おいおい、どうしたのよ動かないでよ? どうしたの?」と川本さすおさんが言って微動しないキャプテン・ミルクの顔を覗き込んだ。

 

 キャプテン・ミルクは眉間にシワを寄せて目を閉じていた。何やらブツクサと独り言を呟いていた。

 

 「顔なんだわ。顔。顔が分からんな。顔が分からん。顔が見たいよ。謎の女の顔が分かれば進展に大きな影響出るなぁ」とキャプテン・ミルクは呟いていた。

 

 

 

 宇宙で話題沸騰の新曲オープニングテーマソング「愛しいキャプテン・ミルクが好きなのよ、LOVEなのよ」☆ミュージックビデオ・未公開バージョン☆

 

作詞 蒼井真ノ介

作曲 蒼井真ノ介

編曲 蒼井真ノ介

ラップ 瀬川 竣(特別友情主演)

歌 愛星・サマー・えりか

監督 でーむず・でえーん

脚本 蒼井真ノ介

演出 アクタズ子ちゃん

構成 パンフレット基地吉(きちきち)くん 


(語り)

「50世紀にもなって過去の遺物を今も使用。黄緑色の公衆電話からのラブコールなのさ。テレホンカードの残り度数は24」

 

(電話)

ブルルルーゥッ

ブルルルーゥッ

ブルルルーゥッ

 

ガチャリンコン

 

「はい、愛星です」

 

「あっ、あっ、や、夜分にすみません。えりかちゃんはいますか?」

 

「娘は仕事に行ってます」

 

「あっ、あっ、そうですか」

 

「どちら様?」

 

「今は友達未満恋人未満の者です」

 

「いやお名前」

 

「キャプテン・ラクトン・BLUE・龍神・メロンクリームソーダ・ミルクです」

 

「嘘こくでないよ」

 

「いや本人です。お母様ですか?」

 

「はい」

 

「声がえりかちゃんとソックリですねぇ~。なんか感動します」

 

「親子ですから」

 

「そうっすよね。あはっ、あははははは」

 

「すみません、もう一度、お名前をお聞きしていいですか?」

 

「俺の名前は、キャプテン・ラクトン・BLUE・龍神・メロンクリームソーダ・ミルクです」

 

「嘘こくでないよ」

 

「本当に本人なんです」

 

「嘘こくでないってば」

 

「参っちゃったなぁ。本人なんですよ。あははははは」

 

「嘘こくでないよ。嘘こかれて、こっちも参っちゃってます」

 

「嫌だなぁ、お母様。あははははは。お母様、えりかちゃんにキャプテン・ラクトン・BLUE・龍神・メロンクリームソーダ・ミルクから連絡があったと伝えてください」

 

「はい、伝えておきます。もう一度だけ聞くから正直に答えてごらん」

 

「えっ? はい、お母様」

 

「貴方のお名前は?」

 

「キャプテン・ラクトン・BLUE・龍神・メロンクリームソーダ・ミルクです」

 

「嘘ばっかりこいて! 嘘こくでないよ! 怒るよ!」

 

「お母様、本当に俺は本人なんです。信じてくださいよ」

 

「嘘こいてないかい? 本当にかい?」

 

「はい、本当にです」

 

「分かった。そういうことにしておく。えりかが帰って来たら詳しく聞いて確かめるからね」

 

「はい、そうして頂けたらありがたいです。よろしくお願いいたします。お母様、改めて電話があったとえりかちゃんに伝えてください」

 

「はい」

 

「お母様、夜分に失礼致しました。どうもありがとうございました」

 

「はい、御苦労さんでした。えりかに折り返しの電話をさせますか?」

 

「いやいや改めてこちらからお掛け致しますので大丈夫です。どうもありがとうございます」

 

「えりかはあと30分くらいで帰宅するかもしれないし、しないかもしれないです」

 

「ああ、そうですか、分かりました。どうもありがとうございます。そしたら、30分後くらいを目安に、改めて、もう一度こちらからお電話を致しますので、お母様、よろしくお願いいたします」

 

「はいはい。なんだか悪いねぇ」

 

「いえいえ。お母様、大丈夫ですよ。あはははは」

 

「ちょっと、あんたは元気があっていいわねぇ。だけどさ、嘘だけはつかないようにしなさいよ」

 

「いやぁ、参っちゃったなぁ、あははははは」

 

「元気良く受け答えするのは素晴らしいことだけどさ、ちゃんと本名を名乗らんとさ。名前は?」 

 

「俺の名前は、キャプテン・ラクトン・BLUE・龍神・メロンクリームソーダ・ミルクです。本人で本名なんです」

 

「嘘ばっかりこいちゃってさ、本当にもう。嘘ばっかりこきまくってさ、フフフフ。あっばれだわよ。フフフフ。キャプテン・ミルクは宇宙No.1の勇者なんだよ。キャプテン・ミルクの成り済ましは良くないんだよ。クライマックスのチャンスをやるからね。あんたの名前は何て言うのかな?」

 

「お母様、何度も諦めずに御伝え致しますが、正真正銘のキャプテン・ラクトン・BLUE・龍神・メロンクリームソーダ・ミルクなんです。逆にすみません。変に疑いを持たせちゃって。キャプテン・ミルクは普通の男です」

 

「よし、分かったよ。そのハングリーな声音、優しい受け答え、家のえりかを想う気持ち、紳士的な振る舞い、魅惑的な吐息。間違いなく、本物のキャプテン・ミルクかもわからんけどもさ、おばちゃんの疑いは少しずつだけどもさ、消えつつあるよ」

 

「わあー、それはありがたいです。とても助かりますし嬉しいです。そのまま疑うお気持ちが、オブラートのように消えてしまえばいいのになぁ。あはははは」

 

 

 

Count Down

 

いち!

に!

さん!

しー!

 

(ベース)

ドルッチャー♪

 

ドルッチャー♪

 

ドルッチャー♪

 

ズッチャズッズチャ

ズッチャズッズチャ

 

ドルッチャー♪

 

ドルッチャー♪

 

ドルッチャー♪

 

ズッチャズッズチャ

ズッチャズッズチャ

 

ドルッチャー♪

 

ドルッチャー♪

 

ドルッチャー♪

 

ズッチャズッズチャ

 

(ギター)

キューィーン

キューィーン

キューン

テケテケキューィーン

キュキュキュリーリーン

キュキュキュリーリーン

ビョーンビョーンキューン 

 

(ドラム) 

ダダダダダダダダン

 

(ベース&ドラム)

ズッチャズッズチャ

ズッチャズッズチャ

ズッチャズッズチャ


(ラップ)

「アイツに惚れたマジ惚れた

アイツに惚れたマジ惚れた

一目惚れとはこの事さ

一目で恋に落ちたのさ

すべてが一新この愛に決心

夢見て待ちわびた高鳴る鼓動

サンシャインに向かって愛を叫ぶ

もう君なしじゃいられない

悲しい日々はオサラバさ

辛い日々にオサラバさ

この愛に生きてこその俺のMy Life

時間に限りがあると知れ

輝きを捕まえたら2度と離すな

ダークな宇宙にさ迷う魂

光を求めてさ迷う心に君の笑顔が見えたんだ WAO!!」

 

(歌 愛星・サマー・えりかちゃん)

私は知っていたのよー

結ばれる運命だとねー

好きな気持ちに囚われてー

愛にすべてを委ねている

愛が私を支えているの

 

貴方に出逢った時

胸が痛くて

恋におちて

顔が赤くなって

目を合わせられなくて

恥ずかしくて

駆け出したくて

 

愛しいキャプテン・ミルクが好きなのよ、LOVEなのよ愛しいキャプテン・ミルクが好きなのよ、LOVEなのよ 

 

私を離さないでよ

抱きしめちゃってよ

私を見つめてよ

キスしちゃってよ

 

貴方が好きでーす

貴方が好きでーす

貴方が好きなのよ

好きだから砂浜を駆け出したい気分なの

 

愛しいキャプテン・ミルクが好きなのよ、LOVEなのよ

愛しいキャプテン・ミルクが好きなのよ、LOVEなのよ

 

(カスタネット)

カッカッカッカッ

カカカカカカカカカカ

カッカッカッカッ

カカカカカカカカカカ

 

(フェードアウト)

 

 

 

 「レッド明凜、謎の女の顔を解析できないかい?」とキャプテン・ミルクは言って、ようやくスクリーンから離れると体育座りをして床に座った。

 

 「解析は無理かな。ブレまくっているし」レッド明凜はスクリーンの映像を止めて話した。

 

 「謎の女の素顔が少しでも分かる映像は取り出せないかな?」キャプテン・ミルクは食い下がって言った。

 

 「さあどうかしらねぇ。一応調べてはみるけどさ。難しいかも。もう少し映像を見てみると良いんじゃないの。わかんないけど」とレッド明凜は曖昧に言った。どうやらレッド明凜は謎の女の鮮明な映像を検索しつつも、なかなか手応えがないために自信なさげだった。

 

 「よし、頼むよ」キャプテン・ミルクを努めて明るく言った。

 

 「わかった」とレッド明凜は言ってスクリーンの映像をより美しくより鮮明にしようと奮闘していた。

 

 謎の女は階段に転がっている陰り銀バエを右手で拾うと横に放り投げた。陰り銀バエは運良く壁に当たると謎の女から30センチほどの位置に転がった。

 

 謎の女は 鎖や鋼のチェーンで封鎖された茶色の扉を何度も体当たりで破ろうとしたが、うんとも、すんとも、ふーんとも、へぇ~とも言わなかった。

 

「ちょいストップ」とキャプテン・ミルクは言った。

 

 レッド明凜はスクリーンの映像は一時停止した。スクリーンには謎の女が見上げる形で、多少、鮮明な横顔が映し出されていた。

 

 「まだ鮮明に映ってはいないけども、これはえらい美人だよな」とキャプテン・ミルクは呟いていた。

 

 「何かアレに似ていない?」と曲り角ペペは言ってスクリーンから離れるとメガネを掛けた。

 

 「アレって?」とキャプテン・ミルクは言ってペペの言葉を待った。

 

 「アレってアレだよ」とペペの声に明るさがあった。

 

 「ペペ、アレって言われても分からないよ」キャプテン・ミルクは少しキツイ言い方をした。

 

 「アレってアレさ。アレ」とペペは言ってスクリーン画面に釘付けだった。

 

 「アレかもな」と川本さすおさんも話に入ってきた。

 

 「川本さんも何か知ってるのかい?」キャプテン・ミルクは振り返って言った。

 

 「何となくだけどアレっぽい。まさかだとは思うけどもアレかもね」

 

 「ペペも川本さんもアレの正体や意味を教えてくれ」とキャプテン・ミルクは言った。

 

 「アレっぽいというだけだから間違いかもしれないし。でもかなりアレっぽいんだよなぁ~。アレのような気がする」と曲り角ペペは言って川本さすおさんに目配せした。

 

 「アレっぽいんだよな。見れば見るほどアレっぽいから不安が増している状態なんだわ。アレかもって感じなの」と川本さすおさんは言って口を押さえた。

 

 「もうさ、たぶん、アレだったら、アレが、今、混浴温泉惑星にいるのが信じられない」と曲り角ペペは言って同じように口を押さえた。

 

 「アレアレアレアレってよ、アレって一体何だよ?」とキャプテン・ミルクは座禅を組んで深呼吸をした。

 

 「ねぇキャプテン・ミルク、ブルーバードAYAって知ってる?」と曲り角ペペは言ってスクリーンに映る謎の女の頬を撫でた。

 

 「えっ!? ブルーバードAYA、ああ、美人ファッションモデルのブルーバードAYAだろう? サンゴラレスを掛けている印象が強いので、あんまり顔は覚えていないけども。まっ、まっ、まっ、まさかな。ハハ、ハハハ……」とキャプテン・ミルクは意外な人物の名前が出てしまい力なく苦笑いをした。

 

 

 

 ☆続いちゃう☆

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