天井を見上げたらユピピラピクテ現象!?
ノイズ・リダクション・バージョンのオリジナル・オープニングテーマソング
『最高にイカしたクールなハンサムマンのあんちくしょう☆キャプテン・ミルクの楽しい大冒険☆』
作詞 蒼井真ノ介
作曲 蒼井真ノ介
編曲 蒼井真ノ介
歌 えりかちゃん
宇宙に行こうよ
宇宙の果てにはさ
光の壁があるって話よ
ツルッと光よりも輝く
あんちくしょうに夢中よ
あたい月よりアイツ好きさ
あたい星よりアイツ好きさ
あたいナウい船長と
ナウい宇宙船の持ち主の
あんちくしょうがさ
とぅきでぇ~す(好きで~す)
痒い背中に孫の手が欲しい
痛いお尻に座薬と塗り薬よ
朝から晩まで歌っている鳥
お願いシャラップだい!
好きなあいつに付きまとい
好きなあいつに睨まれて
好きなあいつにドキドキ
ラブレターをあげちゃった
偶然のフリして
無理矢理鉢合わせたのさ
恥ずかしいけどもさぁ
あたいのLIFEは色々と初体験の連続だい!
ファンタジードラゴン号『ワオッ』
ファンタジードラゴン号『ワオッ』
我らの我らの我らの我らの我らの我らの我らの我らのキャプテン・ミ・ル・ク~☆
明白涼子はTHE・部座魔の扉を開けた。部屋の中は8畳ほどの広さで物置小屋の割には綺麗に整理整頓されていた。
「荒れハラウキ」(説明しよう。「荒れハラウキ」とはEARTHの歴史で最も馴染み深くポピュラーな掃除器具、箒の血脈を引き継ぎ、年代的に反抗期を迎えて他所さまから変わり物に見られている掃除器具なのだ)の小・中・大が立派に並んでいて、真新しい青色のごみ箱が5つ置いてあって、使い捨ての雑巾が50枚ほど棚にあった。
他には洗濯物の洗剤、温泉を洗うメカニックな機械、温泉用の洗剤、デッキブラシが5本あった。物置小屋にしては爽やかな匂いのする部屋だった。
「涼子さん、この部屋にジャム将軍は寝泊まりしたんですね」キャプテン・ミルクは軽く壁の強度を確認するために叩きながら言った。
「はい。ジャム将軍はそこの隅っこで寝泊まりしました。早く旅館から出ていくように仕向けるため布団やベッドではなくて安物のマットレスとカビ臭い毛布だけを用意しましたけど、『もう、たまないね。いやん。ふははははは。カビ臭くて最高じゃん』と受付で喜んでいたジャム将軍の神経を疑いますが何一つ文句は言わなかったです」と涼子はマットレスを置いた場所を指差しながら言った。
「分かりました。少しTHE・部座魔の中を確認してもいいですか?」キャプテン・ミルクは部屋全体を眺めながら言った。
「はい、どうぞ」と涼子は言って後ろに一歩下がってから大人しくなった。
キャプテン・ミルクは床をジャンプした。たわみや軋む音はしなかった。
キャプテン・ミルクは壁を叩いてみた。反響はなし、硬く密度の高い壁だと分かる。
キャプテン・ミルクは棚を調べてみた。洗い立ての雑巾の他には新品のタワシ20個、塵取り、接着剤、補強用のテープ、複数の温泉用の洗剤があった。
キャプテン・ミルクは天井を見上げた。裸電球が明滅しながら点いていた。裸電球の紐には床に届くビニール紐が結ばれていた。キャプテン・ミルクはビニール紐を引っ張った。部屋は一瞬で真っ暗だ。キャプテン・ミルクはビニール紐を引っ張った。部屋は明るくなった。
特に異変が無いことが分かったキャプテン・ミルクは天井を見上げたまま視線を隅っこに移動した。
真っ黒い汚れ、固まりの様な物がこびり付いていた。
キャプテン・ミルクは近寄って行き真っ黒い固まりを見つめた。真っ黒い固まりは少し上に移動した。どうやら虫の様だ。
キャプテン・ミルクは辺り見回して何かを探し始めた。
「キャプテン・ミルクさん、どうしました? 一体、何をお探しですか?」涼子は急に無我夢中で何かを探し始めたキャプテン・ミルクの姿に少し怯えた。
「涼子さん、ガラス容器か保存容器はありますかね?」とキャプテン・ミルクは言って棚に向かった。
「ビン容器みたいな物ですか? それだったら料理場にありますよ。持ってきます」と涼子は言って鍵束をキャプテン・ミルクに渡した。
「涼子さん、御手数掛けます。ありがとう。なるべく早く戻ってください」とキャプテン・ミルクは言って丁寧に頭を下げた。
部屋から明白涼子が出ると静まり返ったTHE・部座魔は重い空気に包まれた。
キャプテン・ミルクは壁にもたれて落ち着くと棚に置いてあるタワシを見た。タワシから雑巾、視線を雑巾から床に移して何気なく裸電球を見てからマットレスが置いてあった場所で止まった。
キャプテン・ミルクは鼻歌を歌いながら天井を見上げて隅っこを見た。
キャプテン・ミルクは視線を足元に移して目を閉じた。
明白涼子が戻ってきた。
「キャプテン・ミルクさん、御待たせ致しました。ガラス容器です」と涼子は言って10センチほどのガラス容器を手渡した。
「涼子さん、ありがとうございます」とキャプテン・ミルクは言ってガラス容器のフタを回して開けた。
キャプテン・ミルクはゆっくりと天井を見上げながら隅っこに行くと黒い物体を素早くガラス容器に入れた。直ぐにフタを閉めると裸電球にかざした。黒い物体はビン容器の下に転がったまま動かなかった。
「さあ、涼子さん、受け付けに戻りましょう」とキャプテン・ミルクは言ってガラス容器を左手に持ち直した。
「キャプテン・ミルクさん、その黒い物体は何ですか?」と涼子は言ってガラス容器を見ていた。
「涼子さん、後で女将さんのピンク・ゆきあかり@温泉・夢子さんにも詳しく報告しますので少しお待ち下さい。調べてみないと俺もよく分からないのです」とキャプテン・ミルクは言ってロルナヨ・エレベルタルリィーンに向かった。
受け付けに戻ると明白涼子は自分の仕事に戻り、キャプテン・ミルクは部屋に戻った。
乗組員たちがいない大部屋でキャプテン・ミルクは部屋のど真ん中に座った。
キャプテン・ミルクはガラス容器の中にある黒い物体を睨みつけた。
『間違いないな。この黒い物体は「監視カメラ付き偵察マシン」だ。このタイプは最新式ではなくて10年前のモデルだ。通称「陰り銀蜘蛛」。汚れに見せかけたり、虫に化けて移動するタイプの偵察マシンだ。「陰り銀蜘蛛」は蜘蛛と銀ハエ(説明しよう。不思議なことに大宇宙に存在する惑星のほとんどには、蜘蛛、銀バエ、ハエ、蝶々、蜂が存在しているのだ。この現象を『共通性生物拡散大宇宙遺伝的不思議的存在事象発生ユピピラピクテ現象』というのだ)に化ける事ができるんだ。飛行できるのが「陰り銀蜘蛛」の特長。「陰り銀蜘蛛」は黒い固まりの汚れになって壁にこびりつく時はエネルギーの充電中を示す。ジャム将軍が設置したのは確実だ。おそらく、あと数台の監視カメラ付き偵察マシンが旅館内にあるはずだ。一体何が目的で「陰り銀蜘蛛」を置いたのか? 何が撮影されているのか気になるところだ。今も偵察されていて俺を写し出しているはずだ。過去に撮影されたものを早い段階で解析して詳しく分析しないとならんな。幼なじみの曲角ペペに頼んで「陰り銀蜘蛛」を調べてもらうとするか。念のためにファンタジードラゴン号の生みの親、偉大な川本さすおにもお願いしたいところだ。よし、今から二人を呼び戻して話し合おう』とキャプテン・ミルクは思った。
キャプテン・ミルクは「じんわりボイス」を使って最初に曲角ペペにテレパシーを送った。
『ペペ、ペペ、応答せよ。ペペ、ペペ、ペペ、ペペ。こちらキャプテン・ミルクだ。ペペ、ペペ、ペペ、おい聞こえるか? ペペ、ペペ、応答せよ。ペペ、ペペ、ペペ? 早く答えろ! ペペペペペペペペペペペペペペペペペペペペペペ!』
『おわっ、急に頭の中で。ビックリしたわー。この温かみのあるトーンはじんわりボイスだな? なんだよ? キャプテン・ミルク?』
『ペペ、今、どこにいるんだ?』
『温泉街にある遊技場で射的して遊んでる』
『ペペだけか?』
『いや、レッド明凜もいるよ。レッド明凜の奴さ、やっぱ射的が上手いわ。遊技場の店のおばちゃん、特賞の商品と1位の商品取られて泣いてるわ』
『何ていう店だ?』
『「射的屋あさみちゃん」だよ。射的屋のおばちゃんでね、伊保山あさみちゃん、92歳でね、旦那が3年前に亡くなってから独りで射的屋を切り盛りしてるんだとさ。直ぐにでも再婚したい意思はあるみたいだけども、寄ってくる男がイマイチパッとしなくてね、あさみちゃん、再婚を止めようかなと思ってる様だよ』
『「あさみちゃん、再婚を諦めるな! 諦めたらダメだよ! 女は死ぬまで女なんだよ! 諦めたらダメだ!」と、一言、あさみちゃんに伝えてから1位と特賞の商品を返してあげて「安らぎと癒しのゆきあかり@温泉旅館」に戻れ』
『まだ射的したい』
『ペペに大事な話があるんだ』
『「じんわりボイス」で済ませられないの?』
『無理』
『えーっ、射的したい。レッド明凜もそう言ってる』
『ペペ、緊急事態なんだ。話が終わったら、また、射的屋あさみちゃんに戻っていいから』
『仕方ないな。何の話なのよ?』
『「陰り銀蜘蛛」だ』
『……。3分で戻る』
キャプテン・ミルクは「じんわりボイス」を切った。
「ふーう、ペペの奴、分かってくれて良かった。次は川本さすおさんだな」
『さすおさん、さすおさん、応答せよ。こちらキャプテン・ミルクだ』
『どうしました?』
『川本さん、大変だ。安らぎと癒しのゆきあかり@温泉旅館で、残念ながら「陰り銀蜘蛛」を見つけた』
『なるほど。キャプテン・ミルク、困りましたな。分かりました。すぐに戻ります』
『川本さん、今、何処にいます?』
『温泉街にある小さなお祭りの会場で1回500ヘンドリモンドリの「タキタロウすくい」をしているけども、タキタロウが重くてすくえないのさ』
『川本さん、タキタロウを何ですくうんですか?』
『紙製のポイ。ポイがね、これがまたねぇ、ポイが小さくて小さくてよ。小皿くらいの大きさのポイなのよ。「もっと大きくて丈夫なポイはないの?」と店主の爺さんに聞いたらね、「そのポイはオリジナルだから。ワシが作ったポイだから。ポイって気持ちだから。気持ちがないとポイにポイって捨てられるから。タキタロウをすくうには、その辺のさじ加減が大事なところだから。ポイって直ぐに破れるでしょう? 何でだと思う? それはね、ポイだからなんだよ。『何故にね、ポイでするの?』 と言われたらね、『そこにタキタロウがいるからだからだよねー』って言うことだからねー。このポイは破れやすく作ってはいないから。絶対に破れやすく作ってはいないから。信じてよ、このポイは破れやすく作ってはいないよ。丁寧に丁寧に短時間で作ったポイだから。絶対に破れやすくないから。本当に破れやすくないから」と無理な事を言われてね、ちょうど、今、旅館に帰宅しようとしていたところ。もう3000ヘンドリモンドリ(説明しよう。ジャパンゴールデンウィークの円だと3000円だ)も取られちゃってるのよ』
『すぐに戻って下さい』
『キャプテン・ミルク、了解です』
キャプテン・ミルクは目を閉じて瞑想を始めた。
続いちゃう
エンディングテーマソング
『恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに』
作詞 蒼井真ノ介
作曲 蒼井真ノ介
編曲 蒼井真ノ介
歌 えりかちゃん
気持ちを抑えて
貴方を見つめると
涙が溢れてたまらんわ
好きな気持ちを隠して
辛くてもう嫌になるわ
お月さん
お月さん
応答願います
お星さま
お星さま
寂しくて参っちゃってさ
ねぇねぇ
私の話を聞いてくれる?
お願いします
やけ食いしたら負けよ
夜食を我慢して
ダイエットしようかな?
ダイエットしてさぁ
絶対に綺麗になるからね
綺麗になってウホホホホ
負けてたまるかやったるで
甘いお菓子なんかにさ
こっちからバイバイキーン本当にバイバイキーン
バイバイキーンのバイバイキーン
好きな人を想いたいの
毎日抱きしめていたいの
貴方の笑顔を守りたいの
私は貴方が好きなのよ
ねぇ本気になってよ
こんにくしょう
私に振り向け振り向け
こんにくしょう
夜更かしばかりして
本当に困っちゃう~
恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに
それがあたいよ
あたいの姿なのよ
好きでぇ~す
エヘヘヘヘ
好きでぇ~す
ウフフフフ
好きでぇ~す
"LOVe"
恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに
恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに~