3つの質問
今日、2回目の投稿です。よろしくお願いいたします。
キャプテン・ミルクは空を飛んでいる間に「アイナイジャン2!!」と呪文を唱えた。(説明しよう。「アイナイジャン2」は約45分間透明になれる魔法なのだ。「アイナイジャン1」の残り約5分を加算して「アイナイジャン2」と合わせると約50分間も透明になれるのだ。
これまた聞いた話だが、ジャパンゴールデンウィークにはコインランドリーという洗濯物を洗うアミューズメントがあり、乾燥機という機器があったそうだ。驚くことに、100円で10分間も乾燥できるというのだ。100円を入れるごとに10分間加算されるという仕組みなわけだ。
100円は50世紀だと約90ヘンドリモンドリだ。
ちなみに50世紀にはコインランドリーというもの存在しない。風呂も服もトイレも全自動で一瞬で洗浄されるからだ。掃除から解放された人間の勝利宣言が出されたのは45世紀の14月32日のことであった。風呂の隅々までだと50秒で、服だと40秒で、トイレだと30秒でお爺さんのピカピカのハゲ頭並みに綺麗になるのだ。まだまだ進化をしているので、ゆくゆくは5秒くらいで綺麗サッパリに進化をするであろう)
キャプテン・ミルクは無表情で空を飛んでいた。
キャプテン・ミルクはパーフェクト・レッド・サウンド・スタジオの屋上に着いた。下を見下ろすと嗅ぎ付けたマスメディアや野次馬どもがウヨウヨいた。
キャプテン・ミルクは3階の割れた窓から入った。
「ハバクッキヤヒッチャ」を掛けられた不履空羽プロデューサーは、ガウンを着ていて右手にグラスを持ったまま立っていた。デスクの上には栓が開けられたワインボトルが置いてあった。陽射しを浴びたワインボトルの中身は既に傷んでいるはずだ。
「誰か助けてくれ! 動けん!」と不履空羽プロデューサーは大声で叫んだ。
1階にある事務所、2階のレコーディング・スタジオではスタッフたちが駆け回っていてセクハラ男の声は届いていなかった。
この部屋でいかがわしい事をするためなのか、防音完備の部屋でもあるのだ。声が届くわけあるまい。
キャプテン・ミルクは不履空羽プロデューサーの目の前に来た。
「ちょっとあんた」
「ヒイィィィ、こ、声がする! だ、誰だ!」
「不履空羽プロデューサーだな」
「ヒイィィィ、だ、誰だ? なんで声がするんだ?」
「愛星・サマー・えりかさんについて、2、3聞きたい事がある」
「誰だか知らんが答えたくない!」
「何故だ?」
「売り出し中の新人アイドルなんだぞ。個人情報は教えない」
「じゃあ、あんたの事なら答えてくれるか?」
「簡単な質問なら答えよう。だが名誉に関わるような事や会社に関わる事の質問なら断る」
「それでいいよ」
「ああ、わかったぞ、お前は安っぽい魔法使いだな。愛星・サマー・えりかに近づきたくて私を脅しに来たんだな。付きまとい野郎だろ?」
「どうかな?」
「臆病だから私に姿を現せんのか?」
「姿は直ぐにでも現せますよ。心配無用」
「透明人間くんよ、質問の前に私を動けるようにしてくれないか?」
「質問に答えてくれたら動けるようにすると約束しましょう。無駄に抵抗するとさっきの扉みたいに木っ端微塵だよ」
「ヒイィィィ、わ、わかった」
「1つ目は、愛星・サマー・えりかにキスしたり抱きついたりしてセクハラをしたな?」
「していない」
「本当か?」
「ああ、私の子供たちに誓ってね」
「あんたの奥さんには誓わないのか?」
「もうあんな女はどうでもいい。私の金だけが目当てのクズみたいな女だ。近々、離婚する」
「なるほど。もう一度聞く。愛星・サマー・えりかにセクハラしたのか?」
「していないって!! 彼女に何か聞いたのか?」
「さあね」
「疑うなら愛星・サマー・えりかを訴えるぞ!」
「もう一度聞くぞ。愛星・サマー・えりかにセクハラしたな?」
「クドい!! 安っぽい魔法使いよ、お前を訴えるぞ。それとも……」
「それとも? 何だ?」
「死ぬことになるぞ」
オープニングテーマソング
『最高にイカしたクールなハンサムマンのあんちくしょう☆キャプテン・ミルクの楽しい大冒険☆』
作詞 蒼井真ノ介
作曲 蒼井真ノ介
編曲 蒼井真ノ介
歌 えりかちゃん
宇宙に行こうよ
宇宙の果てにはさ
光の壁があるって話よ
ツルッと光よりも輝く
あんちくしょうに夢中よ
あたい月よりアイツ好きさ
あたい星よりアイツ好きさ
あたいナウい船長と
ナウい宇宙船の持ち主の
あんちくしょうがさ
とぅきでぇ~す(好きで~す)
痒い背中に孫の手が欲しい
痛いお尻に座薬と塗り薬よ
朝から晩まで歌っている鳥
お願いシャラップだい!
好きなあいつに付きまとい
好きなあいつに睨まれて
好きなあいつにドキドキ
ラブレターをあげちゃった
偶然のフリして
無理矢理鉢合わせたのさ
恥ずかしいけどもさぁ
あたいのLIFEは色々と初体験の連続だい!
ファンタジードラゴン号『ワオッ』
ファンタジードラゴン号『ワオッ』
我らの我らの我らの我らの我らの我らの我らの我らのキャプテン・ミ・ル・ク~☆
「不履よ、なせ俺が死ぬことになるんだ?」
「魔法使いよ、私を甘く見るといけないとだけ言っておこう」
「不履よ、もう一度聞く。愛星・サマー・えりかにセクハラしたな?」
「していない!」
「よし、分かった」
「分かってくれたならそれでいい」
「不履、2つ目の質問だ」
「魔法使いよ、疲れたから簡単な質問にしてくれ」
「2つ目の質問は、愛星・サマー・えりかにセクハラをしたのか?」
「待ってくれ! さっきと同じじゃないか!?」
「不履空羽、早く答えろ」
「していない!」
「分かったよ」
「3つ目の質問だ。愛星・サマー・えりかにセクハラしたんだな?」
「魔法使いよ、引き抜き工作か? 愛星・サマー・えりかを引き抜きたいのか? え? そうだろう!」
「不履空羽、早く答えろ!」
「引き抜きはできんぞ。あの女は金のなる木だ。たくさん働かせて金を稼いで貰わんとね。使い物にならなくなるまで働かせないとな。世間知らずの無知なうちに働かせて働かせて働かせまくるのさ。ボロ切れになるまでな。確かに愛星・サマー・えりかはいい体をしているよ。少しくらいは、いいじゃないか」
「つまり、愛星・サマー・えりかにセクハラしたんだな?」
「さあな。とにかくウザい、いい加減にしろ!!」
「分かった」
キャプテン・ミルクは指を鳴らした。
「グワーッ! 止めてくれ!」不履空羽は左手の人差し指を自分の鼻の穴に突っ込んだ。
「不履空羽よ、正直に言わないと死ぬまで鼻の穴に入れたままだぞ」
「セクハラなんてしていない! グワーッ!」
キャプテン・ミルクは指を鳴らした。
「な、何をするんだ!?」
不履空羽のガウンが取れて素っ裸になった。
「不履空羽よ、一生、鼻の穴に指を入れたまま、服を着られないようにしたよ。良かったね」
「待ってくれ! 頼む、止めてくれ!」
不履空羽の人差し指は根元まで入っていって鼻血が吹き出ていた。
キャプテン・ミルクは指を鳴らした。
全裸の不履空羽は左手の人差し指を自分の鼻の穴に入れたまま、東区北方面ジャイジャイダンスを激しく踊り出した。
「不履空羽、永久に3時間ほどダンスを踊れるようにしたよ。3時間踊って10分間の休憩ができる。休憩が終わったら、また3時間も踊れるよ。10分以内の休憩中に食事や睡眠や生活活動ができるから死ぬまで楽しんでくれたまえ」
「ハァ、ハァ、ハァ、私は踊れないんだ! でも踊れている自分が気持ち悪い。ハァ、ハァ、ハァ。魔法使いよ、私は体が弱いんだ。頼むから魔法を解いてくれ。ハァ、ハァ、ハァ」
「正直に答えないから、もう無理だ。じゃあ、さよなら」とキャプテン・ミルクは言って寝室に行くと割れた窓から出ようとした。
「待て! 愛星・サマー・えりかにセクハラした! ハァ、ハァ、ハァ。早く魔法を解いてくれ!」
キャプテン・ミルクは書斎に戻った。
「分かった。不履空羽よ、よく話したぞ。今、スタジオの下にはたくさんのマスメディアがいる。野次馬もいる。今話した内容を生放送中のマスメディアにも同じように言ってくれ。愛星・サマー・えりかは、お前を決して許さないと思うけど、ちゃんと謝れよ」とキャプテン・ミルクは言って返事を待たずに不履空羽を浮かばせるとスタジオの下に着地させた。
マスメディアと野次馬野郎が一気に騒ぎだした。たくさんの報道陣の中にはコッペパンTV局のミリンダショーユもいた。
「お前、誰だ? なにしているんだい?」とコムラガエリTV局の人気女子アナ、紙田モン子(30歳)アナウンサーが不履空羽にマイクを向けた。
不履空羽は鼻血を出したまま人差し指を鼻の穴に入れてヘタッぴだが東区北方面ジャイジャイダンスを激しく踊っていた。全裸で。
「私を映すな!」と不履空羽は言って踊っていた。
「変質者のお前に言われたくないね」と野次馬が叫んだ。
「み、皆さん、私は、ハァ、ハァ、ハァ。愛星・サマー・えりかさんにセクハラをしました。具体的にはキスしたり抱きついたりしました。ハァ、ハァ、ハァ。お詫びいたします。魔法使いよ、言ったぞ! 早く魔法を解いてくれ!」と不履空羽は汗だくになって怒鳴った。
「50年後には、ちゃんと魔法が解けるから心配するな」とキャプテン・ミルクは不履空羽の耳元で囁いた。
ピープパープ
ピープパープ
ピープパープ
ピープパープ
ピープパープとサイレンが鳴り響いてきた。
生放送中の騒ぎを聞きつけて宇宙警察が空飛ぶ車でやって来たのだ。マスメディアと野次馬たちを掻き分けて、宇宙警察官の2人が不履空羽を地面に叩きつけるように押さえ付けた。
「コイツ、ふざけてやがる。まだ踊ってるぜ」と宇宙警察官の1人が言った。
キャプテン・ミルクはパーフェクト・レッド・サウンド・スタジオの屋上に行くと「SOLA MAU BLUE」と言って空を飛んだ。
☆続いちゃう
エンディングテーマソング
『恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに』
作詞 蒼井真ノ介
作曲 蒼井真ノ介
編曲 蒼井真ノ介
歌 えりかちゃん
気持ちを抑えて
貴方を見つめると
涙が溢れてたまらんわ
好きな気持ちを隠して
辛くてもう嫌になるわ
お月さん
お月さん
応答願います
お星さま
お星さま
寂しくて参っちゃってさ
ねぇねぇ
私の話を聞いてくれる?
お願いします
やけ食いしたら負けよ
夜食を我慢して
ダイエットしようかな?
ダイエットしてさぁ
絶対に綺麗になるからね
綺麗になってウホホホホ
負けてたまるかやったるで
甘いお菓子なんかにさ
こっちからバイバイキーン
本当にバイバイキーン
バイバイキーンのバイバイキーン
好きな人を想いたいの
毎日抱きしめていたいの
貴方の笑顔を守りたいの
私は貴方が好きなのよ
ねぇ本気になってよ
こんにくしょう
私に振り向け振り向け
こんにくしょう
夜更かしばかりして
本当に困っちゃう~
恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに
恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに
それがあたいよ
あたいの姿なのよ
好きでぇ~す
エヘヘヘヘ
好きでぇ~す
ウフフフフ
好きでぇ~す
"LOVe"
恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに
恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに~
いつもありがとうございます!