パペピラピー
キャプテン・ミルクは宇宙一の美少女、宇宙一の人気者、超が5000万個付くほどのスーパー・トップ・アイドル、愛星・サマー・えりかと彼女の友人か知人かマネージャーなのかは、まだはっきりとは分からない存在の女性、彩月を両手で抱きしめるように抱えて、ファンタジー・ドラゴン号まで空を飛んでいた。
愛星・サマー・えりかは真剣な眼差しで空を飛ぶキャプテン・ミルクを見ていた。
彩月は風で目を開けられず、両方の鼻の穴から鼻水を流していた。
キャプテン・ミルクは腫れ上った左頬を治療したくて、早くファンタジー・ドラゴン号に戻りたかった。
愛星・サマー・えりかは、太く逞しいキャプテン・ミルクの右腕にしがみつきながら深く安堵している事に気づいた。地上から500メートルの高さにいるのに全く恐怖心もなかった。
彩月は鼻水をすすりながら『えっ!? 空? 何これ? 私、頭が変になった? 「東区北方面ジャイジャイダンス」の踊りすぎが原因?』と自問自答していた。
『私、何で空を飛んでいるのかな? これは夢なの? 彼はどうして私の居場所が分かったのかな? 迷惑かけちゃった』と愛星・サマー・えりかは何度も思いながら目を閉じた。
キャプテン・ミルクは強くなってきた左頬の痛みを堪える事に必死だった。
痛みに耐えるために『くだらない雑念が必要だな。よ~し、そうだ! 全裸で真剣にジャパンゴールデンウィークのお寿司を握るお爺ちゃんが、全裸で真剣にお爺ちゃんの握ったお寿司を食べるお婆ちゃんに投げキッス。ブフフッ。あっ、バッティングセンターのピッチングマシーンを真剣に口説いてスカウトするスカウトマンをクビにした上司の切ない投げキッス。ブフフッ。一生懸命、鼻くそを食べている妹。ブフフッ。放課後、泣きながら給食を食べている母校の先生。ブフフッ』等とくだらない事を考えながら飛行し続けていた。
ファンタジー・ドラゴン号が見えてきた。実際にはカモフラージュで透明化していて全く見えていないのだが、キャプテン・ミルクは『7色カメラリアン・スコープ』を掛けているので全体像が見えていた。
キャプテン・ミルクはスムーズに着地をすると愛星・サマー・えりかと彩月を優しく下ろした。
「さあ無事に到着したぞ。愛星・サマー・えりかちゃん、彩月さん、これが俺の船、いや宇宙船のファンタジー・ドラゴン号だ」とキャプテン・ミルクは言って何もない場所を指差した。
「えっ!? 何もないんですけど」と愛星・サマー・えりかは言って2、3歩後ろに下がった。
「私たちをこんな人気のない場所へ連れてきて、変なことをするんじゃないでしょうね?」と彩月はいきり立って言った。
「これが宇宙最強のファンタジー・ドラゴン号だ」とキャプテン・ミルクは言って指を鳴らした。
一瞬でめちゃめちゃカッコいいピンク色に輝く美しいフォルムと威厳ある佇まいの宇宙最強、最高のファンタジー・ドラゴン号が現れた。
キャプテン・ミルクは直ぐに指を鳴らして再びファンタジー・ドラゴン号を透明化にして素早く消した。キャプテン・ミルクはファンタジー・ドラゴン号の持ち主だ。持ち主だけが出したり消したりのカモフラージュの魔法ができるのだ。なぜって? キャプテン・ミルクは魔法使いでもあるからだ。魔法使い、偉大な冒険家、宇宙最強の戦士、超ハンサムでイケメンで優しい色男、それがキャプテン・ミルクであり、ファンタジー・ドラゴン号の正式な持ち主だからだ。
もちろん、魔法を使えないファンタジー・ドラゴン号の乗組員がいる場合は、ファンタジー・ドラゴン号のコックピットにある透明化にするボタンを押せば誰でも可能だ。
「あ、あなたは、ひょっとしたら、ひょっとしたら、ひょっとしたら、あの方なのかしら!?」と彩月は言って体を震わせていた。
「つまり?」とキャプテン・ミルクは言って彩月の言葉を促した。
「キャプテン・ミルクさん!! 嘘でしょー、嘘でしょー、嘘でしょー!?」と彩月は言ってキャプテン・ミルクの体を触りまくった。
「ちょっと彩月、止めてよ!」と愛星・サマー・えりかは言って彩月を引き離した。
「キャプテン・ミルクさん、助けて頂いてどうもありがとう」と愛星・サマー・えりかは言って頭を下げた。
「あはははは、なんのこれしき。あはははは」とキャプテン・ミルクは言って愛星・サマー・えりかの手を握りしめてファンタジー・ドラゴン号の中に連れていった。
「ちょっと、私は? 私の手は握らないわけ~」と彩月はふて腐れてキャプテン・ミルクと愛星・サマー・えりかの後を追った。
オープニングテーマソング
『最高にイカしたクールなハンサムマンのあんちくしょう☆キャプテン・ミルクの楽しい大冒険☆』
作詞 蒼井真ノ介
作曲 蒼井真ノ介
編曲 蒼井真ノ介
歌 えりかちゃん
宇宙に行こうよ
宇宙の果てにはさ
光の壁があるって話よ
ツルッと光よりも輝く
あんちくしょうに夢中よ
あたい月よりアイツ好きさ
あたい星よりアイツ好きさ
あたいナウい船長と
ナウい宇宙船の持ち主の
あんちくしょうがさ
とぅきでぇ~す(好きで~す)
痒い背中に孫の手が欲しい
痛いお尻に座薬と塗り薬よ
朝から晩まで歌っている鳥
お願いシャラップだい!
好きなあいつに付きまとい
好きなあいつに睨まれて
好きなあいつにドキドキ
ラブレターをあげちゃった
偶然のフリして
無理矢理鉢合わせたのさ
恥ずかしいけどもさぁ
あたいのLIFEは色々と初体験の連続だい!
ファンタジードラゴン号『ワオッ』
ファンタジードラゴン号『ワオッ』
我らの我らの我らの我らの我らの我らの我らの我らのキャプテン・ミ・ル・ク~☆
キャプテン・ミルクは自室に愛星・サマー・えりかと彩月を入れてソファーに座らせた。
「ちょっと、ヤボ用で離れるが、2人とも気楽にして寛いでくれ」とキャプテン・ミルクは言って部屋から出ていった。
キャプテン・ミルクは左頬を押さえながら齢99歳の魔法使い、看護師、相談員の青空ウイングス子の部屋に向かった。
コンコン。
「はいよ~」と青空ウイングス子の声がした。老人の朝は早い。青空ウイングス子は毎日朝の3時に目覚めて自分の好きなことをしていた。
「キャプテン・ミルクだ」
「はい。今いきます」青空ウイングス子は直ぐに扉を開けて敬礼をした。
「ウイングス子、おはよう」
「キャプテン・ミルク、おはようござ、えっ!? その頬っぺたはどうしたんですか?」青空ウイングス子は驚いてキャプテン・ミルクの左頬を擦った。
「ぶつけたのだ」
「何処でさ?」
「トイレのドアだ」
「さ、さ。早く私の部屋に入ってくださいな」と青空ウイングス子は言ってキャプテン・ミルクを部屋に招き入れた。
「キャプテン・ミルク、そこの座敷に座ってくださいな」
「ありがとう、青空ウイングス子よ」とキャプテン・ミルクは言って座敷に上がり正座をした。
(説明しよう。青空ウイングス子は経験豊富で優秀な魔法使いだ。大宇宙で40年間、異世界で30年間、EARTHで1年間、キャプテン・ミルクの元で約7年間、魔法使いとして活躍してきた実績があった。癒し系、攻撃系統、防御の魔法を使いこなす一級品のスペシャリストなのだ。
青空ウイングス子の長い職歴の中で気になる点が1つだけあった。
それはだ、何故、EARTHは1年しかいなかったのか? なのだ。気になる。凄く気になる)
「キャプテン・ミルク、リラックスしてくださいよう」青空ウイングス子は腰を落としてスクワットを始めた。
「ではキャプテン・ミルク、いきますよ~!」青空ウイングス子のスクワットが1段と速くなった。
「痛いの痛いの飛んでけぇ~!!!! 『パペピラピー』!!!!」と青空ウイングス子は腹からデカイ声を叫んだ。(説明しよう。『パペピラピー』とは、あらゆる傷を癒す魔法のことで、魔法使いの中でもマスターするのが非常に難しいといわれているレベルの高い癒し系の最高級の魔法なのだ。キャプテン・ミルクも魔法使いではあるが『パペピラピー』だけは難しいと言っていて、今もマスターできないでいた。『パペピラピー』は特に難病に効果が高く、例えば末期症状のガン患者も一瞬で治す恐るべき効果がある優れた魔法なのだ。『パペピラピー』は素晴らしい魔法の1つなのだ。青空ウイングス子は念のために、キャプテン・ミルクの腫れ上った左頬の後遺症を考えて、一気にクリーンにするため照射時間の少ない『パペピラピー』を軽く『パペピラピー』したのだった。凄いぞ、青空ウイングスよ! 凄いぜ『パペピラピー』!)
キャプテン・ミルクの左頬は一瞬にして綺麗さっぱり治ってしまった。
「ほい、これでもう大丈夫ですよ。キャプテン・ミルク、傷跡も後遺症もないです」青空ウイングス子のスクワットは遅くなり、息を整えると正座をした。
「どうもありがとう、青空ウイングス子よ。心から感謝しているよ」とキャプテン・ミルクは言って畳に両手をつけて頭を下げた。青空ウイングス子も同じく畳に両手をつけて深々と頭を下げた。
「では失礼するよ。今日は昼頃まで、ゆっくり過ごしてくれ」とキャプテン・ミルクは言って立ち上がろうとしたが足が痺れて動けなかった。
☆続いちゃう
エンディングテーマソング
『恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに』
作詞 蒼井真ノ介
作曲 蒼井真ノ介
編曲 蒼井真ノ介
歌 えりかちゃん
気持ちを抑えて
貴方を見つめると
涙が溢れてたまらんわ
好きな気持ちを隠して
辛くてもう嫌になるわ
お月さん
お月さん
応答願います
お星さま
お星さま
寂しくて参っちゃってさ
ねぇねぇ
私の話を聞いてくれる?
お願いします
やけ食いしたら負けよ
夜食を我慢して
ダイエットしようかな?
ダイエットしてさぁ
絶対に綺麗になるからね
綺麗になってウホホホホ
負けてたまるかやったるで
甘いお菓子なんかにさ
こっちからバイバイキーン
本当にバイバイキーン
バイバイキーンのバイバイキーン
好きな人を想いたいの
毎日抱きしめていたいの
貴方の笑顔を守りたいの
私は貴方が好きなのよ
ねぇ本気になってよ
こんにくしょう
私に振り向け振り向け
こんにくしょう
夜更かしばかりして
本当に困っちゃう~
恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに
恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに
それがあたいよ
あたいの姿なのよ
好きでぇ~す
エヘヘヘヘ
好きでぇ~す
ウフフフフ
好きでぇ~す
"LOVe"
恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに
恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに~
いつもありがとうございます!✨