アイツの瞳
https://31064.mitemin.net/i781956/(作画 茂木多弥様)
(作画 ひだまりのねこ様)
(作画 茂木多弥様)
キャプテン・ミルクはエスカレーターで上まで登り終えるとイッチャモンをつけてきたすだれハゲの警備員っぽいおっさんを持ち上げてエスカレーターの下に投げ飛ばした。すだれハゲの警備員っぽいおっさんは気絶したまま動かなくなった。
キャプテン・ミルクは怒りが沸騰していた。何だが無性に腹が立ってもいた。ムササビ・ジュニア号の劣化を知って苛立ってもいた。ジャム将軍の右腕らしい男、横立ちミントくんのトイレ掃除のせいなのか辺り一帯がウンコ臭くて悪循環まみれの貧相な旧式のオンボロな宇宙船の存在に全宇宙の宇宙人が恐怖に怯え苛まれ、絶望の淵に追い込まれ、希望を失くしていただなんてめちゃくちゃ腹立つ。腹立って腹立って原辰徳だった。
キャプテン・ミルクは表示があることに気付いた。
『温泉、お風呂、この先を真っ直ぐ行って突き当たりを右に曲がるとあるかもしれない……』とだけ書かれていた。
キャプテン・ミルクは歩いた。突き当たりを右に曲がるとベンチに横たわっている何者かがいた。
寝ているようだ。お尻をかきながらオナラを繰り返していた。
キャプテン・ミルクは構わずに風呂場、温泉を目指した。
『この先にエスカレーターがあります。それに乗って5階まで行けば、たぶん、お風呂場だと思う……』と看板があった。
キャプテン・ミルクは舌打ちすると動かないエスカレーターを三段跳びで登ってゆく。
「待てよ!! 勝手に侵入するんじゃないよ!! 何してるのさ!! コラッ!!」とエスカレーターを駆け上がってくるおっさんの姿が目に入ってきた。
「この先、立ち入り禁止だよ!! あんた誰さ?」とおっさんはキャプテン・ミルクを羽交い締めにして耳元で話した。
『どうもやけにおっさんが多いなぁ。変なおっさんばかりでさ、ジャム将軍の奴、人を見る目がないのかな』とキャプテン・ミルクは思った。
「キャプテン・ミルクだい!!」
「そんな嘘は通じないんだよ。ナメないでくれないかい?」とおっさんは言ってキャプテン・ミルクの首を絞めてきた。
「お前は誰だ?」とキャプテン・ミルクは首を絞められているのに珍しくハスキーボイスを使って喋った。
「昔、ザ・ヘルペスというバンドを組んでベースを弾いていた立花ヒザだ」と立花ヒザは言った。
「ふーん。どんな曲をやっていたの?」とキャプテン・ミルクは聞いてみた。
「『アイツの瞳』という曲を歌うぜ!」
立花ヒザはキャプテン・ミルクの首から手を離すとベースを弾く真似をしながら歌い出した。
アイツの瞳
作詞 立花ヒザ
作曲 辛子イモ
1
アイツの瞳
アイツの瞳
アイツの瞳
視力8・0
アイツの瞳
アイツの瞳
アイツの瞳
綺麗に見える
2
アイツの瞳
アイツの瞳
アイツの瞳
視力8・0
アイツの瞳
アイツの瞳
アイツの瞳
眩しくてさ
3
アイツの瞳
アイツの瞳
アイツの瞳
視力8・0
アイツの瞳
アイツの瞳
アイツの瞳
濡れちゃってる
4
アイツの瞳が好きだから
結婚しちゃった
アイツの瞳が好きだから
離婚しちゃった
アイツの瞳が好きだから
結婚し直しちゃった
アイツの瞳が好きだから
結婚してみたんだ
5
アイツの瞳が好きだから
見つめてみたよ
アイツの瞳が好きだから
見つめ返してみた
「サンキュー」と立花ヒザ言って頭を下げた瞬間、キャプテン・ミルクは立花ヒザの顔を蹴り上げた。
立花ヒザは宙を舞うとエスカレーターの下に落ちて気絶した。
キャプテン・ミルクは立花ヒザに首を絞められていたので、手を解くためにわざと歌わせたのだった。
「立花ヒザの瞳、濁っている。おそらく、心が汚いからだろうな」とキャプテン・ミルクは呟くと先を急いだ。
『あと20メートルでジャム将軍のお風呂』と書かれた看板があった。
キャプテン・ミルクはジャム将軍の風呂場を目指してダッシュした。
◇続いちゃう◇




