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久しぶりだから体力に不安あり

 キャプテン・ミルクは「頭スカイ」を被り『7色カメラリアン・スコープ』を取り出して『マップリン時計Z』を左腕に装着した。

 

 キャプテン・ミルクは『7色カメラリアン・スコープ』で人体熱量センサー機能を使い2人組の女の子たちの居場所を確認した。

 

 ファンタジー・ドラゴン号から西の方角に2人組の女の子たちの動く姿が確認できた。距離にして10キロほどだ。『7色カメラリアン・スコープ』が調べられる距離は50万キロの範囲なので、10キロ程度ならお茶の子サイサイだから2人組の女の子たちの現在地を簡単に見つけられた。

 

 問題は音声の故障に不安を抱えている『マップリン時計Z』だ。訛りが強い。ラルルラボン祭りの場所を調べた時の音声には非常に強い訛りがあった。『マップリン時計Z』の人工知能ボイスは「全然、訛ってねぇってばさ。心配すんなってよ。たすかだぁ、オラの高性能をすんずろよ((訳)全然、訛っていないよ。心配しないでくださいよ。確かなんだから。高性能な私を信じてくださいね)」と訛って否定していた。キャプテン・ミルクは不安な面持ちで『マップリン時計Z』に話し掛けた。

 

 「マップリン時計Zよ、2人組の女の子たちの居場所を特定したのだが、女の子たちの周りの状況を詳しく調べてくれ」

 

 『2人組の女の子たちの周りには人がいっぱいだぁ。なんだべ、この人数はよう? ビックらこいただ。800人もいるべよ。正確には819人だぁ。俳句、なんつってな。ぶはははは。この大人数なんだべな? 何かのエベントだべか?』と『マップリン時計Z』はやっぱり訛って答えた。

 

 キャプテン・ミルクは買った当初の『マップリン時計Z』の深く低いボイスを思い起こしていた。良い声だったのに。決して訛りが悪いという訳ではない。命懸けの仕事をしている時に人情深い温かみのある訛りでやり取りされたら、気持ちが優しくなって腑抜けになってしまうのが居たたまれなく思うのだった。

 

 「マップリン時計Zよ、2人組の女の子たちの心拍数や体温や調子はどうだ?」

 

 『心拍数は2人共な、160をこえてんだぁ。走ったか何かしたんだべなぁ。ダメだわ、こんなに激しい動悸がしたら呼吸も辛いべなぁ。呼吸が苦しい時は体を横にしないとダメだってばよ。無理するとよ、心臓に負担が掛かってよ危ないべ。体温は1人は36℃、もう1人は35℃だぁ。まぁ、平熱の範囲だから大丈夫だぁな。調子は悪くねぇけども良くもねぇ。こればっかりは本人に聞いてみねぇと分がねぇなぁ~。キャプテン・ミルクの調子はどうなのよう?』

 

 「ありがとう。俺はバッチグーだよ」

 

 『バッチグーってなんだぁ?』

 

 「バッチリでGOODの略さ」

 

 『バッチグーかぁ。良い感じの言葉だなぁ~。オラも使ってみんべ』

 

 「御自由に」

 

 キャプテン・ミルクは『マップリン時計Z』との会話を止めると『頭スカイ』を被り直して空高く舞い上がり『7色カメラリアン・スコープ』を目に掛けた。

 

 キャプテン・ミルクは飛んだ。スピード上げて飛んだ。風よりも速く飛んだ。飛んで飛んでぶっ飛んだ。頭から煙が出そうなほど飛んだ。革シューズの裏からロケットエンジンの炎が出そうな感じで飛んだ。

 

 キャプテン・ミルクは横を見た。ラルルラボン惑星に生息している全長18メートルのシルバー・バードという巨大な鳥と並んで飛んでいた。シルバー・バードは名前の通りに体が銀色に輝いていた。

 

 「シルバー・バードか。カッコいい鳥だな」キャプテン・ミルクは至近距離で見れて御満悦だ。

 

 「キュウーちゃんデス」とシルバー・バードは喋りながら飛んでいた。

 

 「はは。九官鳥みたいな奴だな。教え込めば他の言葉も喋るかもな」

 

 「キュウーちゃんデス」

  

 「おい、シルバー・バードよ、俺の言葉に続け」

 

 「キュウーちゃんデス」

 

 「オッパイは偉大だ。よし、言ってみろ」

 

 「キュウーちゃんデス」

 

 「違う。オッパイは偉大だ」

 

 「キュウーちゃんデス」

 

 「違う。オッパイは偉大だ」

 

 「オッ、キュウーちゃんデス」

 

 「もう少し、オッパイは偉大だ」

 

 「オッ、オッ、オッ、キュウーちゃんデス」

 

 「惜しい。これは難しいかな?」

 

 「キュウーちゃんデス」

 

 「シルバー・バードよ、オッパイは偉大だ、よし言ってごらん」

 

 「オッ、オッ、オッ、オッ」

 

 「よし、頑張れよ」

 

 「オッ、オッ、オッ、オッ、オッ、オッキュウーちゃんデス」

 

 「無理だなこりゃな」

 

 『もっと優しい言葉の方が良いんでないかい?』と『マップリン時計Z』の人工知能ボイスは言った。

 

 「例えば?」

 

 『ウンコとかさ』

 

 「ウンコ?」

  

 『そうウンコ』

 

 「シルバー・バードよ、俺の後に続けよ。ウンコ」

 

「オッ、オッ、オッ、オッ、ウン、ウン、ウン、ウン、オッ、オッ、オッ、オッ、ウン、ウン、ウン、オッ、オッ、ウン、ウン、オッ、ウン、ウン」

 

 「頑張れ」

 

 「キュウーちゃんデス」

 

「やっぱ無理じゃん。残念だなぁ」とキャプテン・ミルクが言ったらシルバー・バードは左側に旋回して見えなくなるまで離れていった。

 

 

 

 オープニングテーマソング

 

『最高にイカしたクールなハンサムマンのあんちくしょう☆キャプテン・ミルクの楽しい大冒険☆』

 

 作詞 蒼井真ノ介

 作曲 蒼井真ノ介

 編曲 蒼井真ノ介

 歌  えりかちゃん




宇宙に行こうよ 

宇宙の果てにはさ

光の壁があるって話よ

ツルッと光よりも輝く

あんちくしょうに夢中よ

あたい月よりアイツ好きさ 

あたい星よりアイツ好きさ

 

あたいナウい船長と

ナウい宇宙船の持ち主の

あんちくしょうがさ 

とぅきでぇ~す(好きで~す)

 

痒い背中に孫の手が欲しい

痛いお尻に座薬と塗り薬よ

朝から晩まで歌っている鳥

お願いシャラップだい!

 

好きなあいつに付きまとい

好きなあいつに睨まれて

好きなあいつにドキドキ

ラブレターをあげちゃった

偶然のフリして

無理矢理鉢合わせたのさ

 

恥ずかしいけどもさぁ

あたいのLIFEは色々と初体験の連続だい!

 

ファンタジードラゴン号『ワオッ』

ファンタジードラゴン号『ワオッ』

 

我らの我らの我らの我らの我らの我らの我らの我らのキャプテン・ミ・ル・ク~☆

 

 

 

 2人組の女の子たちは手を繋いだまま全力で走っていた。

 

 女の子たちの後ろ30メートルに819人の野郎どもが奇声を上げながら追いかけていた。

 

 全身黒ずくめの美しい綺麗な女は間違いなく、愛星・サマー・えりかに違いない。左手の指輪はラルルラボン祭りで見た物と同じだったからだ。

 

 一方の紫の服を着た女は愛星・サマー・えりかのマネージャーか親しい友人だと思われる。

 

 女の子たちの体力に限界が見え始めていた。紫の服を着た女に遅れが出てきた。愛星・サマー・えりかに引っ張られる形で走っていた。

 

 前方に崖が見えてきた。

 

 愛星・サマー・えりかのスピードが遅くなってきた。

 

 「えりかちゃん、私を置いていっていいから手を離して」と紫の女は叫んだ。

 

 愛星・サマー・えりかは首を振って拒否した。

 

 「えりかちゃん、私が身代わりになる。奴等の気を引くから。ほら、見えるでしょ? 崖の手前を左に曲がれば洞窟があるわよ。洞窟に隠れなさい!」

 

 それでも愛星・サマー・えりかは手を離さず走り続けた。

 

「えりかちゃーん」

 

「えりかちゃん待って!」

 

「えりかちゃん結婚して」

 

「えりかちゃん、キスしよ」

 

「えりかちゃん、えりかちゃん!!」

 

 野郎どもの激しい声が響き渡った。

 

 「えりかちゃん、早く、早く手を離しなさい。私が『東区北方面ジャイジャイダンス』を踊って奴等の気を引くから!!」

 

 「彩月(さつき)、うるさい。黙って!!」

 

 もう野郎どもは愛星・サマー・えりかの後ろ10メートルにまで迫ってきていた。

 

 「えりかちゃん、もうダメ」彩月は立ち止まってから地面に座り込んだ。

 

 「彩月、起きなさい!!」と愛星・サマー・えりかは怒鳴ると彩月をおんぶして走り出した。

 

 「う~ん」と愛星・サマー・えりかはよろめいて足を挫いてしまった。

 

 「えりかちゃん、とりあえず、『東区北方面ジャイジャイダンス』を踊るから早く逃げな!!」と彩月は言って『東区北方面ジャイジャイダンス』を踊りまくった。

 

 愛星・サマー・えりかは彩月の背中を引っ張り続けていた。

 

 819人の野郎どもの血走った目が溢れかえっていた。

 

 もう手前5メートルもない。

 

 キャプテン・ミルクは頭スカイを脱ぎ捨てて地上を目掛けて飛び込んだ。

 

 キャプテン・ミルクは上手く愛星・サマー・えりかと彩月の前に着地をしたが足を捻ってこけた。

 

 キャプテン・ミルクは愛星・サマー・えりかと彩月を両脇に抱えた。

 

 「やあ、おはよう。久しぶりの魔法だから少し不安が」とキャプテン・ミルクは足を擦りながら愛星・サマー・えりかと彩月に朝の挨拶をした。

 

 「あ、貴方は!?」は愛星・サマー・えりかは絶句していた。

 

 「えりかちゃんに触るなよ!!」と彩月は叫んでキャプテン・ミルクの頬をビンタした。

 

 「彩月!! ちょっと止めなさい!!」と愛星・サマー・えりかは怒鳴って彩月の手を掴んだ。

 

 「あはははは、なんのこれしき。あはははは、大丈夫です。全然、痛くないです」とキャプテン・ミルクは真っ赤に腫らした頬を撫でながら言った。

 

「では、しっかりと俺にしがみついていてね。ではでは。行くぜ!! 『SOLA MAU BLUE!!』」とキャプテン・ミルクが魔法の言葉を叫んだ。


 キャプテン・ミルクは両脇に抱えた愛星・サマー・えりかと彩月と一緒に高速で空を飛んでいった。

 

 普段から使い慣れていない魔法のために、スピードコントロールは安定していなかった。

 

 「頭スカイ」よりも高速で空を飛べる魔法だが体力の消耗が激しい魔法でもあった。キャプテン・ミルクは『そろそろ魔法の強化や体力をつける時期だな。トレーニングをしようかな? 最近、文明機器に頼りすぎかな? あはははは』と考えながら朝焼けで美しいピンク色の空を飛んでいた。

 

 「あらっ!?」とキャプテン・ミルクは驚いて左を見た。

 

 「キュウーちゃんデス。オッパイは偉大だ。オッパイは偉大だ。ウンコです。キュウーちゃんデス」とシルバー・バードが喋りながらキャプテン・ミルクの傍に飛んで来て再び左側に旋回して消えていった。


 シルバー・バードは楽しい一時と新しい言葉を教えてくれたキャプテン・ミルクに感謝の気持ちを伝えに来たように見えた。

 

 

 

 ☆続いちゃう

 

 

 

 エンディングテーマソング

 

『恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに』

 

作詞 蒼井真ノ介

作曲 蒼井真ノ介

編曲 蒼井真ノ介

歌  えりかちゃん



気持ちを抑えて

貴方を見つめると

涙が溢れてたまらんわ

好きな気持ちを隠して

辛くてもう嫌になるわ

 

お月さん

お月さん

応答願います

お星さま

お星さま

寂しくて参っちゃってさ

ねぇねぇ

私の話を聞いてくれる?

お願いします 

 

やけ食いしたら負けよ

夜食を我慢して

ダイエットしようかな?

ダイエットしてさぁ

絶対に綺麗になるからね

綺麗になってウホホホホ

 

負けてたまるかやったるで

甘いお菓子なんかにさ

こっちからバイバイキーン

本当にバイバイキーン

バイバイキーンのバイバイキーン 

 

好きな人を想いたいの

毎日抱きしめていたいの

貴方の笑顔を守りたいの

私は貴方が好きなのよ

ねぇ本気になってよ

こんにくしょう

私に振り向け振り向け

こんにくしょう

 

夜更かしばかりして

本当に困っちゃう~

 

恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに

恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに

 

それがあたいよ

あたいの姿なのよ

 

好きでぇ~す

エヘヘヘヘ

好きでぇ~す

ウフフフフ

好きでぇ~す

"LOVe"

 

恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに

恋したり愛したりキスしたりハートの赴くままに~

 

いつもありがとう✨✨✨✨✨

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