危うしキャプテン・ミルク、立ち止まる!
https://31064.mitemin.net/i781956/(作画 茂木多弥様)
(作画 ひだまりのねこ様)
(作画 茂木多弥様)
いよいよキャプテン・ミルクは遂にムササビ・ジュニア号の中心部に行く決断をし直した。一通りの別れの挨拶を輩にしてから、再びムササビ・ジュニア号の用務員室に忍び込んだのだ。
『色々と騒がしい思い出がある用務員室だい。そう言えばバッテラを用務員室のダサい冷凍庫に保管していたような記憶があるような、ないようなだだい。微睡むように混濁した記憶が頭の中を渦巻く。まあいいや。あっ、確かバッテラは空のケースに仕舞ったんだったかな。毎日、宇宙は膨張しちゃってバカでかくなっちゃっている。過去のしがらみを捨てて新たな価値観で物語を自由に紡ぐことを優先しようじゃないかい。その方が俺の生き様やセンスがシュールでナンセンスでニヒリズムに生まれ変わるんだい。ニヒリストでニヒルなあんちくしょうだい。物語の登場人物にだって色々と人生があるのだい。その人知れず生きてきた登場人物たちの人生を知りたいという読者の愛ある救いがなけれな架空の人物に命を吹き込めないんだい。物語の登場人物とは読者の目を通して命が与えられるものなんだい。つまりだ、本は生き物なんだい。未知なる登場人物が今か今かと本が開かれるのを本屋の隅っこや図書館の片隅で期待しながら待っているのだい。本は生きている。本という生き物を大切にしようじゃないか。本をたくさん読んで、心を豊かにしようじゃないか』とキャプテン・ミルクは思った。そう、まさに思考を絞り出せば論理の飛躍が生まれて普遍的なキーワードが現れて自由になりえるのであった。 思ったことを自由に動かせる思考こそがマインド・ゲーム なのだ、とキャプテン・ミルクは思った。
ムササビ・ジュニア号の2人の兵士がキャプテン・ミルクに気付いて駆け寄ってきた。
「あんた止まれ! 僕はチンゲリラ哲也だ!」と兵士のひとり、チンゲリラ哲也は言った。チンゲリラ哲也は槍を振り回して威嚇した。
「動くなよ! 僕はマンゲリラ太郎だっす!」と2人目の兵である小柄なマンゲリラ太郎も使い捨ての箸を振り回して言った。
キャプテン・ミルクは立ち止まった。
「おい、勝手に侵入しやがって。何してるんだよ?」とマンゲリラ太郎は使い捨て箸を突き刺す動きを見せながら言った。
「ジャム将軍はどこにいる?」とキャプテン・ミルクは言った。
「ジャム将軍? ジャム将軍ならね、今ね、風呂に入っているよ。風呂場にいる」とマンゲリラ太郎は居場所をバラした。
「この大バカ野郎!!」とチンゲリラ哲也はマンゲリラ太郎の顔を殴りつけた。
「痛いな! 何で殴るんだよ!」とマンゲリラ太郎は口を押さえて言った。マンゲリラ太郎の口から黄色い血が流れていた。
「知らない人に居場所を教えたからだろうが!! バカ野郎!!」とチンゲリラ哲也は叫んで再びマンゲリラ太郎を殴った。
「痛いよ!! 止めろよ!!」マンゲリラ太郎は涙目になって抗議した。
「風呂場はどこだ?」とキャプテン・ミルクは簡単に口を割りそうなマンゲリラ太郎に向って言った。
「風呂場は8階にある」とマンゲリラ太郎はあっさりと答えた。
「バカ野郎!!」とチンゲリラ哲也はマンゲリラ太郎に怒鳴った。
「ジャム将軍の状況と状態は分かるか?」とキャプテン・ミルクは、また マンゲリラ太郎に聞いた。
「誰かに頭を殴られたかで弱っているらしいよ」とマンゲリラ太郎は、またしても不利になるような事を言った。
「このバカ野郎!!」とチンゲリラ哲也は怒鳴ってマンゲリラ太郎を持ち上げると床に叩きつけた。マンゲリラ太郎は仰向けに倒れて喘いだ。マンゲリラ太郎が持っていた使い捨ての箸が折れてしまった。
「わーん、僕の箸が〜」とマンゲリラ太郎は言って泣いた。
チンゲリラ哲也は折れた使い捨ての箸を拾うとマンゲリラ太郎の鼻に入れた。
「チンゲリラ哲也様に謝ってから、どじょう掬いをすれば新しい使い捨ての箸をプレゼントしてやる」とチンゲリラ哲也はマンゲリラ太郎に厳しい注文をした。
「チンゲリラ哲也よ、簡単にバラしてごめんなさい」とマンゲリラ太郎はチンゲリラ哲也に謝ってから、一生懸命にどじょう掬いを披露した。この果てしない宇宙の片隅で、どじょう掬いを踊る宇宙人がいたって良いと思います。
◇続いちゃう◇




