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救いのマドンナ

  挿絵(By みてみん)

https://31064.mitemin.net/i781956/(作画 茂木多弥様)


  挿絵(By みてみん)

(作画 ひだまりのねこ様)


  挿絵(By みてみん)

 (作画 茂木多弥様)





「テメェ! 乳首山乳首校長先生よ! なんで退学届を破るんだよ!」と番長の荒万チズオはむちゃくちゃ激怒して乳首山乳首校長先生の髪を引っ捕まえると地面スレスレまで下げて激しく揺さぶった。


「君ーっ!! 何しとるんじゃーい!!」と三半規管ジローは止めようとしたが、何処からともなく現れたヤンキーに羽交い締めされてしまった。


「なななな、何だ?! 貴様! 誰だ?」と三半規管ジローは暴れながら言ったが、かなりガッチリと羽交い締めされてもがいていた。


「荒万チズオ番長の家来というか、子分ッス。名前は蜘蛛雲苦悶くもくもくもんッス」蜘蛛雲苦悶。地理丘乳首大学3年生だ。20歳。自分より2つ年下の荒万チズオ番長に仕えている、現役バリバリのヤンキーであり、れっきとした子分なのだ。子分に年の差は関係ないのだ。恥ずかしがったら、そこで負けだ。


「ハアハアハア」蜘蛛雲苦悶は荒い呼吸を繰り返した。スタミナのない男なのであった。ちょっとしたことで息切れをする虚弱体質なのである。


「君、大丈夫か?」と羽交い締めされた三半規管ジローは心配になって言った。

 

「ハアハアハア」蜘蛛雲苦悶は苦悶した。


「大丈夫なのかって、聞いてんだ」と三半規管ジローは重ねて言った。


「ハアハアハア」と蜘蛛雲苦悶は苦しそうに呼吸をした。


「今だ!」と三半規管ジローは叫ぶと苦悶雲苦悶の髪を引っ捕まえて地面スレスレまで頭部を徹底的に下げると激しく揺さぶって揺さぶって揺さぶったのだった。


「この野郎! ハアハアハア」と蜘蛛雲苦悶は叫ぶと力を振り絞って三半規管ジローの髪を引っ捕まえて地面に擦り付けるように振り回した。


「ナメんなや!!」と地理丘乳首大学の乳首山乳首校長先生は空きをみて荒万チズオの髪を引っ捕まえて地面に何度も何度も擦り付けて揺さぶった。


乳首山乳首は荒万チズオの髪を引っ捕まえて、


荒万チズオは乳首山乳首の髪を引っ捕まえて、


蜘蛛雲苦悶は三半規管ジローの髪を引っ捕まえて、


三半規管ジローは蜘蛛雲苦悶の髪を引っ捕まえて。


4人の男が地面スレスレに頭を下げて暴れまくって格闘をしているという、まさに変てこりんで危険なカオスよこんにちはであるのであった。


なんとはしたない不様な光景であろうか。


お互いのプライドとプライドがどじょう救いとランバタを交互にエンジョイしているように荒れているのだ。


地理丘乳首大学のグラウンドの真ん中に犬のウンコが落ちていた。たぶんダルメシアンのウンコかチワワのウンコだと思う。4人の男たちは髪を引っ捕まえたまんま、犬のウンコまで早足で進んだ。


4人とも必死になってお互いの頭に、たぶん、ダルメシアンかチワワのウンコを付けようと頑張って奮闘していた。


例え頭に、たぶん、ダルメシアンかチワワのウンコが付いたとしてもティモテかチャンリンシャンで頭を洗えば大丈夫だと思いながらの奮闘であった。


グラウンドの真ん中で地面に落ちている、たぶん、ダルメシアンかチワワのウンコを付けようと争う男たちの姿は実に情けなかった。


一人は乳首に青色の超強力な洗濯バサミを挟んでいるし、一人は「ハアハアハア」と息切れをして貧血になりかかっているし、一人は退学届を改めて書き直さないといけない面倒臭さに怒りを滲ませているし、一人はえらい騒ぎになったと後悔しているがパクるからいけないんだと言い張っているしで、もうね、めちゃくちゃな思いが渦巻いる状況だった。


鳥のフンが頭に付いた場合はウンが良いから仕方がないなというレッテルで割り切る事ができるが、落ちているウンコに目掛けて頭を近付ける逆説的な行動は自然の摂理に反していると思うのだ。


その時だった。


「やめてぇ、私のためにやめてぇ」地理丘乳首大学の保健室で務めているアマンダ・サチコさんがグラウンドに来て叫んだ。


4人の男たちは一瞬止まったが、再び、たぶん、ダルメシアンかチワワのウンコに迫る勢いで頭を押し付け合った。


「やめてぇ、やめてぇ、私のためにケンカはやめてぇ。体温計を持ってきたよ。皆さんに36℃の平熱があると良いですね」とアマンダ・サチコさんは泣きながら叫んだ。


4人の男たちには立場もへったくれもなかった。無我夢中でお互いを憎み合っていた。


「なんなのよう。なんでそんなに争うのか、わかんなぁーい。私には、わかんなぁーい」とアマンダサチコさんは泣きながら叫んだ。


「私の話を聞いてよーん、お願いだから聞いてよーん」とアマンダ・サチコさんは言って体をくねらせたが誰も見向きもしなかった。


アマンダ・サチコさんは泣いた。涙に暮れて、途方に暮れた。


「本当に男って、いつまでたっても子供なんだからん」とアマンダ・サチコさんは言って踵を返した。少し歩み始めると、立ち止まり、後ろを振り返った。4人の男たちは必死になって、たぶん、シベリアンハスキー犬かセントバーナードのウンコに目掛けて頭を押し付け続けていた。


「バカ」とアマンダ・サチコさんは小さく囁くと鼻水を垂らして泣いた。





  ☆続いちゃう☆



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