壁に貼られたポスター
https://31064.mitemin.net/i781956/(作画 茂木多弥様)
(作画 ひだまりのねこ様)
(作画 七海 糸様)
(作画 茂木多弥様)
キャプテンミルクは辺りを警戒しながら素早く地下室へ続く非常階段の前に来た。周りに人気も宇宙人気もなく静まり返っていた。
キャプテン・ミルクは大股の早足で非常階段を降りていった。階段を降りるにつれて下水と獣臭がしてきた。地下室は天井には豆電球が並んでいた。壁には「バツ15の女に結婚をしてあげてね。連絡待っています。黒TEL言葉番号は『快感を得るために何度も結婚式をあげるつもり。1週間に1回は結婚式を挙げようよ』です。早く私の黒TEL言葉番号に連絡して、私をお嫁さんにしてね」と書かれたポスターが貼ってあった。
キャプテン・ミルクはしばらく階段を降りると階段を登る音がしてきた。
「ヤバい。よし壁によじ登ってやりすごそう」とキャプテン・ミルクは呟いて壁に登って様子を見た。
「はあん、どこかに、いい男がいないかしら?」と女の声が側まで来ていた。
「なんで、わたしって結婚しても直ぐに離婚するのかなぁ? もうバツ15はしんどい。出逢って直ぐに結婚したくなるのが私の悪いところかな。はあ〜、嫌になる。もうね、こんなウンコ臭い所で門番なんてしたくないわよ。出会い系の斎藤(説明しよう。50世紀ではサイトと言わずに、斎藤というのだ!!)に私の連絡先を載せたり、ポスターを作って色んなところに、あっちこっちに、街中や喫茶店にも貼ってるのにさ。あらら! 男の匂いがする。クンクンクン」とバツ15の女は鼻をヒクヒクさせて辺りを嗅ぎまわった。
「にゃおーん」とキャプテン・ミルクはキャッツの鳴き声を真似た。
「なんだ、猫ちゃんか。オス猫だな」とバツ15の女は言って階段に座り込んだ。
「あっ、黒TEL言葉番号に連絡通信が2件届いているわ! まずは1件目。えーと、なになに。『はじめまして。僕はアバズレが好きです。貴女はバツ15だとか。もの凄いアバズレですね。アバズレの中のアバズレという感じを受けました。アバズレの女王、またはアバズレ界の星。ヨッ、アバズレ! めでたいね。もし良かったらお話しませんか? 是非、貴女みたいなアバズレとお話したいです。僕の名前は赤山カラスです。黒TEL言葉番号は「貴女はアバズレですか? アバズレ大歓迎です。アバズレよ、大志を抱いてね!」です。よろしく』……。なんだコイツ? ナメてんのかよ! マキを、ソネ川マキをナメてんのかよ!」とバツ15のソネ川マキは怒鳴り散らした。
「チッ。2件目は『どーも。はじめまして。僕はマシュ・ほちるです。バツ15ですか。いやいや。なんとも。ちょっと話しませんか? 黒TEL言葉番号は「地道にやりなさいよ」です。よろしくお願い致します』
「チッ。話してみるだけにするか」とソネ川マキは言って携帯黒電話のスピーカーをオンにすると1件目の赤山カラスに連絡をした。
「はい」
「もしもし?」
「はい、どちら?」
「赤山さん?」
「はい、そうですけど」
「見ました。ソネ川マキです」
「あー、はいはい。ソネ川さん。どうもどうも。いやぁ、連絡をくれて嬉しいです」
「はじめまして。私に連絡してくれて嬉しいです。ありがとうございます」
「いえいえ。ソネ川さん、それで、あのう、どうしましたか?」
「ちょっと、話せたらと思いまして」
「あ、はいはい。どうぞどうぞ」
「私のこと、アバズレだと思っています?」
「いやいや、滅相もない。まさか連絡をくれるとは思っていなくて。言いすぎましたね」
「あ、そうだったんですか。じゃあ赤山さん、バツ15の女をどう思いますかぁ?」
「アバズレだと思っています。あっはん、しまった! 本音が! 油断してたわ」
「赤山さんの本音ではアバズレだと思っているということなんですよね?」
「うーん。はい、アバズレだと思っています。本物のアバズレ、アバズレの中のアバズレだと思っています」
「私、アバズレなのかな〜?」
「アバズレですね。ソネ川マキさんは間違いなくアバズレです。でもいつの日かアバズレじゃなくなる日が来るかもしれない」
「そういうことではないと思うんだけどな」
「アバズレでもいいじゃないですか。アバズレが好きな男だっていますよ。僕みたいな筋金入りのアバズレ好きだっています」
「アバズレ好きな男は逆に嫌いです。私はアバズレじゃないと思う。ただ、お股が緩いだけなんです」
「あのねソネ川さん、それをアバズレと言うんですよ」
「いいえ違います。私は男に甘えるのが得意で、お股が緩くて、考えるための頭や技量が足りないだけなんですぅー!」
「ソネ川さん、おめでとう。それをアバズレと言うのです」
「違います。私はアバズレじゃないです。男とみたら、直ぐ相手に結婚したいと言って、単純にお股が緩くなるだけなんです! 性欲が強すぎるだけですし、おまけにいつもムラムラしているだけなんです! 私はアバズレじゃないです!!」
「アバズレですよ! ソネ川さんは立派なアバズレです!!」
「アバズレじゃないと思うし、もっともっと結婚と離婚をしたいと思っているし」
「ソネ川さん、貴女は間違っている。結婚をなんだと思っているんですか? 何回も結婚したり離婚する事が結婚だと思っているんですか?」
「いいえ、たまたま相手に飽きて離婚しただけなんです。私だって落ち着きたい。じゃあ赤山さんに聞きますが赤山さんは結婚をどう考えているんですか?」
「結婚は人生の墓場だと思っています」
「人生の墓場? 赤山さん、それって結婚をナメてませんか? 赤山さんの方がアバズレなんじゃないかな」
「ハッキリと言わせてもらいますがね、間違いなく結婚をナメているのはバツ15のソネ川さんの方です。だが真実は結婚は人生の墓場です。人生の息の根を止めるのが結婚というシステムなんです。男にとって結婚という牢屋、または独房に、毎日毎日、お泊り会するのは地獄への旅立ちなんです。男にとって結婚は悪夢なんだな。恐ろしい。自由を失うシステムが結婚なんです。あー、結婚って恐ろしい。結婚は結構ですと言えるくらい恐ろしや」
「赤山さんって、なんだか可哀そう。私は結婚するために人生があるんだと思っています」
「ソネ川さんよ、じゃあ、あんたね、結婚は1回で落ち着きなさいよ!! このアバズレ!!」
「落ち着きたいよ! 落ち着きたいけど、なぜだか私は結婚と離婚をオセロみたいにひっくり返しちゃうんだよう! 私は白のオセロだと思う。私をナメんなよな!!」
「だからソネ川さん、貴女には結婚は無理だ。結婚は合っていないんだと思うよ」
「いやいや合ってる合ってる!! だって結婚って最初の5ヶ月は、めちゃめちゃ楽しいもん!!」
「いやソネ川さん、あなたには、もう結婚は無理だよ。だってアバズレのイカれポンチだから」
「なんだと? 赤山さんよ、結婚から逃げているあんたに言われたくないね!」
「もうアバズレ好きは今日で辞めます!! ソネ川さんを見ていたら狂いそうになってくる」
「アバズレじゃないし!! 私はアバズレじゃないし!! 絶対にアバズレじゃないしーい!!」
「ソネ川さん、あんたはアバズレだよ! アンタはイカれポンチのアバズレだよ!! アバズレよ、結婚は人生の墓場だということだけは覚えておけよ!! このアバズレ!! さよなら、結婚離婚中毒女のアバズレ!!」
「アバズレじゃないしーい!! チッ」
ソネ川マキは怒り狂って携帯黒電話を切った。
「何回、結婚したって別にいいじゃんかよ。何が結婚は人生の墓場だよ。ったく。チッ」とソネ川マキは言って2件目の相手に連絡をすることにした。
キャプテン・ミルクは思っていた。
『荒れたアバズレがアバレテいるな。このアバズレはアバズレだと自覚したがらないアバズレだな。アバズレは何処までいってもアバズレなのさ』とね。
☆続いちゃう☆
(作画 七海 糸様)




