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ご婦人たちの愛用品

  挿絵(By みてみん)

https://31064.mitemin.net/i781956/(作画 茂木多弥様)


  挿絵(By みてみん)

(作画 ひだまりのねこ様)


  挿絵(By みてみん)

 (作画 七海 糸様)


  挿絵(By みてみん)

 (作画 茂木多弥様)








「卑猥な消防、消火の仕方してさ! だからアンタみたいなロボットは分解してお陀仏にしたいんだよ!! スクラップだ!」また料理人のおばさんがしゃしゃり出てきた。


「またこのババアかよ。殺すぞ!」消防ロボットは料理人のおばさんの背中を強く押した。料理人のおばさんは倒れた。


「股間から放水だなんて! 股間から放水だなんて! セクシャルハラスメントみたいな欲望丸出しの形で放水しないでよ!」と料理人のおばさんが倒れたまま訴えた。


「ババアこそセクハラみたいに人を見やがって! 我は股間から放水をしていない! へそからだ! 我がへそ出しルックなのはへそから放水するためなんだよねーい!」と消防ロボットは返した。


「ワシも昔はへそを出しながらブレイクダンスを踊り明かしたもんさ。臭っさいデベソだったけどね。デベソを触れば御利益があると嘘こいて女をナンパしたもんさ。誰も触れなかったから悲しかったけどね」またしても警備員らしいお爺さんは目を細めて懐かしむように言ったが誰も聞いてはいなかった。


「股間よ、股間よ! 貴方は股間から放水した!」と料理人のおばさんが言い掛かりをつけてきた。


「頭にきた!!」消防ロボットは腰に手を当てると、料理人のおばさんに目掛けて、へそから放水をした。


「あわわわ、溺れるぅ!!」料理人のおばさんが倒れながら手を動かしてクロールをした。


「どうだババア! へそからの放水だろうが!」と消防ロボットは言って料理人のおばさんの顔に放水を続けた。


「見えてませんから! ききききっと、へそから放水するフリに違いないわ! けるうえいいいいいいいいいいい。ごぼぶぶぶぶぶ。股間ロボットめ! セクハラロボット!」と料理人のおばさんは口を開けて水を飲みきろうとしたが無理だった。


「ババア! お前は牢屋にブチ込むからな!」と消防ロボットは言うと料理人のおばさんを持ち上げた。


「おい、野次馬ども! 軽トラックの遺体を外に運びだせ! おい、ジジイ! おめえも遺体運びを手伝え! 手伝わないと殺すぞ!」と消防ロボットは怒鳴り散らすと料理人のおばさんを持ち上げたまま東にある非常階段を降りていった。


警備員のお爺さんは軽トラックの遺体を確認すると首を振ってうなだれた。


野次馬の2、3人が父煮・チチチチチッの遺体を運転席から引きずり出すと警備員のお爺さんとともに遺体を持ち上げてムササビ・ジュニア号の入口に向かった。キャプテン・ミルクは黙って見つめていた。


『彼女といっぱいチュウしたいんです』


『チュウしたい、チュウしたい、彼女とチュウしたいんです!』


笑顔を浮かべて話した父煮・チチチチチッの顔がキャプテンミルクの脳裏に浮かんだ。


キャプテンミルクは痛恨の極みに陥っていた。無念。まさか父煮・チチチチチッが死ぬとは思ってもみなかった。


キャプテンミルクは、これ以上、父煮・チチチチチッの亡骸が外に運ばれていくのを見たくはなかったので下を向いていた。


『ごめん、父煮・チチチチチッよ。こんな最後になるとは。本当にごめん』キャプテンミルクは鼻水をすすった。


コンコン


用務員室の台所の窓から音がした。


「うん?」


キャプテンミルクは振り返った。


なんとビックリ! 父煮・チチチチチッが笑顔で手を振っているではないか!


「生きてたの?!」とキャプテンミルクは窓を開けながら言った。


「ええ。無事です。とりあえず、死んだと見せかけないとさ。ジャム将軍にカモフラージュしないとね」と父煮・チチチチチッは満面の笑顔を浮かべていた。


「軽トラックの中にいたのは誰だ?」


「あれはリアルドールですね。僕の彼女に似たリアルドールです。通信販売で買った等身大の特注版のリアルドールなんです。名前は景子ちゃん。僕の彼女は、まな板並みにペチャパイなので、景子ちゃんには、はち切れんばかりにダイナミックなオッパイに作ってもらいました。やはり、僕はオッパイがデカイ女が好きなんです。オッパイがデカイと幸せな気持ちになりますからね。ビバ、オッパイ。オッパイよ、ありがとうって、オッパイに言いたいなぁ〜」と父煮・チチチチチッは厳粛な顔をしてオッパイを語った。


「無事で良かったよ。すぐそこに宇宙・モツァレラ・酸っぱい・スパイス・スパイ局の宇宙船が停まってるから」


「わかりました。色々とありがとうございました」と父煮・チチチチチッは言って小型の板に座ると宙に浮かんだ。


「父煮・チチチチチッよ、その板は?」


「空飛ぶまな板です。一般の主婦たちが愛用している移動手段です」


「空飛ぶまな板か。久しぶりに見たよ」


「前に物干し竿を買ってくれた主婦から頂いたものなんです」


「なるほどね。じゃあ気を付けていけよ」


「はい、キャプテン・ミルク、ありがとうございました!」


父煮・チチチチチッは笑顔を見せて手を振ると宙に舞上がった。


空飛ぶまな板は機能か優れた素晴らしい乗り物だ。体重100キロのふくよかな主婦も乗れる頑丈な作りになっている。


父煮・チチチチチッがムササビ・ジュニア号から遠ざかり洞窟の入口に出た瞬間だった。



ドゴォーン!!!!!!



父煮・チチチチチッが乗る空飛ぶまな板は何者かのミサイルにより撃墜されてしまったのだ。


「父煮・チチチチチッ!!」キャプテン・ミルクは思わず叫んだ。





   ☆続いちゃう☆





   挿絵(By みてみん)

 (作画 七海 糸様)

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