ちょんちょこ・ぷるるん・プルルルルゥー!!
https://31064.mitemin.net/i781956/(作画 茂木多弥様)
(作画 七海 糸様)
(作画 茂木多弥様)
「うえ〜ん、うおんうんおー、うおんうんおー、まさか、なつおちゃんが酷い奴だとはさ、思わんかったあーん。ふへーん」と父煮・チチチチチッは号泣していた。泣いて泣いて鼻水を垂らして泣いて泣き潰れてしまいそうな感じになっていた。
泣きたいときには泣けばいい。男だって泣けばいい。悔しかったら泣けばいい。辛かったら泣けばいい。悲しかったら泣けばいいんだ。泣きなさいよ。泣くのは悪いことじゃないよ。変じゃないよ。泣けばすべてが浄化するのだから。
泣くのを恥ずかしがってはいないかい? 泣くのをダサいとかダッセーとかダサすぎとか思い込んだりしてないかい? そんな思い込みは捨てるんだ。今すぐ捨てて泣くんだ。泣けよ、ためらわずに泣け。「キャハハ。泣いてやんの〜。男のくせにみっともなぁ〜い。ダッセー。すぐ泣く男は最低じゃん。キモっ。めっちゃ恥ずい。情けない男はママのオッパイでも吸ってろ」と女たちに言われたらな、「なんだと?! テメェ! 女の涙は汗だろうが! おまけに嘘で流す涙はお手の物のクセしてよ! ウンコみたいな汗臭い汗っかきの女たちに言われる筋合いはないわい!! ナメんな! 銭湯に行って『髪が崩れるからぁ〜、嫌』とか言って髪を洗わないで帰宅する女たちもいると聞く。不潔〜ぅ。超不潔〜ぅ! 汚〜い」と言ってやれ。言ったら女たちに総スカン食らうから。総スカンを食らったら、しめたものさ。風に向かって走り出せ! 「ワーイワーイ」と笑顔を絶やさずに風に向かって走り出せ! 「ぶーん、ぶーん、ブッブー、どけよ! コノヤロウ!! オラの道だ。邪魔すんなや! ぶーん、ぶーん」とオモチャの車で荒い運転をする3歳児の真似をしながら風に向かって走り出せ!
男ども、泣かないから精神的にパンパンになって疲労困憊になるのだよ。男ども、泣け、わめけ、そして、叫べ! 泣いたままで夜を明かせ! 泣いちゃえ、泣いちゃえ。めでたいめでたい。泣くのはめでたいのだ。
キャプテン・ミルクはちゃぶ台にうつ伏せて泣きじゃくる父煮・チチチチチッのヘルメットに手をかざした。
『いくぜ!! ちょんちょこ・ぷるるん・プルルルルゥーだい!!』と心の中で魔法を唱えた。
(説明しよう。魔法『ちょんちょこ・ぷるるん・プルルルルゥー』とは、剥がす、外す、引き離す、分けるという優しい魔法である。別れそうで別れない堕落したカップルにも効果てきめんの魔法で、直ぐに別れる事が出来る引き離しの魔法なのだ)
父煮・チチチチチッの黄色のフルフェイスヘルメットはオブラートのように消えてしまった。
「オエッ〜!!」キャプテン・ミルクは吐き気をした。
父煮・チチチチチッの頭髪はハゲ散らかしていた。髪はすだれハゲていた。すだれて散れて淫らにハゲ散らかしていた。もはや励ますことが出来ないハゲっぷり、後部に伸びるウルフカットではあったのだが、すだれハゲのウルフカットだった。すだれていては仕方ない。髪のすだれに手をやると新たな抜け毛に青ざめるという事なのだ。しかも臭い。ウンコの親分みたいに臭い。そりゃ3年間も洗ってないと臭いさ。
父煮・チチチチチッは顔をあげた。
「オエッ!!」とキャプテン・ミルクは吐きそうになった。
父煮・チチチチチッは鼻毛とヒゲともモミあげが繋がっていて、眉毛も伸びていた。
鼻くそだらけの鼻周り、目くそだらけの目の周り、涙は鼻水とランデブーだった。
「ヘルメットが取れた!! やったあ!! うん? ブルースマン、どうして吐き気が?」と父煮・チチチチチッは言った。
「異様に臭うからだ」とキャプテン・ミルクは言って鼻をつまんだ。
「用務員室にあるシャワーで頭を洗い流しなさい。ヒゲも剃りなさい」とキャプテン・ミルクは言ってシャワー室を指差した。
「でもティモテがないと洗えない」と父煮・チチチチチッは言った。
「ティモテ?」
「ティモテのシャンプーじゃないとキューティクルが」
「シャンプーはどれも同じだい!!」
「違うね、シャンプーはそれぞれに違うね!! ティモテさ、僕らは皆、ティモテです」
「シャンプーは皆同じだい!!」
「違うね! じゃあブルースマンは何のシャンプーなの?」
「ユニコーン油シャンプーだい!!」
「聞いたことがある。一度、試してみたいシャンプーではあるけどね、やっぱりティモテです」
「ユニコーン油シャンプーだい!!」
「そんなにユニコーン油シャンプーはイイの?」
「ちょっちゅねー」とキャプテン・ミルクは言った。
「ティモテよりも?」
「ちょっちゅねー」
「はちみつ入りのシャンプーよりも?」
「ちょっちゅねー」
「アミノ酸シャンプーよりもかな?」
「ちょっちゅねー」
「深海水シャンプーよりもなの?」
「ちょっちゅねー」
「シャンプー&リンスよりも?」
「ちょっちゅねー」
「湯シャンプーよりもなのかなぁ?」
「ちょっちゅねー」
「石鹸シャンプーなんかよりもか?」
「ちょっちゅねー」
「育毛剤シャンプーなんかより?」
「ちょっちゅねー」
「じゃあ無添加シャンプーより?」
「ちょっちゅねー」
「アップル入りのシャンプーよりもなの?」
「ちょっちゅねー」
「渋柿入りのシャンプーは?」
「ちょっちゅねー」
「乳製品入りのシャンプーなんかより?」
「ちょっちゅねー」
「紫外線カット入りのシャンプーより?」
「ちょっちゅねー」
「グレープフルーツ入りのシャンプーよりも?」
「ちょっちゅねー」
「ティモテでしょうが! ティモテじゃないのかな?」
「ちょっちゅねー」
「海藻エキスシャンプーは? 海藻エキスシャンプーよりもかなぁ?」
「ちょっちゅねー」
「オレンジ100%入りシャンプーよりも?」
「ちょっちゅねー」
「炭酸水シャンプーよりもなの?」
「ちょっちゅねー」
「海外のシャンプーよりも?」
「ちょっちゅねー」
「ハッカ入りのシャンプーよりも?」
「ちょっちゅねー」
「ドライヤーの熱に耐えるシャンプーよりも良いの?」
「ちょっちゅねー」
「ダメージケアのシャンプーよりも?」
「ちょっちゅねー」
「サロンシャンプーよりもか?」
「ちょっちゅねー」
「ルイボスティーシャンプーより?」
「ちょっちゅねー」
「馬油シャンプーよりも?」
「ちょっちゅねー」
「アップル100%シャンプーよりも?」
「ちょっちゅねー」
「フルーツシャンプーよりもなのか?」
「ちょっちゅねー」
「加水分解シルク入りのシャンプーよりも?」
「ちょっちゅねー」
「うるおい成分配合のシャンプーよりも?」
「ちょっちゅねー、 ちょっちゅねー、 ちょっちゅねー」
「じゃあ、今度、ユニコーン油シャンプーを使おうかな?」
「ちょっちゅねー!!」
☆続いちゃう☆
(作画 七海 糸様)




