キャプテン・ミルクは考える人さ
https://31064.mitemin.net/i781956/(作画 茂木多弥様)
(作画 七海 糸様)
(作画 茂木多弥様)
◇回想おしまいだよ◇
「という事で、僕はブリキロボットのなつおちゃんにスカウトされて宇宙・モツァレラ・酸っぱい・スパイス・スパイ局の隠密スパイ第3メランコリクター・アドベンチャー部門に入れたのです」と父煮・チチチチチッは背筋を伸ばして威厳ある声で説明を果たした。
「なるほどねぇ」とキャプテン・ミルクは目を閉じて鼻の穴に指を入れたまま考え込んでいた。
キャプテン・ミルクは沈黙った。沈黙って考えをまとめているようだ。
物事を考える時は沈黙る事に限る。ぺちゃくちゃしながらあーだこーだ言って考えているフリをする奴らはウンコなのだ。周りに言っているあいだは真剣に物事を考えてはいないんだな。沈黙る。沈黙って沈黙って沈黙るのだ。独りで考えては悩み、苦悩し、頭を振りながら否定し自問自答しながら唇を噛んでひたすら考え抜くのだ。考えて考えて考え抜くのだ。コノヤロウ、これでもかというくらいに考え抜くのだ。考えては否定し自分と対話し議論しディベートしながら己と取っ組み合い、考えては悩み、悩んでは考え抜くを繰り返すのだ。徹底的に考えてしまう事が大事なのだ。血が吹き出るまで命をかけて考え抜く事で知性や行動力が研ぎ澄まされて磨かれるのだ。何度も言うが、『感じるな! 考えろ!』なのだ。感じてばかりいたら何も出来やしない。考えるとは思考や理論や洞察力や理解力を身につけるという事なのだ。ある意味、感じるとは何もしていないのと全く同じなのだ。考えない奴が増えているから争いが起こりやすくなっているのだ。だからこそ緻密に考えて平和を起こせなのだ。無邪気なガキみたいに感じてばかりいては平和は来ない。考えろ、考えるんだ。自分と対話しながら考えろ。
キャプテン・ミルクは考えた。
「ヘルメットが取れていない訳は?」とキャプテン・ミルクは言ってヘルメットを叩いた。
「実は、なつおちゃん、3年前にお尻がショートして大爆発しましてね、ぶっ壊れたんです。木っ端微塵になった部品は、運悪く、突然来た台風によって飛び散りまして直すことは永久にできなくなりました。今はこれしか手元に残っていません」と父煮・チチチチチッは言ってポケットからブリキロボットのなつおちゃんのアンテナの先っぽを取り出した。
「このなつおちゃんの頭部にあったアンテナの先っぽは、丁度いいので、爪楊枝代わりに使って歯くそを取ってます」と父煮・チチチチチッは言ってなつおちゃんのアンテナの先っぽで自分の歯を突いた。
「ほら、さっき食べた、たこ焼きのタコです。奥歯に詰まっていてね」と父煮・チチチチチッは言ってフニャフニャのタコを見せた。
「なるほどね。なつおちゃんのアンテナが役に立つとは素晴らしい。なつおちゃんのご冥福をお祈り致します」 とキャプテン・ミルクは言って天に向かって投げキッスをした。
「素顔を晒すのは嫌かい?」とキャプテン・ミルクは言って父煮・チチチチチッのヘルメットを観察していた。
「嫌じゃないけども、ちょっと自分の顔を忘れかけているから思い出したい気持ちはありますね」
「よし、俺がヘルメットを取ってやるよ」 とキャプテン・ミルクは立ち上がってヘルメットに手を掛けた。
「えっ?! できるんですか?!」と父煮・チチチチチッは言って立ち上がった。
「多分ね」とキャプテン・ミルクは言って手のひらにツバをぶっかけるとストレッチを開始した。
その時だった!!
☆続いちゃう☆
(作画 七海 糸様)




