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https://31064.mitemin.net/i781956/(作画 茂木多弥様)
(作画 七海 糸様)
(作画 茂木多弥様)
「目が覚めるとベッドに寝かされていて体中がロープで縛られていたんだ。息苦しくてね、頭が重くてガンガンしててさ。薄暗い部屋に閉じ込められていてね、目を凝らして見てみると天井に巨大な鏡があってさ、僕の姿が見えるわけ。それでね、頭にこの黄色いフルフェイス・ヘルメットが付けられていたんだよね〜」と父煮・チチチチチッは言ってフルフェイス・ヘルメットを叩いた。
◇回想4だよん◇
「何かこの部屋ウンコ臭い。ちくしょう。あの変なおっさん、イカれてるな」と父煮・チチチチチッは言ってロープを振り解こうと激しく手足を動かした。
「おい、この野郎、やっと目覚めたのかよ!」突然、扉が開くと変なおっさんが眠ったまま歩いている変なロボットと一緒に臭い部屋に入ってきた。
「おっさん、ロープを解けよ」
「そうはいくか」
「早く解けよ!」
「お兄さんはスパイになったんだぞ。スパイらしくスパイらしい男っぷりになれ!」
「車の合宿免許に来たんだよ! 誰がスパイになんかなるかよ!」
「おい、宇宙・モツァレラ・酸っぱい・スパイス・スパイ局って知ってるかな?」
「も、もちろん知ってるよ。最高のスパイがいる有名な組織だからな」
「お兄さん、入りたくないか?」
「入れるもんなら入りたい。別格の組織で誰もが憧れているからな。おっさん、まさかモツァレラなのか?」
「モツァレラだ」
「嘘だぁー。絶対に嘘だ」
「嘘じゃない」
「おっさん、本当にモツァレラ?」
「うん、モツァレラだ」
「あの宇宙・モツァレラ・酸っぱい・スパイス・スパイ局?」
「そうだ」
「嘘っぽいな。モツァレラなのかよ?」
「モツァレラだって!!」
「じゃあ、おっさん、証拠見せろよ。本当にモツァレラならあるはず!」
「ワシが証拠だ! 本当にモツァレラなんだよ!」
「おっさん、凄く怪しいよ。モツァレラじゃないんだろう? モツァレラらしくないもん。まあ、そんなことよりも、僕は何故、フルフェイス・ヘルメットをしているんだ?」
「馬鹿野郎!」
「な、何だよ?!」
「スパイは顔が命なんだよ。顔バレしたら悪い輩に命を狙われるだろう? 目立たないように顔を隠すのが身のためなんだよ! だから黄色いフルフェイス・ヘルメットにしたんだ」
「おっさん、こっちの方がかえって目立つだろうが!!」
「確かに目立つな……。チッ。面倒臭い事をしたかもな」
「じゃあ、早く外してくれ、僕は閉所恐怖症なんだ。息苦しい!」
「ワシは外せないんだよね〜」
「おっさん、じゃあ誰が外せるんだよ?」
「ワシの隣にいらっしゃるロボットのなつおちゃんなら外せるんだ。なつおちゃんがお兄さんにフルフェイス・ヘルメットを被せたからね」
ロボットのなつおちゃんは眠りから覚めたように起動を始めるとロボットダンスをした。
「おにいさんのあたまにへるめっとをつけたのぼくちんだ。ぼくちんのなまえはやまおかなつおちゃんだ。おにいさんはすぱいになりたいんだろう?」ロボットのなつおちゃんはぎこちなく動きながら言った。
「なりたくない!」
「やせがまんするなよな。すぱいになりたいんだろう?」
「なりたくないんだ!」
「じゃあ、なにになりたいの? いってよ。おにいさんのちからになるよ」
「コラコラ、なつおちゃん! 話を脱線させるな!」と変なおっさんは言ってロボットのなつおちゃんの頭を力任せに何度も殴った。
「痛い!! ガガガガガガギギギギギギ、ガバ」となつおちゃんはバグってしまうと床に座り込んで全く動かなくなり頭から紫色の煙が吹き出てきた。
「あっ?! なつおちゃん、ヤバいわ!! 壊れたわ!!」と変なおっさんは叫ぶとロボットのなつおちゃんの背中を開けて配線やらメカやらを直せないのに直しているフリを20分間も続けた。
「ガガガガガガガ」と一瞬ロボットのなつおちゃんは言うと再び頭から紫色の煙を出してビクともしなくなった。
☆続いちゃう☆
(作画 七海 糸様)




