キャプテン・ミルクの優しさ
https://31064.mitemin.net/i781956/(作画 茂木多弥様)
(作画 七海 糸様)
「先に一瓶600mlの牛乳を5本、飲んだら勝ちだ。分かったか! 椎茸ジョンヌードクロッキーよ!」と小田原チチンは言って学ランの上着を脱いでTシャツ1枚になった。Tシャツには『あと1回だけやらして』という文字が書かれていた。
「ではヘルニア卓也ちゃん、スタートの合図を出してくれよ」と椎茸ジョンヌードクロッキーは言って牛乳瓶を掴むと目を閉ざした。
「いくわよ。よーい、ドーン!!」
恐るべきことが起きた。椎茸ジョンヌードクロッキーは、まず左手で一瓶を掴んで鼻から牛乳を飲み出すと、もう一瓶を右手に持ち口から牛乳を飲んでいった。鼻の穴から飲むとは、まさに神業とはこのことだ。小田原チチンは驚きを隠せなかった。
『マジかよ?! とんでもねぇなぁ。牛乳を鼻の穴から飲むとはな。すげぇ奴だぜ。頑張れよな、椎茸ジョンヌードクロッキーよ』と小田原チチンは何故か心の中で椎茸ジョンヌードクロッキーを応援している事に気付いていた。
「牛乳に愛されている男は俺の方だ!」と椎茸ジョンヌードクロッキーは叫ぶと3本のうち2本を両方の鼻の穴にブチ込んで飲みだした。
「椎茸ジョンヌードクロッキーくんって、凄くナウい! ナウいよー!」とヘルニア卓也ちゃんは声援を送った。
まだ1本目の牛乳で、あたふたしている小田原チチンは負けを認めざるおえなかった。
最後の1本を手にした椎茸ジョンヌードクロッキーは左の耳に牛乳瓶を押し当てた。
「なに?!」と小田原チチンは叫んだ。
「えっ?!」とヘルニア卓也ちゃんも口を押さえて叫んだ。
「牛乳が好きだ!」と椎茸ジョンヌードクロッキーは言うと左耳で牛乳を飲んでいく。美味しそうな顔をして左耳で牛乳を飲んでいく。
「ス、ス、スゴいじゃん。耳から牛乳を飲むなんてスゴいじゃん!!」と小田原チチンは言った。小田原チチンは、まだ1本も牛乳を飲んではいなかった。
耳から牛乳を飲み干した椎茸ジョンヌードクロッキーは小田原チチンの残り4本の牛乳を奪い取ると2本を鼻の穴にブチ込んで飲み干し、残り2本を目薬のように目に当てて目から牛乳を飲んでいった。美味しそうな顔をして目から牛乳を飲んでいく。目は牛乳で真っ白になっていく。ゴクゴクと音を立てて目から牛乳を飲み干してしまう。
「俺はな牛乳が好きさ!! でもな、でもな、でもよう、俺は牛乳よりもヘルニア卓也ちゃんの方が1番好きなのさ!!」と椎茸ジョンヌードクロッキーは求愛をしたのであった。
ヘルニア卓也ちゃんは咳き込みながら驚くと、いつもよりデンジャラスにチアダンスを激しめに踊って応援のボルテージを上げていった。
小田原チチンの完敗だった。小田原チチンは何も言わずに教室から出ていくしかなかった。
「ざまみろ! 俺の方だ牛乳が好きだし牛乳に愛されているんだ! ははははは! 桜は満開との事です!」と椎茸ジョンヌードクロッキーが勝利宣言と桜開花宣言を言うとヘルニア卓也ちゃんを抱きしめた。
「痛いよう」とヘルニア卓也ちゃんは言って受け入れると椎茸ジョンヌードクロッキーの頬に優しさいっぱいのキスをした。
「ははははは。ありがとう」と椎茸ジョンヌードクロッキーは言ってヘルニア卓也ちゃんをお姫様抱っこしながら教室を出ていき近くにある公園の砂場まで運んだ。
「椎茸ジョンヌードクロッキーくん、こんなところに連れてきて何をするつもりなの?」
「二人でさ砂の城を作ろうよ。壊れない砂の城をさ」
「うん!!」
☆回想が終わりだお☆
「という事が3年前にありました」とヘルニア卓也ちゃんは泣きながら話していた。
「素敵な思い出を話してくれてありがとうございます」とキャプテン・ミルクは御礼を言った。
「でも、特に悲観的な話ではないように思うのですが」とキャプテン・ミルクは付け加えた。
「フクラハギさとしさん、実は、牛乳対決の後に椎茸ジョンヌードクロッキーくんは、突然、北に引っ越して私の前から消えてしまったんです」
「そうだったんですか」
「引越し先も言わずに消えてしまいました」
「ヘルニア卓也ちゃん、辛いですね。好きな人との別れはね」
「だから、牛乳を見ると鼻から牛乳を飲んだ椎茸ジョンヌードクロッキーくん、耳から牛乳を飲んだ椎茸ジョンヌードクロッキーくん、目から牛乳を飲んだ椎茸ジョンヌードクロッキーの輝いた姿を思い出してばかりで、ずっと寂しくて辛くて牛乳を避けてきました」
「分かりました。ヘルニア卓也ちゃん、残念ながら、今回の面接は不合格とさせていただきます」
「えっ?!」
「理由は牛乳に対してのフラストレーションです。ただし、1つ話があります。ヘルニア卓也ちゃんはスパイに興味がありますか?」
「あります!! 峰不二子に憧れてます!」
「宇宙・モツァレラ・酸っぱい・スパイス・スパイ局って知ってますか?」
「知ってます、知ってます。アマゾネス的な女ばかりのスパイもいるとか」
「ヘルニア卓也ちゃん、私が推薦状を書きます」
「えーっ、良いんですか?」
「明日からヘルニア卓也ちゃんはスパイだ!」
「私が?! 無名の私がスパイに?!」
「ヘルニア卓也ちゃん、頑張ってくださいね!」
「はい、頑張ってスパイになって不倫関係の問題を解決するスパイになります!」
ヘルニア卓也ちゃんは頭を下げると用務員室から出ていった。
☆続いちゃう☆
(作画 七海 糸様)




