キャプテン・ミルクは話を聞いた
https://31064.mitemin.net/i781956/(作画 茂木多弥様)
(作画 七海 糸様)
「私、3年前の15歳の時に好きな男の子がいたんです。隣の席に座る椎茸ジョンヌードクロッキーくん。椎茸ジョンヌードクロッキーくんは将来ミュージシャンになって宇宙を旅するのが夢って、いつも話していました。ある日、朝早くに教室に行ったら椎茸ジョンヌードクロッキーくんが牛乳を飲んでいたんです」
☆回想だおっ☆
「椎茸ジョンヌードクロッキーくん、朝から牛乳ってナウいじゃん」
「ありがとう。僕は牛乳が好きでね、いつでも牛乳を飲めるようにしているんだ。ほら」
椎茸ジョンヌードクロッキーくんは学生冷凍カバンを開けてみせた。中には牛乳とチーズ蒸しパンがいっぱいあった。
「すごーい。本物の牛乳好きじゃんかよう。ナウいね」
「ありがとう。牛乳を飲んでから精神的に落ち着いたし髪も増えたしさ。牛乳のおかげさ」
椎茸ジョンヌードクロッキーくんは2本目の牛乳を飲み始めた。椎茸ジョンヌードクロッキーくんは腰に手を当てて牛乳を飲むスタイルを堅持。
「ヘルニア卓也ちゃんも牛乳を飲みなよな。心拍数が下がるし、呼吸も穏やかになるし。何よりも精神的に落ち着く事が出来る素晴らしい飲み物さ。牛乳を飲むと心臓病の予防になって長生きできるという論文もあるんだぜ」
「ナウいじゃん。牛乳ってナウいじゃんかよう。実は私も牛乳が大好きでさ、毎日牛乳を飲んでいるよ。ナウいでしょ?」
「ナウいよ! ナウいじゃん! なんだよ、そうだったのかい? ナウいなぁ! あはははは。牛乳って美味いよな。あはははは。あはははは。あはははは。あはははは」
「うん、美味いよね。あはははは」
その時だった!!!!
突然、教室の扉が開いたのだ。そこには3年8組の不良、番長の小田原チチンくんがいた。
「おい、椎茸ジョンヌードクロッキーよ、何、イチャイチャしてんだ?」
「チチン、何だ貴様!」
「ヘルニア卓也ちゃんから離れろよ!!」
「うるさい! 不良め」
「何だとテメェ! 俺をナメると痛い目に合うぜ!」
小田原チチンくんは持っていたカバンの中から牛乳を取り出して一気に飲み干した。
「プハァー。牛乳はうめぇなぁ。俺は牛乳に感謝してる」と小田原チチンは言って牛乳を飲み続けた。
「感謝だと? フッ」
「椎茸ジョンヌードクロッキー、テメェコラ! 今よ鼻で笑ったよな!! 俺を鼻で笑うのはいいけどもよ、牛乳を鼻で笑うのはやめてくださいませんか!!」
「何言ってんだコイツ」
「とにかくよう、ヘルニア卓也ちゃんから離れろよな」
「あーっ、お前、ヘルニア卓也ちゃんが好きなんだろう? このスケベ野郎!」椎茸ジョンヌードクロッキーは二本目の牛乳を飲み干した。
「テメェこの野郎、この野郎、テメェ! テメェこの野郎! おいテメェこの野郎! な、な、な、な、な、な、ナメんなや!!」
「好きなんだろう?」
「テメェこの野郎!」
「すみません、話の途中に。私は小田原チチンくんなんか大嫌いです。頭の悪い馬鹿な不良だから大嫌いです」とヘルニア卓也ちゃんはプンスカプンスカしながら断固拒否を発表した。
小田原チチンは目を見開いて床にひざまついた。
確かに小田原チチンは昨日の数学のテストは2点だったし1週間前の中間テスト5教科500満点中、13点だった。小田原チチンは、めっちゃ頭は悪いがハスキーボイスを持っていて合唱部に入部しているし、謎の部活、僕部にも入部していた。僕部では都内の大会で優勝もしている優れた技術を持っていた。馬鹿だけど自分の居場所を見つけていた。(僕部についてですが、蒼井真之介さんの短編小説にそれとなく、少しばかり触れています)
「ヘルニア卓也ちゃん、なんでそんなことを言うのよ」小田原チチンは泣きじゃくった。
「いきなり大嫌いって言われたらさ。辛いじゃん」と小田原チチンは涙が混じった鼻水を飲みながら泣いていた。
「俺のことを知らないくせに大嫌いなんて侮辱罪だよ。なんか頭にきた。おい、椎茸ジョンヌードクロッキーよ、俺と牛乳の飲み比べをしようぜ。勝ったほうがヘルニア卓也ちゃんの彼氏だ!! 俺はな、牛乳に愛されているんだ」と小田原チチンは言ってカバンの中からガラス瓶の牛乳を5本出した。
「受けて立つ!!」と椎茸ジョンヌードクロッキーは叫んで学生冷凍カバンの中から同じくガラス瓶の牛乳を5本出して机の上に並べて置いた。
「頑張ってね、椎茸ジョンヌードクロッキーくん。ファイト」とヘルニア卓也ちゃんは言って激しいチアダンスを披露した。
「クソ」と小田原チチンは言って椎茸ジョンヌードクロッキーを睨んだ。
☆続いちゃう☆
(作画 七海 糸様)




