キャプテン・ミルクはナウいじゃん
https://31064.mitemin.net/i781956/(作画 茂木多弥様)
(作画 ひだまりのねこ様)
(作画 七海 糸様)
(作画 茂木多弥様)
「加奈子ちゃんがさあ! 加奈子ちゃんがさあ! あははは……」フクラハギさとしは恐怖のあまり、引きつった笑い声をあげると、ちゃぶ台から出てきて部屋の中を怯えながら見回した。
「加奈子ちゃんを心配するならば全て話してしまいなさい。迷わずに言えば楽になるんだからさ」
「了解。でね、加奈子ちゃんがね、あは、あは、あははは……。ヒィーッ!!」
「フクラハギさとし、怖がるなよ!!」
「分かってるよう!」
「分かってるなら話そ」
「うん!」
「よし、フクラハギさとしなら頑張って話せ」
「うん! でね、加奈子ちゃんがね、母親、茉莉子さんと一緒にお婆ちゃんと友人のトメさんがいる病院に駆け付けたんだけどね、母親の茉莉子さんがちょっと目を離した空きに加奈子ちゃんが独りで病院内を探検することにしたんだよ」
「フクラハギさとしさんよ、探検が得意なチョーさんみたいな雰囲気で楽しく探検したのかい?」
「チョーさん? 誰それ? よく分からないけども、たぶん、まあ、そんな感じだろうね。でね、加奈子ちゃんが非常階段で4階まで行く途中、3階の階段に座り込む女性がいたんだよ。女性は肩で息をしていて、とても苦しそうだ。加奈子ちゃんは『大丈夫?』と女性に聞いたら『一緒に、わたしと一緒、死んでくれない!!』と女性は絶叫して加奈子ちゃんの髪を掴もうとしたんです! 加奈子ちゃんは慌てて階段を駆け上がると後ろから『待ってよ! 一緒に死のうよ。わたし独りじゃ寂しいからさ。ねぇ、一緒に死のう。わたしの彼が悪いんだ! わたしを裏切ったから。彼を困らせてやる!! 幸治を恨んでやるから!! わたしが死ねば困るはず!!』と叫びながら加奈子ちゃんを追い掛けてきたんです。加奈子ちゃんは走って走って8階に着くと扉を開けてナースステーションまで走っていったんです。しかし、看護師は誰一人いませんでした。加奈子ちゃんは仕方なくナースステーションを出ると奥にある女子トイレまで走りました。8階は産婦人科になっています。加奈子ちゃんは静かにトイレに入ると1番奥の個室トイレに入り隠れました」フクラハギさとしは夢中になって話していた。
「加奈子ちゃんは呼吸を整えるのに必死でした。あのキチガイ地味た女がいつトイレに来るか分からない状態です。加奈子ちゃんは震えながらしゃがみ込んだところ、『ギィーーー』と女子トイレの扉が開く音を聞きました。加奈子ちゃんはパニックになる寸前でした。『ねぇ、わたしのことが好き? ウフフフ。ねぇ幸治。わたしのことが好き? 死ね幸治! 死んでくれ幸治! わたしがあんたを殺してやる!』と女は喚き散らして女子トイレの中を行ったり来たりした。女は我に返ると『ごめんなさい。許してね』と言うと持っていた果物ナイフで自分の手首を切ってしまったんです!」フクラハギさとしは汗だくになりながら話していた。
「うーん」キャプテン・ミルクは黙って聞いていた。
「床一面、女の血でいっぱいになると、女は仰向けに倒れて動かなくなってしまった。加奈子ちゃんはトイレから出るに出れなくて困り果てていた。『やだ。血が溢れてる。ウフフフ。わたし死ぬの? ウフフフ。全部、幸治が悪いんだよ。あんたが浮気するからいけないんだ。わたしが死ねば幸治は悲しむはず。ウフフフ。幸治、愛してる』と女は言うと再び持っていた果物ナイフで自分のお腹を何度も何度も刺した。『ウフフフ、ウフフフ』と女は笑いながら自分を刺し続けていた。加奈子ちゃんはスキを狙って個室から出ると急いで走って女子トイレから出ようとした。キチガイ地味た女は加奈子ちゃんの足首を掴んだ。加奈子ちゃんは滑って転んでしまう。倒れた女は加奈子ちゃんの首を果物ナイフで一突きしてしまう。加奈子ちゃんは即死でした。キチガイ地味た女はよろめいて立ち上がると、ゆっくりとした動きで女子トイレから出ていき8階のナースステーションまで歩いていったんです」フクラハギさとし目は血走っていた。
「うーむ」キャプテン・ミルクはうなだれた。
「問題はここからなんですよ。加奈子ちゃんが亡くなると同時に8階にいる新生児たち20人が次々と亡くなってしまったんですよ。ナースステーションに勤務している看護師7人も突然死をしてしまう。キチガイ地味た女は目の前で死んでいく看護師に驚くとエレベーターに乗って1階まで行こうとしたんですが、何故かエレベーターは来ずに動かなかったんです。血まみれで座り込んだ女は果物ナイフを放り投げると女子トイレを見つめました。加奈子ちゃん以外、誰もいないはずの女子トイレの扉が勝手に開くと女子トイレの中から泣き声が聞こえてきたんです。キチガイ地味た女はその泣き声に耳を澄ました。キチガイ地味た女は突然目を剥き出すと首を押さえて死んでしまったんです!」フクラハギさとしは一気に話したので肩で息をしていた。
「うーん」キャプテン・ミルクは目を閉じて聞いていた。
「加奈子ちゃんの母親、茉莉子さんも、お婆ちゃんも、お婆ちゃんの友達のトメさんも病院内で急死してしまう。病院で勤めていた先生方も全員、急死してしまうし、入院していた患者さんも全員急死してしまう。火の気か無いのに病院から火が上がり燃え盛ると消防車が30台も来て消火活動にあたりました。火は5時間後に消化されました。消防隊員の一人が加奈子ちゃんの遺体を見つけると加奈子ちゃんの右手を見ました。加奈子ちゃんの右手には家のゴミ箱に捨てたはずの人形の首かあったんです」フクラハギさとしは辺りを警戒しながら見た。
「うーん」とキャプテン・ミルクは唸る。
「加奈子ちゃんの死が多数の死を呼ぶ形になったのか? それとも人形に原因があるのか? キチガイ地味た女のヒステリーによるものか? 20年前に起こった謎の事件として今も語り継がれています。これを「加奈子の呪い」と言われています。追記です。加奈子ちゃんの写真を見ると急死になる事例が現在も続いていて、決して加奈子ちゃんの写真を見てはいけないという法律まであるのです」とフクラハギさとしは言った。フクラハギさとしは立ち上がると本棚に行き1冊を取り出すとページを開いた。フクラハギさとしは本を開いたままちゃぶ台の上に載せるとキャプテン・ミルクに見せた。
「この本、『心霊写真集 恐怖のおばけ大百科』に出ている女の子の写真なんですが、この子が、加奈子ちゃんなんです!! あーっ!!!! この写真を見てから僕はおかしいというか、変な事が続いていて大変困っています!! あーっ!!!!」とフクラハギさとしは絶叫した。
キャプテン・ミルクは黙って女の子の写真を見た。
「可愛いじゃん。可愛ゆ〜い。可愛ゆい、ゆい、ゆい。可愛ゆいゆいだね! 可愛子ちゃんチキ、ぷんぷんピョーンだよ。可愛さが、ちょんちょこプルルン・プルルルルーンだよ。可愛子ちゃんだな。実に美形で可愛い女の子だ。俺は何も怖くないぞ。不憫な死に方をした加奈子ちゃんを弔うべきじゃないのかよ! えっ、この野郎!! 変に加奈子ちゃんを怖がるなよ!! 無闇やたらに加奈子ちゃんを侮辱するな!! 加奈子ちゃんに謝れ!! おい、フクラハギさとし、加奈子ちゃんに謝れよ!! テメェ、ナメんなハゲ!! 4歳の女の子の人生を祝福してあげろ!! ナメんなハゲ!! 頑張って4歳まで生きたんだぞ!! 加奈子ちゃんは悪くない!! 悪いのはキチガイ女と加奈子ちゃんを侮辱する一般大衆だ!! フクラハギさとし、加奈子ちゃんに謝れ!! ナメんなバカ野郎のハゲ野郎!! 今、俺はお前にムカつく!!」とキャプテン・ミルクは言って加奈子ちゃんの写真に優しくキスをした後にフクラハギさとしを、それなりの強さで殴った。
フクラハギさとしは鼻血と口から血を出して驚愕していた。ただただ、驚愕していた。『な、な、な、な、なんだコイツは?! スゲェ奴だ!! コイツはヤバイ奴だ。一体コイツはなんなんだよ?! マジでコイツはヤバイ奴だわ』と思いながら驚愕していました。
☆続いちゃう☆
(作画 七海 糸様)




