キャプテン・ミルクの技量
https://31064.mitemin.net/i781956/(作画 茂木多弥様)
(作画 ひだまりのねこ様)
(作画 七海 糸様)
(作画 茂木多弥様)
キャプテン・ミルクはバッテラを右手に持ってファンタジー・ドラゴン号から出てきた。
キャプテン・ミルクは、ほふく前進を止めて忍び足でジャム将軍が潜む洞窟へ向かうことにした。途中で横たわって寝ているカラマリヤスイ・チンゲイル川上を通り過ぎて行き、キャプテン・ミルクが自らジャム将軍がいるムササビ・ジュニア号へと忍び足を続けた。
キャプテン・ミルクの忍び足は速かった。とんでもない速さ、とてつもない忍び足だった。ほとんどつま先立ちで歩く忍び足なのだ。たまに両足の小指だけを立てて歩いたり、かかとだけで弾むような足取りで忍び足をしてみたりと立派に足を駆使した忍び足なのだった。忍び足を極めているのも凄いよな。さすがキャプテン・ミルクだ。
キャプテン・ミルクは戦う男の武器として己の超身体能力、魔法、武術とバッテラのみだった。右手にバッテラを鷲掴みしつつバッテラが崩れないように柔らかな持ち方をして、忍び足で行動しているのだ。
たかがバッテラ、されどバッテラ。日本人の皆が大好物のバッテラに敬意を示すキャプテン・ミルクだ。バッテラなくして鯖寿司なし。本来ならバッテラと鯖寿司のコラボレーションだってありえたはずだ。バッテラのバッテラによるバッテラのバッテラがバッテラでバッテラだったからバッテラなんだ、ということなんだと思うんだよね。つまりだ、余計なことはしないでジャム将軍が苦手だというバッテラだけに的を絞るという事なのだ。鯖寿司がバッテラに似ているからと言って念の為のオプションとして鯖寿司を合わせ持つのは常識はずれだ。
戦地にバッテラだけを持って戦ったって良いということなのだ。殺傷力のある武器を持つのではなく、己の体と精神とバッテラなのだ。肉弾戦、タイマン、メンチを切る。これが男と男の本来の戦の姿なのだ。
バッテラに希望を掛けて、バッテラに未来を掛けてキャプテン・ミルクは行動しているのだ。
ありがとう、バッテラ。バッテラよ、ジャム将軍の嫌いな食べ物であってくれてありがとう。ちなみにキャプテン・ミルクはバッテラが大好きだし、日本人のほとんどがバッテラが好きなのだ。だからバッテラよ、悲しまないでおくれよ。なぁ、バッテラよ。美味しいバッテラよ。ちみは悪くない。ちみは美味い。バッテラ協会の名誉のためにフォローします。悪いのはバッテラ嫌いのジャム将軍なのだ。こんなに美味しいバッテラを嫌いだなんてさ。ジャム将軍の馬鹿野郎!
キャプテン・ミルクは洞窟の中へとズンズンズンズン進んでいった。
鉛色のムササビ・ジュニア号が目の前に現れた。なかなかの大きさだったのでキャプテン・ミルクはちょっと驚いた。ムササビ・ジュニア号は紫の煙を放出しながら着陸していた。シューシュー、ハアーンハアーンと変質者の荒い呼吸音に似たようなものが絶えず鳴り響く。
キャプテン・ミルクはムササビ・ジュニア号の入り口を後部にあるのを発見した。
入り口には1人だけ門番がいた。
背丈は3メートルほど、全体的に筋肉質な若者が行ったり来たりしながら無表情でいた。武器類は持っていなかった。
キャプテン・ミルクは足元にある石を手にすると門番の後ろ側に目掛けて投げつけた。石は門番の後方、5メートル後ろに転がった。
門番は物音に気付くと石が落ちた場所まで、小走りした。
ガッツリと入り口が開いたのでキャプテン・ミルクは全速力で走ってムササビ・ジュニア号の内部へと侵入する事に成功すると入り口の壁にある開閉のボタンを押した。
「あっ、ちょっと止めて止めて」と外から門番の声が聞こえたがムササビ・ジュニア号の、ぶ厚い扉は閉まった。
キャプテン・ミルク、ムササビ・ジュニア号の侵入、おめでとうございました。
☆続いちゃう☆
(作画 七海 糸様)




