キャプテン・ミルクは、若干、吹きたくはなっていた
https://31064.mitemin.net/i781956/(作画 茂木多弥様)
(作画 ひだまりのねこ様)
(作画 七海 糸様)
(作画 茂木多弥様)
キャプテン・ミルクが色々と考えている最中にだ。突然にだったのだ。突然にだ、キャプテン・ミルクにテレパシーが届いたのだ。キャプテン・ミルクは少しだけ警戒しながらテレパシーに出てみた。
『あ、あの〜う、キャプテン・ミルク?』
『はい、どちらさん?』
『すみません、ブルーグラス由美子95歳です。何度も何度もすみません』
『あらまあーっ、またまた急に。で、どうしたんですか?』
『ちょっと、今、大丈夫かしらね? 相談に乗ってほしくって』
『少しだけなら大丈夫ですよ』
『相談に乗ってほしくって、ほしくって。またまたテレパシーしてしまった事をお許しくださいね。めんどくさい女だと思ってませんか?』
『全然、全然。構いませんよ。大丈夫です。どうしましたか?』
『95歳でも分からなくて。どうして人は恋をするのかしらって事を教えて欲しくって、欲しくって』
『あははは。なんだい、そんな事を聞きたかったんですか?』
『はい。95歳でも恋って不思議な感じだし、不可解だし、「?」的な事がありずきだし、謎だし、恋の世界を教えて欲しくって欲しくって』
『ブルーグラス由美子さんよ、人はね、恋するために愛するために生まれてきたから恋愛をするんだよ』
『ワ〜オッ! ワオッワオッ! そんな答えを求めてました! ワオッ! カッコいい! カッコいい答えに参りましたよ。カッケー! キャプテン・ミルクはロマンティックなんですね〜』
『あはははは。じゃあ、失礼しますね』
『待ってくださいまし! ちょっとだけ待ってくださいまし!』
『な、なんですか?』
『今から好きな男子に遂に告白してきます!』
『おーっ、スゴイ! 頑張ってくださいよ!!』
『ありがとうございます! 95歳の生娘ですが、ようやくattention, pleaseです。離陸する時が来たようです。キャプテン・ミルク、私を勇気づけてほしくって、ほしくって』
『頑張ってくださいだね。頑張ってとしか言えませんので頑張ってくださいよ!』
『ありがとうございます。行ってきます。……。あのう……、でも、なんだか。ごめんなさい。やっぱり、急激に自信がなくってしまいました。やっぱり告白は止めようかなぁ〜?』
『頑張ってみてよ』
『やっぱり、告白は止めます。だって私は95歳ですから』
『おいおいおいおい!! お前よう、だまらっしゃい!! そこの生娘!! ナメんなよな!! 黙れ!! 諦めるのかよ? 95歳だからってよ、諦めるのかよ? えっ!! コノヤロウ!!』
『えっ?! キャ、キャ、キャプテン・ミルク、お、怒ってます?』
『怒ってないよ!! クソッ!! ナメんなやな!! 全然、本当に怒ってないよ!! ナメんな!! 怒ってない!!』
『いやいや、テレパシーの声がデカイしさ。怒ってますよねぇ?!』
『怒ってないよ!! 全然、怒ってないよ!! チッ!! 腹立つ!! ナメやがってよ!! イライラする。全然、怒ってないよーっ!! チッ!!』
『キャプテン・ミルク、今、怒って舌打ちしませんでしたか?』
『怒ってないよ!! ちょっと縦笛したくなったからタンギングしただけだよ!!』
『今ですか? 今縦笛したいと? で、タ、タ、タンギングですか?』
『そうそう!! タンギング、タンギング!! 正式なタンギングだよ!! 本当はさ、タンギングしながらクラリネットだってしたい気分なんだよ!! 今は縦笛とクラリネットでタンギングを駆使してエーデルワイスを吹きたいんだよね!! ミ〜ソ〜ドってね!! 他にはパッキャラマオってな感じかな!! 怒ってないよ!! コノヤロウ!! 全く怒ってないよ!! チッ!! ほら出た、これがタンギングです!!』
『告白止めとこうかな?』
『ブルーグラス由美子さんよ、あんた後悔するよ。今、あんたは俺に気持ちを公開したけど後悔するよ』
『私、怖いのよ!!!! キョエ〜!! フラれちゃったら、立ち直れないじゃんかよ!! 怖いのよー!! キョエ〜〜〜〜〜ッ!!』
『ブルーグラス由美子さん、あんた、今、発狂したよね? 間違いなく怒ってますよね?』
『怒ってないよ!! キョエ〜〜〜〜〜ッ!! キャプテン・ミルクこそ怒ってますよね? キョエ〜〜〜〜〜ッ!!』
『怒ってないよ!! 怒ってないよ!! 怒ってないよ!! ナメんなよな!! チッ!!』
『キャプテン・ミルク、タンギングなんて舌打ちのカモフラージュでしょうが!! 私も怒ってないよ!! キョエ〜!!』
『俺も怒ってないよ!! チッ!! 結局は発狂してるくせに発狂してないなんて言っちゃってさ、発狂したのにしてないというグレーなカモフラージュじゃんかよ!!』
『私、ちょっとは発狂したかもしれません。荒れた私を見てほしくなくて、発狂はしていないという言い訳があったかもしれない……。じゃあ、もういいです。キャプテン・ミルク、ありがとうございます!』
『ブルーグラス由美子さん、こちらこそありがとうございました! あっ、そうだ、ブルーグラス由美子さん?』
『何ですか?』
『バッテラありますか?』
『バッテラですか? そう言えば。確か賞味期限切れのバッテラなら冷蔵庫にあったような気が……』
『あっ!! 賞味期限切れのバッテラでも大丈夫です!! ください!!』
『わ、わかりました。ちょっと冷蔵庫に行ってきますので』
ブルーグラス由美子は冷蔵庫に向かって、よろめきながら歩いた。ブルーグラス由美子の冷蔵庫はフロンガス使用の年季のある冷蔵庫だった。フロンガスを交換しながら85年も使っちゃってきていたのだ。
『キャプテン・ミルク、すみませんでした』
『どうしましたか?』
『バッテラじゃなくて、カレイの煮付けでした』
『ズコ〜ッ!!』
☆続いちゃう☆
(作画 七海 糸様)




