キャプテン・ミルクはひたすら待つ
https://31064.mitemin.net/i781956/(作画 茂木多弥様)
(作画 ひだまりのねこ様)
(作画 七海 糸様)
(作画 茂木多弥様)
待ちわびたテレパシー、最初に返事が来たのは麻酔順ざぶ郎だった。
『もしもし? キャプテン・ミルク? 麻酔順ざぶ郎だよ』
『ウンコお疲れ様だい』
『ありがとう。で、話って何だよ?』
『バッテラが欲しいんだがバッテラはあるか?』
『あちゃちゃ、キャプテン・ミルク、ごめん。今はないな。バッテラはないわ』
『なんだと?! バッテラカレーのくせに! バッテラが専門のクセにバッテラが無いなんてよ! はしたない奴だな、お前って奴はよう!』
『あと2時間したら新鮮なバッテラが届くよ。今こちらは深夜の1時だよ』
『そうか時差だもんな。時差を忘れてたわ。いずれにしても今お前の手元にバッテラがないなら諦めるよ。麻酔順ざぶ郎よ、他にバッテラがありそうな料理人か宇宙人がいたら教えてくれないかな?』
『いるにはいるけどもさ、同業者ってのはさ、表向きはニコやかに接するけれどもさ、腹の中では一物を抱えているもんだからね』
『まあ、そりゃそうだろうな。ライバル心、対抗心ってやつはあるだろうからな。分かったよ。ありがとうな』
『キャプテン・ミルクよ、直ぐにバッテラが必要なのか?』
『大至急なんだ』
『キャプテン・ミルク、別にバッテラにこだわらなくてもいいんじゃないの?』
『今は特にバッテラにこだわる時なんだ』
『キャプテン・ミルクよ、バッテラ以外に目を向けたらどうだろうか?』
『今はひたすらバッテラだけに集中したい』
『バッテラの他に、いくら、ホタテ、鮭なんてのもあるし、シーラカンス、プレシオサウルス、クッシー、ネッシー、モーケレムベンベ、チャンプ、ステゴザウルス、プテラノドンなんかもは揃ってるよ。プテラノドンは入ったばかりだから新鮮で美味いよ』
『バッテラなんだい!! 今、1番必要なのはバッテラなんだい!! バッテラだい!! バッテラが欲しいんだい!!』
『キャプテン・ミルク、そこまで駄々こねてどうしたのよ? 珍しいな。バッテラよりもプテラノドンの方が高級なんだよ。バッテラはいつでも食えるけどプテラノドンの寿司はさ、なかなか手に入らないんだよ』
『バッテラだけで大丈夫だ。他はいらん!! プテラノドンの寿司は後日頂きます!!』
『キャプテン・ミルクよ、なんでそこまでバッテラにこだわるのよ? 訳があるなら言えよ』
『言う必要はない。とにかく、バッテラだ。バッテラだけだ』
『キャプテン・ミルク、助けが必要なら言えよな! 水臭い奴だな!』
『麻酔順ざぶ郎、バッテラだけで助けは十分だい。誠に感謝致します! ありがとうございましたで、ありがとうございますだい!! ありがとうっていう素敵な言葉を君に捧げる!!』
『そ、そうかい。捧げられたら、とりあえず、分かったよ。他にバッテラがありそうな奴がいればなぁ〜。弱ったなぁ〜。うーん。キャプテン・ミルク、一応、色々と知り合いに当たってみるよ。またテレパシーするから。期待しないで待ってくれよ』
『それはありがたいね。頼むよ』
キャプテン・ミルクはテレパシーを終えると自分の知りえる範囲でバッテラがありそうな人や場所を考えてみた。
『俺の母親はどうだろうか? いやいやちょっと待てよ、待て。また捕まると過保護にされるからな。うちの母親は息子から自立しない母親だからな。いつも8歳児くらいに扱われるから止めとこう』とキャプテン・ミルクは頭を振ってファンキーでめちゃくちゃ明るいイカれた母親のスマイルを打ち消した。
☆続いちゃう☆
(作画 七海 糸様)




