父っぽいよ
https://31064.mitemin.net/i781956/(作画 茂木多弥様)
(作画 ひだまりのねこ様)
(作画 七海 糸様)
(作画 茂木多弥様)
『蒼山ラブレターさん、何かに気付いたっぽいですね』
『なんとなくなんですけどね』
『蒼山ラブレターさん、その、なんとなくを言ってごらんなさいよ』
『キャプテン・ミルク、なんとなくなんでイマイチ自信がないんですよね』
『このちんちくりんの恥ずかしがり屋さん。恥ずかしがらないで良いから言ってごらん』
『いやぁ〜、恥ずかしい。そんな私だけども言ってみようかなぁ〜』
『このこの。この恥ずかしがり屋さんのちんちくりんめ。蒼山ラブレターさん、何事も言ってみないと分からないんだから言ってみてよ』
『なんとなくなんですが』
『うん、うん』
『なんとなく、ちょっと変な感じなんですよね』
『蒼山ラブレターさんが思う変な感じとは、果たして一体何だろうか?』
『なんとなく、父の声が、声帯が、歳のせいもあるかもしれませんが、弱々しくなっている感じかあります』
『ははん。なるほどね、親子にしか分からない日常生活における気づきと違和感があると感じたわけなんですね』
『なんとなくなんですよ。なんとなく父の声に感じました』
『蒼山ラブレターさん、当たらずといえども遠からずになってしまいました。残念でも惜しいでもなくて、まだまだひねり出して欲しいのです。自分の頭で考えて考えて、ひねり出してくれたら何かが見えてきますよ。考えないと何も見えてはこないのです。深く考えるんだ。考え抜く事が未来に繋がる』
『キャプテン・ミルク、分かりました。考えてみます。うーん、うーん、うーんとね、あっ、アレじゃないのかい? たぶんアレかな?』
『蒼山ラブレターさん、ズバリ、アレとは?』
『父のひたむきな仕事ぶりですかね。気合いを入れるために独り言や歌を歌う事が多いのです。ひたすら、ひたむきに独り言を言う父に何か秘密があるのかなと思うのですが、いかがですか?』
『蒼山ラブレターさん、残念ながら外れですが、なかなかイマジネーションがあって良かったですよ』
『キャプテン・ミルク、降参です。教えてください』
『分かりました。では、もう一度、蒼山大爆走助さんの声を聞いてください』
『はい』
『よっしゃ、カーッ、ぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺ。ペロペロペロペロ。ぺろりん。ブッブッブッブッブッ。カーッ、ペーっ!! この野郎!! バッテラめ、なかなかのバッテラだぞ! たははははは! このバッテラめ! バッテラよ、ありがとうな! 本当にバッテラに感謝してる。カーッ、ぺろりん、ぺーい! ペッぺっぺっ! クチャクチャ、ぺっぺっ!』
『これがオリジナルの一部ですが完全版です』
『はい』
『カーッ、ぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺ。ペロペロペロペロ。ぺろりん。ブッブッブッブッブッ。カーッ、ペーっ!! カーッ、ぺろりん、ぺーい! ペッぺっぺっ! クチャクチャ、ぺっぺっ!』
『今、聞いたのが、まだ不明の段階ではありますが蒼山大爆走助さんの口から出ていると思われるはしたない音をクリアーにした音声です』
『確かにはしたない』
『続いて、これが更に音声をキメ細かく抽出した、はしたない口の音です』
『カーッ、ぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺ。ペロペロペロペロ。ぺろりん。ブキッブッブッブッブッ。カーッ、ペーっ!! カーッ、ぺろりん、ぺーい! ペッぺっぺっ! クチャクチャ、ぺっぺっ!』
『キャプテン・ミルク、確かに、耳を閉じたくなるほどに、はしたない音です』
『蒼山ラブレターさん、では問題の確信に迫っていきます。全体的にはしたない口の音と、ある部分にだけ別の言葉が一瞬だけなんですが奇妙な声が混じっているんです。はしたない口の音を鮮明にした事で浮かび上がってきたのです』
『キャプテン・ミルク、その全体的にはしたない口の音と、混ざった奇妙な言葉とは、どの部分なんですか?』
『ここです』
『カーッ、ぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺっぺ。ペロペロペロペロ。ぺろりん。ブキッブッブッブッブッ。カーッ、ペーっ!! カーッ、ぺろりん、ぺーい! ペッぺっぺっ! クチャクチャ、ぺっぺっ!』
『蒼山ラブレターさん、出し惜しみは良くない。はっきりと申し上げますね。実はですね、この汚らしくて、はしたない口の音は蒼山大爆走助さんの声ではありません!! ただし独り言の部分は蒼山大爆走助さんの声です。間違いなく本人です』
『ウッソ〜!! はしたない口の音も父っぽいよ!! 父っぽい!! 父じゃないなら誰よ? 本当なんですか?! 私が鈍いのかイマイチ分からんのです』
『蒼山ラブレターさん、一体誰の声なのか? それは、この声は限りなく蒼山ラブレターさんに近しい者の声なんです。ではでは。改めて問題の音声に迫りますね。前の音声は【ペロペロペロペロ。ぺろりん。ブッブッブッブッブッ】でしたが、リマスター版が【ペロペロペロペロ。ぺろりん。ブキッブッブッブッブッ】なんですよ』
『まだ、よく分からないです』
『蒼山ラブレターさん、更に音声をズームにしますね。前のが【ブッブッブッ】です。リマスター版が【ブキッブッブッ】なんです。【ブキッブッブ】の【ブキッ】の【ブキ】の【キ】の所です! 【キ】という奇妙な言葉に違和感ありなのでぇす!!!!!』
『キャプテン・ミルク、本当だわ! 確かに前のには【キ】が入っていないように聞こたけども、はしたない口の音をリマスター版で抽出したら【キ】が鮮明に聞こえてるぅ〜!!!!』
『蒼山ラブレターさん、しかも、この【キ】の声だけが悲観に暮れた悲しみの声なんです』
『えーっ!! どっひゃー!! 参ったねコリャ!! キャプテン・ミルク、じゃあ、一体、誰の声なんですか? 【キ】の意味とは何なんですか?』
『蒼山ラブレターさん、それは……』
☆続いちゃう☆
(作画 七海 糸様)




